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沖縄移住して12年、本島北部の名護市に住んでみたら…住みやす過ぎて不便がなくなった!

OKITIVE

沖縄県名護市への移住
名護市の海岸にてSUPサーフィンを楽しむ私(初心者です)

2013年1月、1ヶ月健診を終えた長女を抱えて東京から沖縄県名護市に移住しました。はじめて暮らす土地でのはじめての子育ては、なかなかハードな環境。しかし居心地がよすぎて、あっという間に12年が経っていました。 沖縄移住して初期は不便だなと思っていたことは、いまとなってはデフォルトに。ほかにも選択肢がある状況で名護市にい続ける理由や、不便さをどう許容していったのか、私の体験談でご紹介します。 名護市ないし、沖縄県北部へ移住を検討している人の参考になれば幸いです。

沖縄移住スタート!初期に感じた不便さ

今帰仁村・波羅蜜でのPOP UP いまは素敵なお店が増えています

都会から名護市に移住してまず最初に不便さを感じたのは、買物です。ほしいものがあれば30分圏内でなんでも手に入る生活をしていた私にとって、簡単には手に入らない環境はとても不便でした。 カトラリーひとつにしてもそう。セレクトショップで販売しているようなカトラリーを売っている店を、当時は見つけられませんでした。ネットでの買物は、送料が商品より高くなったり、大型家具に至っては送料が1万円を超えたり、とにかく手に入りにくいものだらけ。 無印良品の家具がほしいと思っても沖縄県の北部には店舗がなく、車で1時間ほど南下しなければ実物を見られません。店舗に行っても本土の大型店舗と比べてディスプレイが小規模で、家具をおいた時のイメージを頭のなかで想像するのは、かなり難儀でした。

沖縄移住で気づいた東京と名護市の違い

名護市のとあるビーチ。夕方になるとワンちゃん連れのご夫婦と出会える素敵な場所

移住するまで知らなかった、東京と名護市の違いは以下のとおりです。 ・髪の毛がバサバサになる →沖縄県外と違い、沖縄の水は硬水(沖縄県北部はとくに硬度が高い傾向にある) ・外にものを置くと錆びつく →塩分を多く含む風が吹く高温多湿な環境で、自転車が1年で錆びつく ・カビが生えやすい →1部屋に1台除湿機を!といわれるほどの湿気。特に革製品はカビ発生率高め ・発酵食品が過発酵になりやすい →慣れるまでたいへん。特に漬物が難しいと感じている ・車がないとつらい →台風や梅雨時期の豪雨や雷雨だけでなく、紫外線が強すぎてつらい!自転車だけの生活は1年でお手上げ 特に多くの人が気になるのが、車の部分でしょう。結論からいうと、車はあった方が便利です。本島北部地域はモノレールや電車がないため、移動手段が限られます。 バスは本島の都市部に比べると本数が少なく、雨天時や猛暑日だと停留所から目的地まで歩くのがつらいので、行動の範囲が狭まります。よっぽど時間に余裕のある人やのんびり暮らしたいと思っている人でも、土地に慣れてくると車がほしくなるかと思います。(私がそうでした) 沖縄移住当初は夫婦で1台の車しか所持しておらず、基本的に私は自転車生活でした。車では気がつかない風景を発見したり、ふらっと立ち止まって写真を撮ったりして楽しんでいたのは最初の一年間だけ…。

とくに梅雨時には要注意

国頭村・アスムイ(大石林山)にて

翌年の梅雨時期に、とうとう音をあげざる事実と直面しました。とある梅雨の日、カッパを着て玄関を出たところ、高温多湿すぎて一瞬で汗だくに!すぐさまカッパを脱ぎ捨て、「カッパも着られないし傘もさせないし、出かけられないじゃないか!」と心のなかで悲鳴を上げました。 強風で傘が壊れるような時期にカッパも着られないとなったら、移動がとても難儀になります。しかも沖縄は梅雨が1ヶ月以上続き…、年によってはずっと雨が降り続けることも。大人だけならまだしも子どもがいる状況で、車なし生活の限界を感じました。 カッパを着て子どもと自転車でいろいろな場所へ行く生活を想定し、セレクトショップで購入した生地が分厚いいい感じのカッパ。何度か試みましたが、12年経った今もマッチせず。たんすの肥やしです。

土地も3年で飽きる?!飽きたけど手放せなかった名護市の魅力

名護市・21世紀の森ビーチ(木登りしている子どもがうっすらと)

恋も仕事も3年で飽きるとよくいわれますが、住まいも同じく3年も過ごすと若干の飽きを感じました。沖縄移住も3年目になるとなんとなく慣れてきて、なんとなく遊び方が分かってきて、なんとなく楽しく過ごせるようになります。そして4年目も同じように過ごすのかと思うと、刺激が足りないと感じるように。 常に目新しい店やイベントがある都会とは違い、毎年やることは一緒。物足りなさを感じはじめ、東京に帰ろうかと真剣に検討したのはその時期です。 しかし真剣に考えてみた結果、東京にはなくて名護市にはある、多くの素晴らしい点に気付きました。

沖縄移住は遊びにお金がかからない!?

名護市のとある川

まず、遊びにお金がかからない点です。名護市には美しい海があり、美しい川があり、簡単に登れる山があります。それらはほぼすべてが、無料で遊べるスポットです。 海・山・川でアクティブに遊ぶのはもちろん、散歩するだけでも楽しめてしまうのが沖縄北部の魅力です。 次に、子どもの家計負担が軽い点です。名護市では、医療費・給食費・保育料の無償化(※)が続いています。(2025年現在)保育料は条件があるものの、医療費や給食費が無料なのはとても助かっています。 ※名護市役所から引用(https://www.city.nago.okinawa.jp/kurashi/2019082800017/) ローカル色がいい意味で強すぎないのも、お気に入りのポイントです。名護市は都会でもなく田舎でもなく、大型ショッピングモールはないけど生活に困らない程度のものは手に入る、とても生活しやすい街です。 移住人口が多いため移住者が特別に目立つことはなく、ローカルとの派閥を聞いたことがありません。噂が一晩で街中に広まるような狭い地域ではないので、ひとの目を気にせず生活できるのもGOODです。

沖縄移住したら見栄を張らなくていい?

名護市・21世紀の森ビーチ

そして、見栄を張らなくていいのもうれしい点。あくまで個人的な観点ですが、東京生活では、常にきれいにしていないといけないような気がしていましたが、いまの生活では毎日こぎれいにしている方が若干違和感があります。 もちろんおしゃれしたい気分のときは、思い切りおしゃれを楽しみます。しかしきれいにしていようが、少し頭がボサボサだろうが、気にする人は少ないと私は感じています。TPOは必要ですが、子どもの送り迎えに気合いを入れなくていいのは、とても助かります。

隣人は他人ではない!子どもを一緒に育てられる子育て環境

4家族で子どもの誕生日会。準備も片付けも一緒に

名護市で生活をしていると、隣人は他人ではないと思う機会が多くあります。とくに子どもがいると気にかけてくれる人が多く、いろいろと声をかけてくれとても助かっています。 また物理的な隣人はもちろん、移住者同士の結束も強いです。名護市は移住者が多いので、子育て環境が似ている人と保育園併設の支援センターで出会えると思います。人見知りでも子どもを介せば話が広がるケースが多くあるので、勇気を出して声をかけてみましょう。移住者で同年代で子どもが同い年となると、仲良くなるのが早いです。 私も移住者同士4家族で仲良くなり、お互いに子どもを預けたり預かったりして、幼少期の子育てをのりきりました。なにかあったときに頼れる親・親戚がいない環境では、友だちが助けになりますよ。

給食費や保育料など名護市の子育て環境

名護市・21世紀の森公

先述したとおり、名護市では医療費・給食費・保育料が無償化されています。保育料は就業している、もしくは医療・介護などで仕事ができない人など条件はありますが、多くの人が恩恵を受けられています。 医療費は、名護市に住所を有する高校3年生(18歳到達以後の最初の3月31日)までの子どもで、いずれかの健康保険に加入していれば、病院での支払いはほぼ助成されます。歯医者など、大切だけど必要に迫られていないものほど、とても助かっています。 ※名護市役所から引用(https://www.city.nago.okinawa.jp/kurashi/2019082800017/)

プライスレスな経験をいっぱいできる本島北部

部活の同級生は我が家以外名護市出身者の子ども

子どもが小学生になると、部活をとおして保護者とのかかわりが多くなります。子どものつながりから地域の豊年祭で琉球舞踊を踊らせてもらうなど、移住者にとって貴重な体験をさせてもらうことも。 地元の人たちと深い付き合いになれたのは、子どもが部活を頑張っているからこそ。子どもの成長とともに私自身の環境が変わり、どんどん新しい人脈ができるのも楽しみのひとつです。

名護は西海岸と東側では違う原風景がある

名護市東海岸

また、名護市は東から西へと範囲が広く、私が住んでいる西海岸と東側では違う原風景があるのも特徴です。東海岸へ行くとちょっとした旅行気分になり、いつもとは別の海や川で過ごす時間は格別です。

自然体験プログラム「じんぶん学校」にて

東海岸で開催される自然体験プログラムでは、手付かずの自然を前にさまざまな経験ができます。薪割りや火起こしをはじめ、かまどでごはんを炊き、ゆし豆腐を石臼で作り、自分で釣った魚を自分でさばくなど、自然とのかかわりをたくさん教えてくれます。 こうした自然体験に気軽に参加できるのは、自然豊かな場所に住んでいる特権ですよね。

名護市・21世紀の森ビーチ

お金では買えない経験は、ほかの場所でも得られるでしょう。私が多くの時間を過ごした東京にも、素晴らしい経験と出会い・思い出がたくさんあります。 しかし私がしてきた体験を子どもたちにもさせたいと思うよりは、泥まみれになって遊ぶ姿を見て「なんていい環境で育っているんだ」と羨ましく思う方が多いです。勉強に関してはノーコメントで(笑)。

10年もあれば人は変わる。私が沖縄移住生活で変わった点

名護市のとある滝

12年もの年月をかけて、私は名護市でリトリートをしているようです。 移住当初感じていた不便さは、いまとなっては日常です。ほしいものが簡単に手に入らなくなったから、本当にほしいものを吟味できるようになりました。東京で着る服は沖縄の生活には合わないと感じ、帰省時の買物の仕方が変わり、作れるものは自分で作るスタンスにもなりました。

台風や梅雨前の夕焼け

必要だと思っていたものが必要でなくなり、自然と部屋がスッキリと。空を見上げて天気予測ができるようになり、スマートフォンの予報よりも雲を見るように。1日の天気をみて今日のサンセットは美しいだろうなとジョギングに行ったり、セミの鳴き声で目が覚めたり、夜は21時に就寝したりと、東京にいた頃には考えられない生活をしています。 とはいえ髪の毛のバサバサ問題は継続しているし、自転車はサビサビです。ぬか床は冷凍庫で眠り続け、発酵食品はヨーグルトメーカーに頼るように。 しかしこれらは不便を妥協したのではなく、「いままでできていたこと」が、時間とともに「できない」がデフォルトになった結果です。自分のなかのふつうが変化していくのは、なかなか楽しいものですよ。 名護市は長く滞在することでしかわからない魅力が、たくさんあります。美しい海や自然は、みなさんにとっても癒しになると思います。まずは暮らすように過ごしてみて、少しでも魅力を感じてみてくださいね。

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