勇壮な海上渡御が見もの! 江の島ほかで「江の島天王祭」が7月13日に開催
一年中多くの観光客でにぎわう神奈川県藤沢市の江の島。本格的な夏を迎えるこの季節、江島(えのしま)神社の末社である八坂神社の例祭「江の島天王祭」が2025年7月13日(日)に行われる。見どころはなんといっても海中で神輿を担ぐ姿が勇壮な海上渡御。ぜひ現地で見学しよう。
八坂神社の神様が年に一度里帰り
みやげ物店やしらす料理店などが軒を連ねる江の島弁財天仲見世通りを抜けると現れる江島神社。その末社である八坂神社の例祭「江の島天王祭」が7月13日(日)に行われる。故事によると、その昔、江の島の漁師が津波で流されてきた須佐之男命(すさのおのみこと)の木像を海中から拾い上げた。その木像は対岸にある腰越の小動(こゆるぎ)神社から流れ着いたものだと判明したが、八坂神社の祭神として祀るようになったのが起こりといわれている。
そのため、この祭りは「行合(ゆきあい)祭」といわれ、小動神社と合同で行われる。「行合祭には、八坂神社の神様が年に一回、小動神社に里帰りをするという意味もあるんですよ」と教えてくれたのは江島神社の齋藤さん。神様の里帰りとはなんともほっこりする祭りだ。
当日は9時30分から辺津宮(へつみや)境内で祭典が行われた後、江の島囃子を先頭に10時ごろに神輿が出発。11時に東浜に到着すると、約30分間の海上渡御が行われる。白のふんどしと白足袋だけを身に付けた男衆が神輿を担いで豪快に海の中へ入っていく。「御神体が海中から引き上げられた故事にちなんだ行事。比較的奥の方まで進むので、担ぎ手たちは肩ぐらいまで海に入りますよ」(齋藤さん)。
2社の神輿が龍口寺前で合流!
ひとしきり担ぐと上陸して東浦へ。かつて漁師が海から引き上げた御神体を仮安置したといわれる場所に神輿が置かれ、祭典が行われる。その後、再び神輿を担いで江の島大橋を渡って腰越へと向かう。海上渡御と並ぶもうひとつの見どころが、14時ごろに龍口寺前の交差点で小動神社の神輿と合流するところ。2基の神輿は小動神社まで渡御するが、途中、江ノ電が神輿の横を通過することも。小動神社に到着すると着御祭(ちゃくぎょさい)が行われ、18時ごろに江の島へ戻って還御祭(かんぎょさい)で締めくくる。
「2025年は巳の年で6年に一度の大祭の年。今年はすべてのお囃子(はやし)が列に加わり例年より行列が長く、還御祭の後には御神体の開帳も行われます」と齋藤さん。さらに神輿の列についていき、賽銭箱にお賽銭を入れるとお供え物の麦がいただける。麦は生命力が強く、邪気を払ってくれるとされているので、迫力ある神輿渡御を見学するとともに麦のパワーをいただいてこの夏を乗り切ろう。
開催概要
「江の島天王祭」
開催期間:2025年7月13日(日)
開催時間: 海上渡御は11:00~12:00ごろ
会場:江の島ほか(神奈川県藤沢市)
アクセス:江ノ島電鉄江ノ島駅、小田急江ノ島線片瀬江ノ島駅から徒歩15分
【問い合わせ先】
江島神社☎0466-22-4020
URL:http://enoshimajinja.or.jp/yasakajinjareisai/
取材・文=香取麻衣子 ※画像は主催者提供
香取麻衣子
ライター
1980年生まれ。『散歩の達人』編集部でのアルバイト経験を経て、2010年からライターとしての活動を開始。あだ名はかとりーぬ。『散歩の達人』では祭り&イベントのページを長らく担当。青春18きっぷ旅や山歩きなどのんびりと気ままにお出かけするのが好き。あとビールや美術館めぐりも大好物。