「ウクライナの文化は魂」バレエ公演に満場の拍手
ウクライナ国立バレエ団のトップアーティストを招いたチャリティー公演が7月26日、中広の赤穂化成ハーモニーホールであり、力強く、しなやかな踊りが満員の客席を魅了した。
同バレエ団プリマのタチアナ・リョーゾバさん、プリンシパルのヤロスラフ・トカチュクさんらが出演。ウクライナの代表的な戯曲「森の詩」や「バラの精」、トカチュクさんが3年前に創作した「Soul」の3演目を情感豊かに表現した。
ロシアによる軍事侵攻が終わらない中、リョーゾバさんらは「自国の芸術文化を守りたい」と首都キーウで舞台に立ち続けている。今回は枚方市で開催されたバレエコンクールの審査員として来日。コンクールの主催者で、彼らと20年来の親交があるバレエ講師の前澤厚子さん(66)が「せめて日本に滞在している間は、不安も心配もない舞台に立たせてあげたい」と赤穂市在住の友人に相談して赤穂公演が実現した。
公演を終え、トカチュクさんは「心からの応援と長い拍手を感じ、アーティストである私にとって、涙が出るほど嬉しい出来事でした」と主催者を通じてコメント。リョーゾバさんは「私の使命は、観客の皆様に私たちの文化を伝えることです。なぜなら、ウクライナの文化はウクライナの魂だからです」と帰国後も舞台に立ち続ける決意を示した。
鑑賞した塩屋の女性(76)は「演技がとても美しく、感激しました。早く戦争が終わり、平和が訪れてほしい」と祈った。