京都議定書はCOP3、パリ協定はCOP21。そもそも「COP」とは?
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、12月5日の放送にハフポスト日本版編集長・泉谷由梨子が出演。「COP29の成果と課題」というテーマで、「COP」の基本的な部分から解説を展開した。
鈴木敏夫(文化放送解説委員)「11月11~24日までアゼルバイジャンの首都・バクーで開催されたCOP29についてお話を聴きます。まず『COP29って何?』というところから」
泉谷由梨子「時々ニュースで皆さん、耳にされていると思うんですけど、けっこうややこしくて。もう29回目なんですよ。そもそもCOPとは『締約国会議』といいます。条約を結んだ国々による会議という意味です。今回のCOP29は国連気候変動枠組条約というものを結んだ国や地域が参加する締約国会議、となっています」
長野智子「はい」
泉谷「有名どころだと京都議定書、パリ協定など、なんとなく聞いたことある方もいると思います。気候変動を食い止めなければいけない、ということで国際的に、国はこうしましょう、という取り決め、ルールづくりが行われるのがこの世界会議、ということです」
長野「京都議定書はCOP3だったんですね。パリ協定がCOP21」
泉谷「京都議定書の何がすごかったかというと、初めて先進国の排出量の削減目標が定められた、ということで。ここが歴史の転換点の第一、ということになります」
鈴木「はい」
泉谷「パリ協定は具体的な気温上昇の目標が決まった、というのがすごかった。目標は何なのかというと、産業革命より前の水準から、気温の上昇を1.5度以下に抑える。これが決まったのがやはり大きかった。1.5度目標はどうすればいいか、ということですけど、具体的に温室効果ガスが気候変動、気温を高くしている、とご存じだと思います。温室効果ガスをたとえば1.5度に抑えるには、世界で2019年と比べて43%削減しなければいけない」
長野「これは大変」
泉谷「慌てて、にはなりますけど、いろんな国が協力して削減していかないといけないね、ということで国際的な合意が得られている、ということですね」
長野「はい」
泉谷「前回も歴史的なルールづくりがありました。COP28で決まったのは『化石燃料から脱却しなければいけない』ということと、各国の目標を、ただやみくもに決めるのではなく、設定したら進捗確認までします、と。枠組を決めた。現在、いろんな国で目標を定めていますが、全部の国がきちんと全部達成しても、じつは2.1から2.8度上昇してしまう」
長野「パリ協定で1.5度以下に抑える、と言っていたのに」
泉谷「もうダメなんですよ、目標どおりでも。どうしなければいけないかというと、目標は5年おきに見直し、というサイクルが回ることになっています。各国の目標をもう少し引き上げなければいけない、と。もう少し高い目標を皆、出していこう、ということです」
長野「日本も大変ですね。化石燃料からの脱却が」
泉谷「COP29で何が、というと、今回のいちばんの注目ポイントは『発展途上国がどうやってこのあと、排出量を削減していけるのか』。日本やアメリカのような、発展を遂げた国はバンバン二酸化炭素を出して輩出してきたのに、ずるいじゃん、ということなんですよ。過去のものは責任がなくて、これから発展していく途上国はどうすればいいの、という」
このあともCOP29について解説が続いた。詳しくはradikoのタイムフリー機能で確認してほしい。