コーセーの通期決算は中国市場の低迷が顕著 アジア他での「コスメデコルテ」の売上高が前年から113億円減少
コーセーは2月12日、2024年12月期の通期連結決算を発表した。売上高は3227億5800万円(前年比7.4%増)、営業利益は173億6400万円(同8.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は75億1000万円(同35.6%減)と増収減益だった。
売上高構成比で79.1%を占める主力の化粧品事業は、売上高は前年の6.2%増となる2553億4900万円、営業利益は同15.8%減となる150億5200万円だった。コスメタリー事業の売上高は同12.3%増となる647億1900万円、営業利益は同137.3%増となる69億8000万円だった。
地域別でみると、日本を除くアジアだけが減収となり、売上高の落ち込みは顕著だった。特に中国市場は回復の兆しが見えず、コーセーは今後インドやタイなどグローバルサウス事業を強化するとしている。アジアの売上高は前年比23.0%減の406億2000万円だった。一方、日本での売上高は前年比11.4%増となる2113億8500万円、北米と欧州の売上高は同21.9%増となる707億円を計上しており、ともに2桁の伸びだった。
主要ブランド別では、「雪肌精」が前年比15.4%増となる165億円を計上しており、「タルト(Tarte)」も同19.6%増の702億円と高い成長を維持した。ただ、主力ブランドの「コスメデコルテ(DECORTÉ)」が中国市場における消費低迷などの影響を大きく受け、売上高は前年比8.3%減(710億円)だった。日本市場での売上高は前年比12.6%増(430億円)と2桁の伸びだったが、アジア他が同28.8%減(279億円)となり、前年に計上した392億円から113億円減少、大きくマイナスとなった。
コーセーの2025年12月期の連結業績予想は、売上高は3360億円(前年比4.1%増)、営業利益は200億円(同15.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は138億円(同83.7%増)としている。