政府備蓄米で子育て世帯を緊急支援
子育て世帯への食材提供活動などを実施している赤穂市地域活動連絡協議会(岩崎由美子会長)に農林水産省から政府備蓄米450キロが無償交付され、家計が特に厳しい多子世帯などに無料で配給された。
国は、こども食堂やフードバンクなどに取り組む団体に食育推進の一環として政府備蓄米を無償で交付する事業を実施している。米の価格が高騰する中、申請団体が増加し、今年度は約317トンを交付(2月25日現在)。前年度の約140トンを大幅に上回っている。
会長の岩崎さんによると、昨年12月ごろから「値段が高くてお米が買えない」「食べ盛りの子どもがいるけど、麺類ばかり食べさせている」などといった相談が増え、「何とかしなければ」と政府備蓄米の無償交付を申請したという。
届いたのは2023年度産の長野県産コシヒカリ。無洗米で家事の時間短縮に都合がよい。岩崎さんは「なるべく多くの子どもたちに行き渡るように」と子ども1人につき2キロを配給する取り決めを設け、加里屋の活動拠点で初日の2月28日は30人分60キロを配った。保育園児を含む5人を子育て中の30代女性は「お米が高くて買えず、保育所に月1回持って行く1合の米を出すのも困っていたので本当に助かります」と持ち帰った。
今後も3月末までに7〜8回の配給日を設ける予定で、各回60キロを上限に予約制で配給。他の食材と食育情報が載ったパンフレットをセットして提供する。「あこう子ども食堂」のインスタグラムで配給日を告知し、先着順に予約を受け付ける。
岩崎会長は「物価高騰の追い打ちで家計が深刻な中、頑張って子育てしている世帯を少しでも支えたい。国の制度が継続されるなら、今後も申請して配給を続けたい」と話している。