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創業46年。六ツ門で親子2代続く喫茶店「しのはら珈琲店」【福岡県久留米市】

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創業46年。六ツ門で親子2代続く喫茶店「しのはら珈琲店」【福岡県久留米市】

いつの時代でも「カフェ」という存在は人々をトリコにします。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」や「ネオ喫茶」と呼ばれるお店。中年以上の方はノスタルジックを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。この記事では福岡にあるそんな「昭和レトロを感じられる喫茶店」や「ネオ喫茶」をご紹介していきたいと思います。

六ツ門橋交差点のそばに佇むコーヒーカラーのビルが目印

 

今回ご紹介する「しのはら珈琲店」の場所は福岡県久留米市六ツ門。

前回記事に登場した「珈琲の店ばんぢろ」のある「久留米ほとめき通り商店街」を西側に直進していくと、やがてアーケードが終わり国道209号線に当たるので、それから左折してしばらく歩くと「六ツ門橋交差点」の角にコーヒーカラーのビルが現れます。

最寄駅の「西鉄久留米駅」からは時間にして徒歩12分ほどでした。

 

 

こちらがお店の外観。赤みがかったベージュとレンガ調の壁面で構成された色合いは、まさにコーヒーカラー。レンガが組み込まれたアーチ形の窓枠も、昭和の喫茶店らしさ満点です。

 

 

ビルの1階は駐車場になっています。数台しか停めれないので、埋まっていたら近くのコインパーキングを利用しましょう。

 

 

エントランスの階段を登ると、年季の入ったアイアン製の店名が出現。長い年月を経て良き味わいを醸し出しています。

 

 

地域に愛される人気店ゆえ、満席になることもしばしば。満席の際には階段横に椅子が完備されていますので、スタッフさんからの案内を待ちましょう。

 

創業当時から変わらない、くつろぎの店内空間

 

レンガ調の壁面と深いブラウンのフロアでコーディネートされた店内。創業当初からほとんど変わらない昔懐かしい空間が広がっています。

 

 

テーブル席には手すりと背もたれが一体化したラウンジチェアが配され、アーチ型の大きな窓からは、そばを流れる池町川の並木や国道209号線を見下ろせます。

 

 

入り口横には9人が着席できるオーバル型のテーブル席も完備。傍らにある背の高い時計は「ホールクロック」という種類で、かつてヨーロッパの社交ダンスホールで主に使われていたそう。先代のお父様から開業を記念して贈られたんだそうです。

ちなみに「made in West Germany」。まだ西ドイツという国が存在していた頃に製造された年代物です。

 

 

奥には3席だけのカウンター席もあり、そこにはサイフォンコーヒー専用のガステーブルが置かれており、なんと5つのサイフォンコーヒーが同時に抽出できるというスグレモノ!これも創業当時から使用されているもの。

 

 

またもやレトロなアイテムを発見!こちらは「オープンリールデッキ」というもので、音源が入ったオープンリールテープを再生する機械。いわば大型のカセットテープ。現在は稼働していませんが、昔はここでBGMを流していたそうです。

 

しのはら珈琲店の歴史

現在2代目としてお店を切り盛りする篠原裕典さん、香織さんご兄妹。

 

「しのはら珈琲店」は、先代の篠原正弘さんが20歳の頃、かつて現在の場所にあった建物の一角に入居していた行きつけのスナックが閉店することを知り、「それならば自分がここでお店をやろう」と思い立ち、「美園(びえん)」という喫茶店を開業したのがはじまり。

 

約10年ほど営業を続けて資金を貯め、その資金を元手に建物の土地を取得してビルを建て、1978年(昭和53年)に「しのはら珈琲店」を創業されました。

 

当時の久留米市はブリヂストンやムーンスターに代表されるゴム産業が発展し、百貨店が立ち並ぶ福岡県南部を代表する繁華街として発展。この六ツ門地区も六ツ門商店街を中心にたくさんの人々が訪れており、「しのはら珈琲店」もその波に乗って大変繁盛したんだそうです。

 

その後、息子の裕典さんが高校卒業後、家業を継ぐべく入店。程なくして修行のため神戸の「にしむら珈琲店」に7年間在籍し、コーヒーや喫茶店のイロハを学ばれました。

 

裕典さんは29歳で帰郷。先代の両親に加え、妹の香織さんも合流し、以降は親子2代で営業を続けてこられました。

 

先代は昨年ご隠居されることとなり、現在は裕典さんと香織さんご兄妹を中心に「しのはら珈琲店」を切り盛りされています。

 

最新機器と昔ながらの抽出方法を組み合わせて、変わらぬ味を確立

 

年季の入った焙煎室には、ピカピカに輝く大型のマシンが。これは「トルネードキング」という最新式の全自動業務用焙煎機。様々な設定を行うことで、安定した品質のコーヒーを焙煎してくれるというスグレモノ。

長年培ってきた「しのはら珈琲店」の自家焙煎コーヒーの味も、最新のテクノロジーが忠実に再現してくれているのです。

 

 

そしてコーヒーは昔ながらのサイフォン式抽出。抽出の終盤に少しお湯を足すのが「しのはら流」。これにより安定した味に仕上がるんだとか。先代からの教えを実直に守っておられます。

このように、最新機器と昔ながらの抽出方法を組み合わせて、昔と変わらぬ「しのはらのコーヒー」が確立されているんです。

 

コーヒーと相性の良い軽食メニューと、選りすぐりのスイーツ

 

それではメニューを拝見。コーヒーは代表的な「しのはらブレンドコーヒー(580円)」を筆頭に13種類ほどがラインナップ。そのほか、紅茶やアレンジドリンクも揃っています。

 

 

軽食メニューには人気のホットサンドや焼きカレー、ハンバーグにミートソースといった馴染み深い名前が並びます。

 

 

ケーキなどのスイーツは、久留米近郊のスイーツショップ数店舗と提携し、篠原さんが「美味しい」と思ったものだけを提供しています。そのため、毎朝わざわざ各店舗に仕入れに回っているんだそうです。

時にはスイーツショップ開業希望の方から「ぜひお店に置いてください!」と頼まれることもあり、しのはら珈琲店でのテスト販売を経て実店舗を開業されるというパターンもあるんだとか。

 

 

今回は一番人気の「ホットサンドセット」をオーダーしてみました。サラダとセットドリンク付きで1,220円。ドリンクはもちろんブレンドコーヒーをチョイス。

 

 

このホットサンドは篠原さんが神戸「にしむら珈琲店」での修行時代に習得したメニュー。焼き上げた卵焼きにベーコンとキュウリを挟んで、それをオーブンで焼き上げるというスタイル。これによりパンの表面はカリッと、中の具材はジューシーな食感が味わえるんです。

 

 

ブレンドコーヒーはサイフォンを添えて提供されるので、2杯分飲めてお得!コーヒーは飲みやすい浅煎りなので、2杯でもスルリと飲めるのが特長です。

 

 

久留米に誕生して46年、今なお老若男女が日々訪れる「しのはら珈琲店」。

これまで先代が長い年月をかけて培ってきたスタイルは、2代目の篠原ご兄妹が引き継ぎ、これからも地域に根差した老舗喫茶店として末長く続いて行くことでしょう。

 

 

しのはら珈琲店 

住所:福岡県久留米市六ツ門町6-1

TEL:0942-32-0932

営業時間:平日 昼の部 11:00ぐらい〜18:00ぐらい/夜の部 20:00ぐらい〜23:00ぐらい、日曜日 9:00ぐらい〜夕方ぐらい、祝日 11:00ぐらい〜18:00ぐらい

※平日の夜営業はお一人様500円のチャージ料が別途必要です。

定休日:不定休

喫煙:NG

Instagram:https://www.instagram.com/shinohara_coffee1978/

 

 

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