【千葉ジェッツふなばし】田代直希選手インタビュー
地元・千葉県船橋市出身、プロ入り後はBリーグの強豪・琉球ゴールデンキングスで長く主将も務めたタッシーこと田代直希選手が故郷に帰ってきた!
地元が近く同学年の原修太選手との出会い、思い出の場所、今年に懸ける思いなど、存分に語ってもらいました。
田代直希 1993年6月24日生まれ。千葉県船橋市出身。前原小→前原中→東海大浦安高→専修大学→琉球ゴールデンキングス→千葉ジェッツ。ポジションはSG/SF、背番号4。身長188cm、体重85kg
千葉ジェッツは元気いっぱいの少年みたい
―千葉ジェッツに合流して1カ月ぐらいとのことですが、仕上がりはどうですか?
対人練習を始めてまだ1週間ぐらいなので、まだまだですね。
チームメイトの得意なプレーを知ったり、自分の強みをどう生かせるかを考えながら、探り探りの状態です。
―ご自身の「強み」はどういうところですか?
臨機応変。周りに合わせてスタイルを変えられる点です。
得点能力の高い選手がいれば、自分はパス供給に回るなどして、求められる役割に徹する…そうやってBリーグ界で生きていこうと思っております!
―千葉ジェッツ加入の経緯を教えてください。
前所属の琉球ゴールデンキングスを退団する際に、自分からジェッツを希望しました。
移籍するなら強いチームでやりたい、という思いがあって。
しかも自分の地元のチームですし。
希望通りに決まった時はうれしかったですね!
―加入してみてどうですか?ジェッツの印象は。キングスとの違いなどあれば教えてください。
ジェッツは雰囲気が「元気いっぱいの少年!」って感じですね。
―??
キングスはもうちょっと落ち着いた人が多いんですが、ジェッツは良くも悪くも「好きなものに一直線!」な選手が多い気がします。
みんなすごくバスケが好きなんだな~と感じさせる一方、バスケだけかといえばそうでもない。
文男さんはファッションに真剣だし、そういった二面性も含めて、好きなものや趣味に全力で打ち込む姿勢が好奇心いっぱいの少年みたいだな、と。
―他のチームメイトはいかがですか?
「コイツかわいいな」と思った後輩はいますか?
二上君ですね。一番かわいい。人懐っこいんですよね性格が。
フランクに話しかけてくれる。
小川君は礼儀正しいように見せて最初に距離感を作ってくるんですけど、詰めていけばフランクで優しい子かな~って感じ。
ありがちな表現ですけど、みんないい人ばかりです。
変に癖のある人はいないけど、いい意味で個性的。
そう…岳さんとか、岳さんとか、岳さんとか(笑)
なんなんすかね、あの包容力、やばいっすね。大好きですよ、あの柔らかい感じ。
琉球では自分が(年齢的に)上から2番目だったんですけど、ジェッツには岳さんも文男さんもいるし、後輩もいて、いい感じに真ん中辺にいるのでリラックスできています。
音楽アニメが涙腺を攻撃してくる…
―「田代直希選手」を一言で表すとどういう人ですか?
勤勉で多読で人格者、比較的優しい。間違いないです。
―(広報・清野さん)自分で言っちゃうんですね(笑)
誰も言ってくれないから自分で言いました!
-どんなジャンルの本を読まれるんですか?
小説も読みますし、筋トレとか栄養学とか、その時々でハマったジャンルについての本をさらっと読んでみたりとか、経済学とか心理学とか哲学の本も読んだりします。
オフの日はひたすらインドアで、読書をしたりアニメを見続けていたり…とにかくインドア派です!
―好きな言葉や座右の銘があったら教えてください。
何だったかな…。「なるようになれ」「流された先で花を咲かせよう」
とりあえず、そんな感じで書いておいてください。
本を読んでいて「いいな」という言葉をたくさんメモしてるんですけど、こういう時に出てこないんじゃ意味がないな(笑)。
―好きなアニメは?
『ワンピース』。
他には、音楽をテーマにした作品が好きですね。
『BLUE GIANT』(ブルージャイアント)とか。
楽器が出てくる作品はアニメでも小説でもドラマでも泣けるっていうか…涙腺を攻撃してきます。
―何か楽器を演奏されていたんですか?
全くしてないです(きっぱり)!
でも音楽って知的で上品なイメージがあって、スポーツと全く違う世界だからこそ、何か引かれるんですよね。
幕張のコートでボコられた少年の日々
―このたび地元に戻ってきたわけですが…お気に入りの場所はどこですか?
「かいざん」とか「なりたけ」とか。ラーメン大好きです!
―よく遊びに行く場所はありますか?
千葉県ではあまり遊ばないのですが、友達が住んでいる関係で本八幡によく行きます。
ご飯食べたり、たまにお酒飲んだり。
お店もいっぱいあっていい町ですよね。
―子どもの頃はどこで遊んでいたのですか?
よく行ったのは幕張の公園です。
どこなのかもう分からなくなっちゃったんですけど、バスケットボールのコートがある大きな公園があったんですよ。
地元から自転車をこいでそこにバスケしに行ってたんですけど、めちゃくちゃ上手な人たちがいっぱいいて、ボコボコにされて帰るっていうのを繰り返していました。
ダンクも決めるし衝撃的なレベルの高さでしたね。
今思えば、あの人たちは一体何だったんだろう…と思い出します。
―バスケを始めたきっかけは…?
もともと野球とサッカーをやっていたんですが、兄がバスケを始めて、一緒に連れていかれて必然的にという感じです。
僕、本当は野球がやりたかったんですよ。
特にジャイアンツが好きで…当時は仁志、二岡、松井、清原…の時代。
中でもゴジラこと松井秀喜選手が大好きでしたね。
野球をやっていれば今頃ドジャースにいたかもしれないな~。
結局兄の影響で小4からバスケを始めました。
ハラ―ニとの出会い
―子どもの頃から原修太選手(ハラ―ニ)とは旧知の仲。
今季からチームメイトになりますが、どうですか?
原ちゃん、より一層いかつくなっていますね。
体ももちろんですが、顔が怖い(笑)。
昔はもうちょっとニコニコしている子だったんですよね。
でも「ずっと怖い顔してんな」…って思って見ていたら、たまに僕がヘマなんかすると、うれしそうに「やーーーいw」って喜んだり。
そういうところは変わらないですね。
―2人が初めて出会ったのはいつですか?
小学6年の時。
僕のいたチーム(前原小)は弱かったんですけど、隣の小学校とバスケ部が合併したら突然強くなって、市大会の決勝まで勝ち上がったんです。
反対側の山から決勝に勝ち上がってきたのが原のいたチームでした。
当時から体の大きさが目立ってましたね。
―初めて話した時のことは覚えていますか?
いや、全然…。
決勝で対戦した後、二人とも市選抜に選ばれたので、そこで言葉を交わしたのが最初だと思いますが、たぶん当たり障りのない会話だったんだと思います。
小学生の時はそんな感じで、とびきり親しいというわけではありませんでした。
―いつごろから仲良くなったんでしょうか?
大学…いや、高校ですかね。
高校3年の時、僕ら二人とも全国大会には出られなかったので、部活の引退が早かったんです。
進学先も決まって暇だったんですよね。
千葉県内で夜にバスケができる場所があって、そこでおじさんたちに交じってバスケをしていたんですけど、二人で一緒にそこに行くようになって仲良くなりました。
―大学生の頃のインタビュー記事で、好みがことごとく一致してすごく気が合う、というのを見たのですが。
それは噓ですね(笑)
あ、でも境遇がすごく似ているっていうのはあるかな。
小学生の時は(横幅は違うけど)身長が同じくらい。
二人とも中学になってからは背が伸び悩んで、高校に入ってまた伸びて。
その速度が一緒。
高校に入ったら、二人とも1年生からバリバリ試合に出たわけではなく、出るようになった時期も同じぐらい。
互いの立場が似ていたので「話が合う」っていう感覚はありました。
古巣・琉球との対戦で意識するのは…?
―背番号「4」を選んだ理由を教えてください。
大学生の時から12年間、ずっと「24」番だったので心機一転したいというのと、「せっかく移籍するので何かを変えたい」ということで背番号を変えることにしました。
個人的に、背番号は2桁より1桁の方がユニホームの見た目がかっこいいと思うので、1桁を希望したんです。
「4」は、琉球でチームメイトだったコー・フリッピン(現群馬)やヴィック・ローが千葉ジェッツ在籍時に付けていた番号。
僕の中で「千葉ジェッツの背番号4」といえば、活躍する選手というイメージが強い。
コーはB1制覇の立役者でしたしね。
自分もそんなふうに活躍できたらという思いも込めて、4番にしました。
―琉球と対戦する時、特に意識する選手はいますか?
意識すると良くないと思うので、意識しないようにしたいですけどね。
でもずっと一緒にやってきた岸本(隆一)は、マッチアップして何としてでも止めたいですね。
あいつを止めないとチームも乗ってきちゃうんで!
―「自分のここを見てほしい!」という注目ポイントを挙げていただけますか?
ドライブが鍵だと思っています。
自分がドライブして直接得点を狙いに行くだけでなく、ドライブで敵を引き付けて得点能力の高い味方選手にパスをし、気持ちよくシュートを打ってもらいたい。
激しくディフェンスするところも売りにしたいですね。
ドライブとディフェンス、この2つに注目してください。
―最後に今シーズンに懸ける思いや抱負をお願いします。
チームが掲げる目標に対して、一つでも多くの貢献をすることが自分の仕事。
勇樹や原ちゃんや文男さんが作ってきたこのチームを「僕が引っ張ります」というのは違う気がするので、ジェッツという大きな船に乗りながら、その中で自分のできることをくまなく探していきます。
それをチームへの貢献につなげていけたらいいなと思います。
―ありがとうございました。