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映画館で「驚く」準備はできているか?予想をぶっちぎる傑作『教皇選挙』絶賛クチコミ拡大中

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映画館で「驚く」準備はできているか?予想をぶっちぎる傑作『教皇選挙』絶賛クチコミ拡大中

話題沸騰『教皇選挙』ついに公開

第97回アカデミー賞で脚色賞を受賞した『教皇選挙』が、3月20日(木・祝)より全国公開中だ。世界中のメディアで軒並み絶賛されている本作は某辛口レビューサイトの観客スコアも90%に迫る勢いで、日本でもSNSを中心に絶賛評が相次いでいる。どの角度から攻めても「面白い」という反応しか出てこない、今季オスカー受賞作の中でも間違いなく最注目作品の一つだ。

『教皇選挙』© 2024 Conclave Distribution, LLC.

全世界に14億人以上の信徒を有するキリスト教最大の教派、カトリック教会。
その最高指導者にしてバチカン市国の元首であるローマ教皇が、死去した。

悲しみに暮れる暇もなく、ローレンス枢機卿は新教皇を決める教皇選挙<コンクラーベ>を執り仕切ることに。
世界各国から100人を超える強力な候補者たちが集まり、システィーナ礼拝堂の扉の向こうで極秘の投票が始まった。

票が割れるなか、水面下で蠢く陰謀、差別、スキャンダルの数々にローレンスの苦悩は深まっていく。
そして新教皇誕生を目前に、厳戒態勢下のバチカンを揺るがす大事件が勃発するのだった……。

『教皇選挙』© 2024 Conclave Distribution, LLC.

ローマ教皇の死から始まる一級ミステリー

原題もズバリ『Conclave(コンクラーヴェ)』な本作は、とにかく“次期教皇を決める選挙”の中でのみ起こることを描く。かといってバチカンに関するサムシングをビタイチ知らなくても鑑賞に一切支障はないので、地味かつヘビーな邦題に怯んでいる人も安心して劇場に足を運んで欲しい。

そもそも本作は、どストレートにミステリーのセオリーを踏襲した推理ドラマ。教皇と枢機卿がどんな存在かさえざっくり知っていれば、あとは物語の顛末をハラハラしつつ大いに楽しむことができる。メイン舞台も登場人物もめちゃくちゃ限られているのに、現実の様々な社会問題が違和感なく盛り込まれているところもスゴい。

『教皇選挙』© 2024 Conclave Distribution, LLC.

ビタイチ飽きるヒマのない面白さ!

カトリック教会が仕切るバチカンを舞台にした超一級のミステリー、最高のエンタメ作品に仕上がっている本作。思想・派閥が絡むポリティカル・サスペンス、ゴリゴリの家父長制を象徴する現代社会の縮図――実際そういった趣旨の作品ではあるし掘り下げるべきテーマではあるものの、とはいえ身構えて観る必要はない。会話劇がメインにも関わらず「えっ、どういうこと?」「じゃあ、あの人が……」な展開がポンポン出てきて、とにかく“我慢の時間”がほとんどない面白さなのだ。

『教皇選挙』© 2024 Conclave Distribution, LLC.

野心は見せないが保守派の就任を阻止したいリベラル派のベリーニ、重要な何かを隠している様子の重鎮トランブレ、ベネチアの伝統保守派テデスコ、初のアフリカ系候補アデイエミ、“遅れてやってきた”若手ベニテス(アフガニスタンで奉仕していたって!?)……枢機卿たちのキャラ立ちは抜群で、おじさんばかりで誰が誰だか? な状態にはなりようがない。

『教皇選挙』© 2024 Conclave Distribution, LLC.

レイフ・ファインズを筆頭にスタンリー・トゥッチやジョン・リスゴーら重厚感ある演技を見せるベテラン俳優たちは、全員メインディッシュ級。わずか数分の登場時間にもかかわらず演じたイザベラ・ロッセリーニがアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたシスター・アグネス(ちょっとした表情演技にも注目!)も、シスター目線のスピンオフが1本撮れそうなほどの存在感だ。

『教皇選挙』© 2024 Conclave Distribution, LLC.

全国の映画館がザワつくこと必至の超・驚愕展開

劇中冒頭で逝去する教皇のモデルはローレンスの敬愛ぶりから察するに、現ローマ教皇(第266代)フランシスコだろうか。進歩派のフランシスコは宗教を隠れ蓑にした戦争犯罪や人種的・性的マイノリティへの差別に対してNOを表明しており、それゆえに否定派も多い存在だ。なおトゥッチ演じるベリーニの役作りもフランシスコみがある。

『教皇選挙』© 2024 Conclave Distribution, LLC.

フランシスコについてはアンソニー・ホプキンスとジョナサン・プライスが共演したNetflix映画『2人のローマ教皇』(監督:フェルナンド・メイレレス)でも描かれていて、プライスが演じた枢機卿がのちのフランシスコ。彼が自身の過去に抱えている悔いと苦悩が描かれているので、本作と併せて鑑賞すれば理解が深まるだろう。

本作の監督エドワード・ベルガーは、Netflix映画『西部戦線異状なし』で2022年にアカデミー賞国際長編映画賞を受賞している注目のドイツ人監督。腹の奥がムズムズするような終始ヒリついた空気感は今回も継続しており、史実ベースの作劇センスを改めて証明してみせた。最後の最後まで声が出るほど驚かせてくれるので、覚悟して鑑賞して欲しい。

『教皇選挙』© 2024 Conclave Distribution, LLC.

……これは完全に余談だが、本作の脚本家ピーター・ストローハンはジョン・ル・カレ原作のスパイ映画『裏切りのサーカス』(2011年)も手掛けていて、そして『2人のローマ教皇』のメイレレスは同じくジョン・ル・カレ原作の『ナイロビの蜂』(2005年)の監督でもあり、こちらも主演はレイフ・ファインズだった。

『教皇選挙』は3月20日(木・祝)より全国公開中

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