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気になる「子どもの近視」 遺伝だから仕方ないの? パパママがやってよかったこと・後悔していること〔専門医の解説付き〕 

コクリコ

子育て中のパパやママが、子どもの目の健康についてどんなことに気を付けているのか実態調査。近視予防のためにやってよかったこと、やればよかったと後悔していることを目の専門家の記事とともにご紹介します。

【画像】子どもの「スマホ内斜視」を小児眼科医が解説

1学期が始まって3ヵ月。園や学校から戻ってきた視力検査の結果が気になるパパママも多いのではないでしょうか。今回のコクリコラボでは「子どもの視力」について親が気を付けていること、やってよかったこと、後悔していることなどを取り上げます。

アンケート概況:
コクリコラボアンケート「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に 2025年4月2日~15日インターネット上で実施。有効回答数は108件。    

約7割の親が子どもの視力を気にしている

コクリコラボアンケート

子育て中のパパママ108人に「子どもの視力について気を配っていますか?」と質問したところ、「気を配っている」と回答したパパママは68.5%にのぼりました。一方、「まったく気を配っていない」と回答したパパママは一人もおらず、「あまり気を配っていない」と回答した人は8.3%にとどまりました。

ほとんどのパパママが子どもの視力を気にしていることがわかります。

近視は遺伝だから仕方ない⁉︎

まずは「あまり気を配っていない」と回答した方の意見からみてみましょう。

……テレビやタブレットを見るのが当たり前になっていて、時間制限はしているものの本人たちに任せている部分もあるため。

……親2人ともメガネですし、スマホを使用しているので視力が下がるのは仕方ないかなと。

……気にはしてますが、ゲームやiPadの影響もあり視力が悪いです。両親ともに視力が悪いので遺伝もあるかもしれません。

「諦めている」「遺伝だから仕方ない」という声がありました。

「親が近視だと子どもも近視になりやすい」

こうした説を見聞きすることがよくありますし、実際にそう信じている方も多くいるのではないでしょうか。

しかし、目の専門医である窪田良先生(眼科医、医学博士、窪田製薬ホールディングスCEO)によると、「実際に近視を発症するのは、遺伝的要素よりも、環境的要素によるものが大きいと考えられている」とのこと。環境的要素であれば、親が予防したり、改善したりできる余地がありそうですね。

・参考:コクリコ記事『【子どもの目 誤解と新常識】「わが子の視力が悪いのは遺伝だから仕方ない」◯か✕か?』

子どもの視力、みんなは何に気を付けているの?

つぎに、パパママが子どもの目の健康について、日頃どのようなことに気を付けているのか、やってよかったことはあるのか、を見てましょう。

……明るい場所で勉強や本を読む。ゲームやテレビは近づきすぎないように声掛け。ゲームの時間制限。

最も多く寄せられたのが、こちらの回答でした。

前出の窪田良先生によると「目が悪くなる=近視になる原因は、『近見(きんけん)作業』といって、近くで物を見る状態が続くこと」とのこと。

アメリカでは、米国眼科学会が推奨する「20‐20‐20ルール」(デジタル画面を20分見たら、20秒間、20フィート[約6m]離れたところを眺める)が広まっているそうです。単に目を休ませるだけでなく、遠くを見るのも大切なのですね。またテレビやゲームだけでなく、読書も「近見作業」であれば、同じく視力を下げる原因になるので注意が必要です。

参考:コクリコ記事『【子ども近視】「読書よりもスマホやタブレットのほうが目に悪い」ってホント?』

なかには画面から目を離すために明確な対策をとっているママも。

……テレビとの距離、机に向かっている時間を長時間にしないなど。テレビから1メートル10センチの所にテープを張ってそれより後ろで見るようにはっきりわかるようにして、その前で見ていたら、いきなりテレビを消されてもいいという約束にした。

また目を休ませるためにタイマーを活用しているママもいました。

……小学2年生で視力検診でひっかかり、メガネになりました。本が大好きな息子で、夢中になってずっと1点を見つめ続けていたり、こっそり暗い部屋で読んでいたことが原因かと思います。なので、テレビ、タブレット、本を読む際は15分タイマーを付け、間に休憩をさせるよう促しています。

積極的に外遊びをさせているという声もありました。

……動体視力を鍛えるために、ボール遊びなどを取り入れています。

……息子はサッカーをずっとしており、サッカーは常に遠くを見るスポーツなので、いまだにとても視力が良く、体も強くなるし一石二鳥だと思います。

……基本、外で遊びましょうと伝えてあります。

東京都立広尾病院眼科医長の五十嵐多恵先生は、コクリコの記事の中で「紫外線対策をした上で、屋外に出る時間をできれば1日2時間程度作ることが、近視の発症を減らすことに重要」と語っています。サッカーやボール遊びは、前述の「20‐20‐20ルール」も自然と実践できそうですね。

・参考:コクリコ記事『「子どもの近視」が増加中 近視予防の「ルール」&近視の進行を防ぐ「生活習慣」を専門医が解説 #2 ~近視を予防する生活習慣~』

ただし、座談会ではこんなエピソードを寄せてくれたママがいました。

中2男の子と小5女の子のママ……日中明るいうちに外に出て光を浴びながら遠くを見ることがすごく視力にいいと聞きました。うちは外にゲームを持ち出すことは禁止しているのですが、公園にゲーム機を持って来ている子を見ると、「公園なんだからゲームじゃないことすればいいのに」とモヤモヤするので、我が子には「ゲーム以外のことしたら?」と声をかけます。

せっかく外に出てもゲームを持ち出して近見作業をしては本末転倒! 現代っ子の思わぬ罠に驚いてしまいました。「ゲームするなら屋外で」ではないので、念のため……。

……赤ちゃんのころに、スクリーニング検査をして斜視や視力の低下について調べました。

……定期的に眼科に視力検査に行く。

定期的に眼科にかかっていれば、視力低下の兆しがあったとき早めの対処が可能になるので安心です。もし近視になってしまった場合、メガネやコンタクトレンズで視力を矯正するほかに、自由診療にはなりますが近視の進行を抑制するための治療法もあります。

……第1子(小5)はすでに眼鏡を使用しなければいけない視力です。検査をしたところ、もう視力が良くなることはないので、オルソケラトロジー(角膜矯正により視力矯正する治療法)をしていますが、高額で10年程度治療が必要です。そうならないよう、第2子(小3)にはタブレットや本、テレビを見る時間と明るさを口酸っぱく注意していますが、疲れます。

前出の五十嵐多恵先生によると、オルソケラトロジーは自由診療のため「初年度はレンズ代や診療費などを含めて15~30万円程度、2年目は検査料などで年間3~6万円程度かかることが多い」とのことです。

・参考:コクリコ記事『「子どもの近視」が増加中 近視予防の「ルール」&近視の進行を防ぐ「生活習慣」を専門医が解説 #3 ~近視の進行を抑制する最新治療~』

子どもの視力「やればよかった」ママが後悔していること

最後にご紹介するのは、先輩ママに聞いた「子どもの視力に関してやればよかったと後悔していること」です。まだ間に合うこともたくさんあるので、ぜひ参考にしてください。

最後にご紹介するのは、先輩ママに聞いた「子どもの視力に関してやればよかったと後悔していること」です。まだ間に合うこともあるかもしれません! ぜひ参考にしてください。

……よく本を読むので、30分おきに遠くを見るなどすればよかったです。

……静かにしているからと本を読み続けていることを黙認していたこと。もっと声かけをしたり、外遊びをさせたら良かった。

前述したとおり、近視予防の鍵は、近見作業を減らすこと、2時間の外遊び。親としては子どもが本を読んでくれると嬉しいですが……バランスが重要ですね。

……気がついたら視力が低下していたので、早期に対応していれば進行程度が軽かったのかなと後悔しています。

行きつけの小児科や歯科はあっても、気になることがなければなかなか眼科にご縁がないというパパママも多いのでは? 早く気づける環境を整えられるといいですね。座談会ではこんな経験をシェアしてくれたママがいました。

小5の女の子、小3と年長の男の子のママ……小5の娘が3歳児健診を受けたときは、家庭で実践するタイプの視力検査だったんです。通っている小児科もそれで判断している小児科だったので、目が悪いことに気づくのが遅れてしまいました。

健診だけでは十分ではない可能性もあるとのこと。少しでもおかしいなと思ったら眼科に相談しましょう。

座談会では、学校でタブレット使用が増加したことにより近視が増えているのでは? という会話で盛り上がりました。

中2と5歳の男の子、小5の女の子のママ……コロナ禍で、タブレット使用が極端に多くなったと思います。宿題もタブレットが多くなり、周りでも視力低下の話をよく聞くようになりました。我が家は長男が片方だけ視力が突然下がってしまったんです。娘も0.6ぐらいまで下がってしまいましたが、眼科に連れていき、その後視力が回復してきました。宿題のタブレット使用が落ち着いてきたことも要因かなと思います。

文部科学省が2020年から推進しているGIGAスクール構想のもと、全国で1人1台端末がほぼ実現しています。メリットもたくさんありますが、目への負担が増えているのも現実。国や学校は、子どもの近視対策も同時に考えてほしいと思います。

写真:twds/イメージマート

子どもの近視の予防 まずは外遊びから

今回の調査では多くのパパママが子どもの目の健康のために、ゲームやテレビの時間を減らしたいと考えていることがわかりました。

しかし、目の専門家によると実はゲームやテレビだけでなく、そもそも「近くで見る作業」を減らすことが重要であり、1日2時間の外遊びが効果的だということがわかりました。アンケートでは「わかってはいるけれど難しい」という声もありましたが、まずは近視予防の一歩として外遊びから始めてみてはいかがでしょうか?

※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)

コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。

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