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一般社団法人はてなボックス 音楽で社会とのつながりを 「不登校楽団」始動 6月の練習へ団員募集

タウンニュース

参加を呼び掛ける竹川さん

教育の力でさまざまな地域課題に取り組む一般社団法人はてなボックス(齋藤茂樹代表)は4月から「不登校楽団プロジェクト」をスタートした。不登校の子どもたちの新たな居場所を作るとともに、音楽を通して社会とのつながりや達成感を感じてもらいたいと企画。6月の初練習に向けて団員募集や企業への協賛の働きかけに動き出した。

不登校の子や保護者の悩みとして、学校に行かないことによる社会との分離がある。今回の企画のプロデューサーを務める竹川耕一郎さんは、過去に谷口台小(南区)、共和小(中央区)で教員経験があり、現在も講師として学校教育に携わっている。その中で、不登校の悩みを解決できないかと考えていたところ、不登校楽団のアイデアが持ち上がったという。「音楽は2人いれば合奏ができ、スポーツのように人数制限もない。練習すると向上心が湧き、発表会など人前で演奏することにつながる。社会とのつながりもできる」とその魅力に自信を持つ。

楽団では、リモートでの練習を毎週行い、対面での全体練習を月に1回予定している。来年3月にはホールでの演奏会を視野に入れる。楽器は相模原吹奏楽連盟と連携し、使わなくなった楽器を借り受けての使用も考えている。吹奏楽は一般的に演奏場所や高価な楽器の購入などで始めるのにハードルが高いとされるが、「それらの負担を感じずに、楽しくできる方法を考えて準備を進めている」と竹川さんは意気込みを話す。

心温かくなる場所に

現在、団員を募集中。対象は、相模原市在住の小学生から高校生まで。不登校や不登校だった子、もしくは活動に興味がある人は参加可能。30人程度の応募を見込んでいる。竹川さんは「退屈している子、時間を持て余している子にぜひ来てもらえたら。何をしたらいいか分からないという保護者の方も、ぜひ問い合わせてほしい」と力を込める。「演奏技術を上げる楽団ではなく、音楽を通じて社会性を学び心を育む。仲間を大切に思ったり、みんなで認め合い、心が温かくなるような場所を目指したい」と見据える。

フリーで携わる

竹川さんは、小3の時にトランペットを始めた。小中高と吹奏楽部で演奏し大学時代は楽器から距離を置くものの、教師として市内の小学校に赴任すると、吹奏楽部の顧問として後進の育成に励んだ。共和小では、県吹奏楽コンクールの最高賞に当たる「朝日新聞社賞」の受賞経験もある。また、クラス担任として不登校の児童とも向き合ってきた。「子どもが学校に来られない理由はさまざまだが、不登校の児童にとって学校に行くだけがベストではないのではないか。別の方法や居場所もある」と話す。

現在はフリーの教員として、不登校の子どもたちを集めたオンラインスクールやイベントも手掛け、不登校の子や、その保護者と交流を図っている。「子どものキラキラした表情を見るために、頑張っていきたい」

不登校楽団についての問い合わせは同法人【電話】050・1809・4548。

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