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相模原市出身倉持さん サウンドアート作品が入選 やまなしメディア芸術アワード

タウンニュース

出品作品『I was a weapon.』(サウンドアート/音声3分30秒/ワインボトル、アクリル板、PETG、電子部品、ロッシェル塩、アルミホイル、銅etc)=本人提供

次世代を担うアーティストの育成と芸術文化のプラットホーム形成を目指し開催されている「やまなしメディア芸術アワード2024―25」(山梨県主催)の受賞作品がこのほど発表され、相模原市出身のアーティスト・倉持清香さん(34歳・ドイツ在住)の作品『Iwasaweapon.』が入選に選ばれた。

信念や美学を追求

出品作品は「ロッシェル塩」を使ったスピーカーと、その歴史を綴った詩からなるサウンドアート。ロッシェル塩はワインに含まれる酒石酸から化合できる結晶で、力を電気に変換する特性を持つ。日本では太平洋戦争で潜水艦のソナー(水中の物体や魚群を探知したり深さを測る装置)などに使われた。倉持さんは「忘れ去られた技術を再構築し、AIブームの今、再提示すること」に意味を見い出し、「近代技術の目まぐるしい進歩とその背後の消費、喪失への言及を試みた」という。審査員からは「ロッシェル塩の結晶を自ら生成、ワインボトルを用いたスピーカーにして一人称の物語を語らせるという完成度に感銘を受けた」などの講評を得た。

初参加で入選に輝いた倉持さんは「ロッシェル塩は科学の分野では既に研究されなくなっている素材。美術だからこそできることがあると思い、制作に取り組んだ。私の信念や美学が認められたようで本当にうれしい」と喜びをあらわにした。

ドイツで制作活動

倉持さんは中央区出身。弥栄高校美術コースで学んだ後、女子美術大学へ進学。3年時から多摩美術大学に編入し、卒業後は相模原市民ギャラリーおよびアートラボはしもとに5年間勤務した。2018年にドイツに渡り、現在はケルン・メディア芸術大学に通いながら制作活動を続けている。卒業後は現地アーティストのアトリエで研修を受けながら新たな作品を展開していく予定。

今後も、積極的に公募展に挑戦していきたいという倉持さん。「そのためにも、勤勉かつ貪欲に制作に取り組みたい。そして、日本とドイツだけでなく幅広く世界で活動していけるアーティストになれたら」と抱負を語った。

作業場での倉持さん(撮影/ Friedrich Boell)

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