オトノバ 即興が生む、音の化学反応
昨年から定期的に開催されている即興演奏ワークショップ「オトノバ」。子どもとその保護者、音楽家らが互いに交流を深め、自由な音楽の魅力を伝える場として好評を博している。
子どもが木琴を叩く、鈴を振る、鳴くニワトリのおもちゃを握る、ひたすら部屋を走り回る――ここでは、これらがすべて「音楽」となる。
ふじさわ宿交流館で子どもから大人まで誰でも参加でき、打楽器や鍵盤、弦楽器を、楽譜なしの即興で演奏できる「オトノバ」。コントラバス奏者の後藤勇さん=人物風土記で紹介=とサックス奏者の木村広人さんのユニット「TOKIDOKI」が主催し、昨年5月から開かれている。
ルールは「静寂から静寂までの時間で、1つの音楽にすること」のみ。「周りでどんな音が出ているかよく聞きながら、自分でも音を出す」ことが必要となる即興演奏。自分だけが大きな音を出すことなどがなければ、どんな表現でも自由だ。
参加した小学生の一人は、机に置いてある太鼓を叩かず、別の机に運んでいくというパフォーマンスを披露したこともあるという。
「山に入って聞こえる木々のざわめきや鳥の鳴き声が組み合わさるように、自然と出てきた音が調和し合い、1つの音楽となっていくのがオトノバの魅力」と後藤さん。「音楽の自由さは居心地の良さにもつながる。ぜひ気軽にご参加いただければ」と呼び掛けた。
15日にフェス
「オトノバ即興フェス」が今月15日(土)、同館で開かれる。午前10時から正午。ワークショップ常連の子どもたちによる即興演奏「コドノバ」や、その保護者による演奏「オヤノバ」のほか、ファシリテーターを務めるTOKIDOKIが演奏を披露。その後は当日参加の人も楽器演奏の体験ができる。
イベントに関する問い合わせは同館【電話】0466・55・2255。