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名誉大賞の町の銘菓 「絶対いけると思うんだ…」息子の思いを母が継いだ誕生物語

Sitakke

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HBC テレビで、毎週月~金曜ごご4:50~7:00に放送中の情報ワイド番組「今日ドキッ!」。
北海道のさまざまな話題をご紹介している「今日ドキッ!」から、選りすぐりの情報をお届けします。

開催中の「あさひかわ菓子博2025」。
今回は過去に開催された菓子博と深いつながりがある、銘菓に注目しました。

運命を変えた菓子博 母と息子の物語

今回注目したのは、北海道 安平町。

人口約7000人という小さな町に、お菓子屋さん「早来かりんず」があります。

安平町の道の駅でも販売され、多い日だと1日200個以上売り上げる人気商品。

今では町民の誰もが知る銘菓“チーズ羊羹”ですが、その誕生エピソードはほとんど語られることはなかったといいます…。

昭和30年。
明治時代から続く宮本製菓の経営を父親から受けついだのは、息子の宮本 清一さん。

(再現:TEAM NACS 森崎 博之)
清一さんは先代から受け継いだ伝統の味を大切にしながら、マチを代表する“新たなお菓子”を目指して、日々挑戦していました。
お店を継いでから1年が過ぎた、ある日…。

突然の病によって倒れ、入院する事に。

清一さん:「我が町の名物チーズを使ったお菓子はどうかな?絶対いけると思うんだ」

「早来町」は酪農が盛んで、昭和8年に日本で初めてのチーズ工場が誕生。
“チーズの町”として知られるようになっていたのです。

病室で意気込んでいた清一さんでしたが…
その後、容体が急変。
清一さんは、25歳という若さでこの世を去ったのです。


母・千代さん:「チーズを使ったお菓子を作る」

しかし、母の千代はチーズが苦手…
その思いを活かし、苦手な人でも食べられるお菓子にしようと決意しました。

そこで、千代が目に付けたのはお店の主力商品だった羊羹。
職人と力を併せ、チーズ入りの羊羹作りに明け暮れました。

母・千代さん:「チーズと羊羹を混ぜてみたら?」

職人:「チーズは“油”羊羹は“水”別々になってしまいます…」


ついに、チーズ入りの羊羹が固まりました!
白あんとチーズを根気よく混ぜ合わせることで、分離することなく、固めることに成功。
たちまち町じゅうで話題に!

発売から6年が経った年。
菓子業界の展示会としては最大級の「全国菓子大博覧会」に「チーズ羊羹」を出品。

その結果、栄えある「名誉大賞」を受賞!
小さな町から全国へと羽ばたいたチーズ羊羹は名実ともに「町の銘菓」となったのです。

現在は清一さんの弟、勲さんが昔と変わらない製法のまま作り続けています。
白あんとチーズを混ぜる瞬間は特に神経を使うといいます。

弟・勲さん:「タイミング、今でも難しい」

弟・勲さん:「勘ですね。それが無いとこの羊羹は出来ません」

うまく混ざるには白あんの粘りや温度が大事。
そこは職人の経験だけがたよりです。

【早来かりんず】

住所:安平町安平45
電話:0145-23-2602
営業時間:午前9時~午後5時
定休日:火曜

早来かりんずの「チーズ羊羹」は、どさんこプラザ、きたキッチン、ネット通販などでも購入する事が出来ます。

※掲載の内容は番組放送時(2025年5月29日)の情報に基づきます。

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