港南区上永谷 リュウゼツランに「別れ」 港南土木事務所が伐採
横浜市港南土木事務所は8月29日、港南区上永谷の交差点にあるリュウゼツランを伐採した。日本列島に接近した台風10号の影響で花茎が倒れるのを懸念しての判断。伐採を見守った住人もおり、「別れ」を惜しんだ。
港南区の環状2号「上永谷駅入口」にあったリュウゼツランは数十年に1度花を咲かせるとされる植物。7月中旬に開花し、8月末時点では花を散らせていた。
同事務所はリュウゼツランが幹線道路の中央分離帯にあるため、花茎が伸び始めた当初から倒れることを懸念していた。しかし、開花に向け注目を集めたこともあり、支柱を立てるなどの対策を実施。保全に向け対応を続けた。
だが、台風10号の進路と支柱のたわみ具合から28日に伐採を決断。翌29日の作業に至った。
初測定、長さ8m以上
伐採当日は、上部から複数部分に分けて切断していき、根元約1メートル以外を撤去。これまで目測だった高さは切断部で7・15m。根元と合わせ8m以上だったことが判明した。また、花茎の内部はわずかに弾力のある白い繊維状となっており、同事務所職員も興味深そうに眺めた。
また、地域住民も伐採を見守った。近くに住む70代の夫婦は「いずれは伐採すると思っていた。貴重な植物を見ることができ良かった」とリュウゼツランとの「別れ」を惜しんだ。
同事務所の坂口堅章副所長はこの植物の注目度を振り返り「我々が植えたものではないが多くの人が見に来て、楽しんだことは良かった」と話している。
なお、伐採された花茎の一部は港南図書館で展示されている。