東京都の産業規模は? 総生産額はスイス以上の113.7兆円、他県から300万人以上が通勤など
東京都は9月6日、東京の産業と雇用就業の実態や特性などをまとめた「東京の産業と雇用就業2024」を公表した。
2021年度の都内総生産(名目)が113兆6859億円で一つの国に匹敵する経済規模となっているほか、東京の昼間人口(1675万人)のうち、約336万人が他県からの流入人口であることなどが明らかになった。
都内総生産の内訳、第3次産業が9割近く 第1次産業は0.03%
「東京の産業と雇用就業2024」は総務省の「経済センサス」「就業構造基本調査」をはじめとする各種統計データを基に、東京の産業と雇用就業の実態や特性などをまとめた。
ドル換算した2021年の国別の国内総生産(GDP)で日本は米国、中国に次ぐ世界3位となっているが、東京都の都内総生産もトルコやスイスを上回り、インドネシアやオランダに次ぐ規模となった。
都内総生産の内訳は、卸売・小売業、不動産業などの第3次産業が最も多くて88.64%、製造業や建設業などの第2次産業は11.33%、農林水産業などの第1次産業は0.03%に過ぎなかった。
企業活動を支える金融機関との取り引きは、企業規模が大きくなるほど、都市銀行の割合が高くなった。
2023年の「中小企業規模別主な取引金融機関」では、製造業やサーボス業で従業員50人以上の「大規模」の73.2%が都市銀行と取り引きをしていた。一方、製造業やサービス業で従業員が1人から9人の「小規模」では46.1%を占めるなど、規模が小さくなるほど「信用金庫」の割合が高くなっていた。
総人口は1411万人で2年連続増加、自然減は拡大
東京都の2024年の総人口は、2年連続で増加して1411万人となった。人口は増加しているものの、人口増減の推移を変動要因別に見ると、出生数から死亡数を引いた自然増減の減少幅が年々拡大している。
2020年の東京の昼間人口は1675万人で常住人口は1405万人、昼夜間人口比率は119.2と流入超過となっている。
他道府県に住み、東京に通勤・通学する人(流入人口)は336万人で、神奈川・埼玉・千葉の3県からの流入が多くを占めている。一方、東京から他道府県へ通勤・通学する者(流出人口)は66万人となっている。
東京で働く就業者は、1017万9000人で、そのうち東京に住み東京で働く就業者は713万6000人、一方、他県に住み東京で働く就業者は304万3000人だった。
東京都の企業の働き方、8割以上で「短時間勤務制度」を導入
働き方に関しては、企業が定めている多様な働き方に関する制度については、「半日や時間単位の有給休暇」が84.6%と最も高く、「短時間勤務制度」が続き78.6%だった。
制度の利用状況について見ると、男女ともに「半日や時間単位の有給休暇」、「テレワーク制度」の割合が高くなっている一方、「短時間勤制度」や「所定時間外労働の免除」「事業所内の保育所の設置」などは男女差が大きかった。
利用状況の割合が高かったテレワークは、2023年は「導入済み」の企業が60.1%となった。また、テレワーク導入の効果やメリットについては、「非常時(新型コロナウイルス、地震など)の事業継続対策」が87.8%と、最も高かった。
育児休業等取得率の推移を見ると、2023年度は、女性は92.9%、男性は38.9%だった。男性の取得率は、女性と比較すると低い水準で推移しているものの、4年連続の上昇となった。
副業がある人は、2022年は52.4万人で、2017年から14.8万人増加し、2022年の副業者比率は6.5%だった。
東京都の発表の詳細はこちらで確認できる。