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2025プロ野球前半戦の失策王は誰だ?阪神がエラー激減、守備力も首位独走の一因か

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日本ハムの清宮幸太郎・西武の外崎修汰・楽天の宗山塁,ⒸSPAIA

阪神は前半戦12球団中2位タイの37失策

プロ野球はオールスターが終わり、いよいよ後半戦を迎える。ペナントレースも佳境を迎えると1球で流れが変わるような、しびれる試合が増えていく。そこで重要になるのが守備力だ。

勝負どころでのエラーは球場全体の雰囲気がガラリと変わり、チームへの影響は大きい。優勝を争っているチームならなおさらプレッシャーが強くなる。そこで前半戦のチーム失策数を調べてみると、昨季までと顔ぶれが違った。

昨季まで毎年のように失策の多かった阪神が、12球団中2位タイの37失策しかしていない。2018年は89失策、2019年は102失策、2020年は85失策、2021年は86失策、2022年も86失策で5年連続12球団最多失策、2023年、2024年は85失策で2年連続ワースト2位だったチームが劇的に課題改善している。

今季前半戦の最多失策はソフトバンクの53、次いで日本ハムの51となっている。選手別はどうなっているだろうか。失策数をランキングにしたのが下の表だ。

日本ハム・清宮幸太郎が最多12失策

ワースト1位は12失策の日本ハム・清宮幸太郎。元々はファーストだったが、新庄剛志監督が就任してからサードでの起用が増え、今季はほとんどサード。しかし、失策数は自己ワーストだった2023年の13失策にあと1個まで迫っている。打撃への影響も心配されるものの、守備は急激に上達することはないため、実戦経験を積んでいくしかないだろう。

2位は西武・外崎修汰と楽天のルーキー宗山塁が10失策で並んだ。外崎は長らく源田壮亮と二遊間コンビを組んでいるが、今季は失策が多く、打撃面でも打率.212と不振。スタメンを山村崇嘉に譲る試合も増えている。

昨秋ドラフトで5球団競合した宗山は開幕からショートを守り、76試合で10失策。過去の同じ大卒ショートでは野村謙二郎(広島)が88試合で1失策、二岡智宏(巨人)が126試合で9失策、鳥谷敬(阪神)が101試合で4失策だから、やや多いと言える。球団生え抜きのスター候補として育成するには、辛抱強く起用していくしかないだろう。

セカンドで安定感増した中野拓夢、エラー激減の佐藤輝明

4位は8失策の広島・矢野雅哉と阪神・木浪聖也が並ぶ。亜細亜大から入団5年目の矢野は昨季137試合に出場して12失策。小園海斗から奪ったショートのポジションを守り抜くには確実性を高めたい。

阪神は長年ショートがアキレス腱だったが、近年レギュラーを務めていた木浪聖也は今季も50試合で8失策。打率.193と不振だったこともあり、6月20日に二軍落ちした。

その後は主に小幡竜平がショートを守っており、56試合で6失策。ショート時代の2022年に18失策を記録したこともある中野拓夢はセカンドにコンバートされてから安定感が増し、今季は90試合でわずか1失策と守備面でもチームに貢献している。

さらに、阪神で失策が激減しているのが佐藤輝明だ。昨季はリーグ最多の23失策、2022年も20失策を記録したが、今季は89試合で2失策。シーズン途中にサードからライトに回り、再びサードに戻ったが、守備の安定が打撃にも好影響を及ぼしているのだろう。阪神の独走は藤川球児監督の選手起用も含め、守備面の改善が一因と見ていい。

ワースト10に日本ハム勢が3人

6位タイの7失策は巨人・泉口友汰、ロッテ・友杉篤輝、楽天・浅村栄斗、日本ハム・万波中正、同じく日本ハムの水野達稀の5人。前半戦で7失策なら悲観するほど多いとは言えないが、気になるのはワースト10に日本ハム勢が3人もいることだ。

阪神と同じく、日本ハムも以前から失策が多いチームだった。2022年は阪神、西武と並ぶ86失策、2023年は94失策でいずれも12球団最多。2024年はワースト4位の75失策、そして今季もここまでワースト2位の51失策を記録している。

守備の課題を改善した阪神に対し、相変わらず不安を拭えない日本ハム。いずれもリーグ首位に立っているが、独走するチームと2位以下を引き離せないチームの差はこんなところにも出ているのかもしれない。後半戦は各チームの守備にも注目したい。

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記事:SPAIA編集部

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