「課題を与えること」が仕事のモチベーションアップに繋がるワケ【相手の心が9割わかる 大人のブラック心理学】
課題を与えるとモチベーションがアップする
会社のためにという気持ちを刺激
昭和の時代には、サラリーマンは自分の会社に忠誠心を近い、定年まで献身的に働くというのが常識でした。子育てや家庭のことは奥さんにまかせ、早朝から深夜までがむしゃらに働く人々によって経済が成長し、日本を支えてきたのです。なぜそこまで頑張れたのかというと、日本のサラリーマンの中に、集団同一視という心理が働いていたと考えられています。これは、自分が属している集団に愛着が生まれると、その集団に依存し、集団のために労働し、喜びを見出すという心の状態です。会社がよくなれば自分の人生もよくなる、と無意識のうちに考えていたのでしょう。近年は、こうした考え方は激減しました。会社は会社、自分は自分と考える人が多くなり、仕事よりプライベートを充実させる生き方も広がっています。今後もさらに、こうした考え方がさらに尊重されるようになるでしょう。
そうはいっても、日本経済を回していくには、企業を活性化しなくてはいけません。そのためには、働く人々には会社のためにパワーを発揮してもらわないと、社会全体が困ってしまいます。
では、どうすれば会社の仕事に対してモチベーションを上げることができるのでしょうか。もし、あなたが人事やプロジェクトメンバーの選考に携わっているのなら、セレクトの際に、メンバー候補となる人々に何らかの課題を与えてみましょう。簡単にできるものではなく、多少の努力が必要な課題がおすすめです。そして、課題をクリアした人だけがプロジェクトに参加できるという仕組みにするのです。
努力すればクリアできる課題を
課題をクリアしてめでたくプロジェクトに参加できた人には、「課題のために努力したのだからその苦労をムダにしたくない」という心理が生まれます。そして、自分が属しているプロジェクトに愛着を感じ、目標達成に向けて力を発揮するようになるのです。仮に、そのプロジェクトが自分に向いていないものであったとしても、「課題を乗り越える努力をしたのだからこのプロジェクトは自分にとって価値がある」と前向きに考えるようになります。これを内発的動機づけと呼んでいます。
この心の働きは、このように活用できます。仮に、スポーツ用品メーカーでスニーカーの新商品プロジェクトを立ち上げるとしましょう。メンバーを募集する際に、「フルマラソンを完走すること」「ウォーキングで3キロダイエットに成功すること」などと課題を与えるのです。メンバー候補となる人はこの課題をクリアすべく努力し、成し遂げた後にプロジェクトに参加します。すると、プロジェクトに対し愛着を持って、誠心誠意、仕事に取り組むようになるのです。
大人のブラック心理テク『令和の時代も、会社を思う心に火をつける』
子どものやる気を上げたい時は……
「お手伝いしたらおもちゃね」
「(やりたいくないけど)わかった!」
モチベーションを上げるために外発的に動機をつける。例えば、テストでいい点を取ったらおもちゃを買ってあげる、お小遣いをあげるという約束だ。
報酬によって行動を起こさせる
「ペットを飼ったら散歩するんだよ」
「(動物好きだから)頑張る!」
反対に内発的な動機付けでやる気を上げる心理学テクもある。その子ども自身の好奇心や探求心を刺激するのだ。こちらのほうが自発性を育むことができる。
自分から進んで行い高い満足感も得る
【出典】『相手の心が9割わかる 大人のブラック心理学』著:渋谷昌三