「デートDV」で傷つけられないために。見逃してはいけない5つの違和感
好きな人と楽しい時間を過ごしているはずなのに、たまに男性の態度に違和感を覚えるときは、要注意。
一方的に何かの負担を押し付けられるような自分を見ても、相手のことが好きならつい我慢してしまいますが、その姿が余計に相手に間違った考えを持たせます。
「デートDV」は、相手もそうと理解していないことがあるため、おかしいなと思ったらこちらから態度を変えるのが正解です。
自分を守るために忘れたくない意識について、ご紹介します。
「デートDV」って?
「DV」とは「ドメスティック・バイオレンス」の略であり、主に「恋人関係や配偶者など、身近な存在の人間から振るわれる暴力」を指します。
暴力には殴ったり蹴ったりするような身体的な加害のほかにも、精神的に痛めつける態度も含まれ、「デートDV」にもそのやり方は現れます。
・デート費用を常にこちらが負担させられる
・スマートフォンなどの持ち物を勝手にチェックする
・抵抗すると殴られる・物を投げつけられる
・性行為を強要する
・避妊に協力しない
こんな一方的な「支配」による関係は、たとえ相手が好きな人であっても上手くいくはずがありません。
気を付けたいのは、デートDVをする側は自分の振る舞いを「好きなら当然」と正当化している場合が多く、「やめて」と言っても気持ちを理解してもらえないこと。
本当に好きならこちらが嫌がることはしないのが当たり前ですが、デートDVをする側には「自分のことが好きなら従うのが愛情」など歪んだ価値観を持っています。
そのため、デートDVは受けているこちらで手を打つのが最善です。
「おかしいな」と思う瞬間があれば、それを放置しないのが自分のためといえます。
相手との関係を考え直したい違和感には、どんなものがあるのでしょうか。
こんな違和感を見逃さないで!
1. こちらを下に見ているような態度を取る
「君は何もできないからな」「俺がいないとお前は駄目だよな」など、なぜかこちらを「下げてくる」のは、だから自分が支配してもいい、という相手の身勝手な思い込みです。
こんな言葉を真に受けて「甘えてもいいのだ」と思っていたら、頼ろうとしたときに冷たく断られたり見放されたり、大切にされない自分を見るようなケースは多々あります。
DVやモラルハラスメントをする側は、「自分が上」の実感を得るために相手を見下す発言を平気できるため、下に置かれるようなことを言われたときはまず「なぜそれを言えるのか」を考えましょう。
本当に好きな人に対して、その存在をおとしめるような発言はできないのが正常です。
2. こちらの意見や気持ちを聞かずに何でも決める
「今日はここに行くからな」と、デートのときの行き先を常に相手が決めていて、自分はそれについていくばかり。
食事するお店や買い物の場所まで、こちらには何も確認せずに決めてしまえるのは、思いやりがないといえます。
たとえば「◯◯に行きたいな」などこちらの意見を出しても、「そんなところつまらない」と却下して聞いてくれないのなら、デートDVです。
ふたりで過ごす時間ならお互いの気持ちを確認して納得できる場所を選ぶのが、本当の愛情のはず。
こちらの意見を無視するのは、それだけ存在が軽いと思われている証拠。
ストレスを溜めてまで付き合わされているのなら、そんな関係は対等ではありません。
3.相手の要求を受け入れないと不機嫌になる
デートDVをする側の特徴に必ずあるのが、「要求を断ると不機嫌になる」点です。
行きたい場所を嫌がる、デート代を払うことを拒む、性行為を拒否するなど、自分の要求を受け入れないこちらを見たときに、「さっさとしろよ」などの暴言を吐いたり怒りをあらわにして物に当たったりするような姿に、愛情があると思えるでしょうか。
デートDVをする側は、こちらの忍耐まで「自分のことが好きなら当然」と思っています。
本当に愛情があれば、こちらが嫌がった時点でやめるはず。
自分の欲を叶えることしか頭にないのだなとわかったときは、すぐに距離を取って離れましょう。
4.自分は負担を避ける
食事代やホテル代など、支払いの場面になると「銀行に行くのを忘れていた」と言って財布を出さなかったり、ドライブでも「君が運転して」とハンドルを任せきりだったり、自分は負担を避けるのがデートDVをする側にはよく見られます。
それは自分が労を負うことを「もったいない」と思っているからに他ならず、こちらが大変な思いをするのを愛情の照明だと勝手に思い込むのもよくある話です。
おうちデートでも、食事の支度や掃除などを彼女にやらせて自分はごろごろしているような在り方も、モラルハラスメントと等しいといえます。
「好きならやってくれるよね」とこちらの負担を正当化する言葉が出てきたら、都合よく扱われていると考えましょう。
愛情で結ばれているはずの相手に対して、自分は楽をしようと何でもやらせるのが正しいとは決していえません。
5.終わろうとすると追い詰めてくる
デートDVをする側は、自分が支配できると思っている関係が消えることに強く抵抗します。
モラルハラスメントに耐えられず「もう別れたい」「もう会わない」とこちらが言えば、「俺のことが好きじゃないのか」「そんなことが許されると思っているのか」など、暴力を振るってでも自分のもとに繋いでおこうとするのは、愛情でも何でもありませんよね。
「別れたい」と言って実際に手を上げられたケースを筆者は多く見聞きしており、それまでの実態を聞けばやはり支配による押さえつけがあるものです。
相手の自由を制限し、自分の都合よく存在させるのが愛情とは言えませんが、デートDVをする側は自分の振る舞いが相手を傷つけ苦しめている現実を受け入れることはしないため、話し合うのは難しいのが現実。
「距離を置きたい」と言い出しただけで、不機嫌をあらわにして「どういう意味だ」と追い詰めてくるような人なら、今後もずっと相手の望む距離感でいることを強要されます。
「どうしてそう思うのか」を冷静に話し合えない、会話が成立しないときは、まずは物理的な距離を取ることを忘れてはいけません。
「自分の気持ちを理解してもらうのは難しい」と心得る
デートDVに悩む女性の話を聞いていると、相手の男性のほとんどが「話し合おうとするとこちらを責めるばかりで進まない」「それはこういうことかと言ってもいないことを捏造して話の論点をずらす」など、まともな気持ちのやり取りができないことがわかります。
支配によって相手を自分の都合よく存在させたい男性は、その人が自分に抵抗すること自体を受け入れることができません。
それは自分が拒絶されるという受け取り方をするのがほとんどのため、相手が「ふたりの仲を改善したい」と気持ちを伝えても理解できないのも、よくある流れです。
そもそも、本当に愛情があるのなら相手の気持ちにきちんと耳を傾ける姿勢を持てるはずで、それができない時点でふたりの関係が愛情で結ばれているのかどうか、考え直す必要があります。
無理に話し合おうとすれば激昂して暴力に出ることもあるので、会話が成立しないと思ったら潔くその場を離れることを考えましょう。
物理的な距離を取ったうえで今後どうするかを考え、LINEのメッセージなど証拠が残る形で気持ちを伝えるのも、後のトラブルを防ぐためには重要なときもあります。
デートDVをする側に自分の感情を理解してもらうのは難しい、と心得ましょう。
「自分らしくいられる」ことが幸せな恋愛
相手のことを好きだと思えば、ストレスを感じる瞬間があっても耐えようとするのは、自然なことだと思います。
抵抗して不機嫌になる相手を想像すれば、「私さえ我慢すれば」と思い込むのは、すでに支配が進んでいる状態です。
本来、恋愛関係は対等であり、片方の我慢や忍耐がないと維持できないのは異常であることを、忘れてはいけません。
もちろんすれ違いや感情の摩擦はありますが、それを一緒に乗り越えていくのが愛情で結ばれた関係のはずです。
違いや差をお互いに歩み寄って解決していく、互いに「自分らしくいられる」ことが居心地のいい距離感。
なぜかいつも自分ばかり負担を強いられてつらい思いをするような関係からは、みずから撤退するのが最善です。
自分を守れるのは、最後は自分しかいません。
相手のことがどれだけ好きであっても、それ以上に大切にしたいのは自分であることを、常に意識したいですね。
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デートDVは、される側は好意や愛情を理由に負担を押し付けられることが多く、また抵抗すれば必ず喧嘩に発展するなど、一緒にいてもつまずくのが特徴です。
「従うのが愛情」ではなく、「きちんと気持ちを話し合える」のが対等な関係。
無理をしてまでつながりを維持するより、自分の心と体を守る選択が、傷つけられないためには大切です。
(mimot.(ミモット)/弘田 香)