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石破氏が第103代総理大臣に選出 103万円の壁撤廃に不穏な動き

文化放送

11月12日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、石破首相選出と103万円の壁について意見を交わした。

日本の政治家や官僚がデフレ経済に甘えて言い訳にして改革をなおざりにした象徴

衆議院選挙を受けた特別国会が召集され、総理の指名選挙が行われた。衆議院選挙で自民・公明両党が過半数を割り込む少数与党となったため、石破首相一回目の投票で投票総数の過半数を獲得できず、野党第一党立憲民主党野田代表との決選投票となった。その結果、第103代総理に選出され、第二次石破内閣が発足している。
衆院での決選投票は、自民、社会、新党さきがけ政権が誕生した1994年以来、30年ぶりとなった。

(寺島アナ)「田中さん、改めて石破総理の選出、どう受け止めてらっしゃいますか?」

(田中氏)「常識的に考えて、与党は国会運営が厳しくなることは予想できますよね。与党側がアクセスしている国民民主党との政策協議。これが上手くまとまらないと今後の展望が開けないっていうのが一応の見方ですが、1994年の自民、社会、新党さきがけ政権はみんな驚いたと思うんですよ。自民党と社会党っていうのはいわゆる“60年安保闘争”のなかで与党と野党でずっと対立していたのがドッキングしちゃったわけですよ。それと似たような構造が今回あっても不思議じゃない。つまり自民党と立憲民主党。石破さんはいま治的に弱い立場にいるので、従来のアベノミクス批判をひっこめて岸田さんの路線を継承しちゃっているけど、本音じゃないんですよね。どちらかと言うと利上げはどんどんして増税をやって財政再建を重視する、立憲民主党の野田さんと考えが非常に近いわけです。そういった点で、政策的に相性が良いということを考えると、ひょっとしたら結ばれていても不思議じゃないと思うんです」

石破首相、国民民主党の玉木代表と会談した。玉木代表は年収103万円を超えると所得税が課される「103万円の壁」の見直しや、ガソリン税を一時的に下げるトリガー条項の凍結解除を含む「ガソリン減税」などを求めた。

石破首相は協議を続けていく考えを伝えた。玉木代表は党首会談で、所得税の課税最低ラインを103万円から178万円に引き上げることを要望している。学生アルバイトらの年収が103万円を超えると親の扶養から外れることを防ぐため、特定扶養控除の拡大も求めた。

(寺島アナ)「103万円の壁の見直し、こちら田中さんどう評価されていますか?」

(田中氏)「一応デフレを脱却して、経済状況はまだイマイチですが名目的な経済の規模は拡大していますから。例えば我々の手取り額も額面では増えているんです。それで実際に何が買えるかは、他の材やサービスの価格が上がっていますから購買力や実質賃金の問題は置いておいて、額面の金額だけ上がっていますから、従来の103万円の壁をデフレのまま置いているのがおかしいわけですよ。すでに最低賃金も上がっていますから、遅かれ早かれ103万円の壁を引き上げるのが当たり前なんです。それをなおざりにしてきたのは、いかに日本の政治家や官僚たちがデフレ経済に甘えていたのか。そういったものを言い訳にして改革をなおざりにしてきた象徴ですよ」

103万円の壁を178万円に引き上げると税収減になると指摘する声もあるが、田中氏は考えを述べる。

(田中氏)「そもそもなんでこういう問題がクローズアップされたかというと、マスコミや与党側からも言ってきたわけですよ。“働きたくても働けない人が困る”と。178万円の壁に引き上げたら、色んな人が働けるようになって経済が拡大していきます。そうすると所得も増えて消費も増えて、所得税や消費税はおつりが来るくらい増えますよ。そういう所を見ないで今の103万円の壁ありきを前提にして“税収が下がる”っていうのは悪い意味の官僚政治に毒されているのが日本の政治家ですよ」

〈出典〉
第2次石破内閣は今夜発足の見通し、首相指名選挙は30年ぶり決選投票の公算 | 読売新聞オンライン(https://www.yomiuri.co.jp/politics/20241111-OYT1T50034/)
石破首相、国民・立民両党首と相次ぎ会談…少数与党として「野党の思いを謙虚に承り決定していく」 | 読売新聞オンライン(https://www.yomiuri.co.jp/politics/20241111-OYT1T50041/)

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