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絵を描いたことがない初心者にもおすすめ! アクリル絵の具の使い方 【3か月でマスターする】

NHK出版デジタルマガジン

絵を描いたことがない初心者にもおすすめ! アクリル絵の具の使い方 【3か月でマスターする】

絵を描くことに憧れはあっても、「どうせ下手だから」とあきらめていませんか?

実は、ちょっとしたテクニックを学べば誰でも「それっぽく」描くことができるようになるんです。
絵を描くことは、心を落ち着かせるだけでなく、自分の気持ちに変化をもたらす力もあります。ぜひ挑戦してみましょう。

今回は、『NHK3か月でマスターする 絵を描く』より、絵を描くのに必要な道具と、中でも講師の柴崎さんが初心者にもおすすめする画材、アクリル絵の具のガッシュの使い方をご紹介します。

絵を描くのに必要な道具

基本的に絵の具と紙、筆があれば絵を描くことはできますが、それ以外にも、効率よく描き進めるために、用意しておくと便利なものがあります。今回、実際に描くために使った画材を中心に紹介します。

イーゼル

コンパクトな卓上タイプのイーゼルも豊富。 こちらは木製で、しっかりキャンバスを固定できる。

絵を描く際に、キャンバスやスケッチブックを描きやすい高さや角度に立てかけるための道具です。イーゼルを使うことで、作品全体を同じ距離で見ることができます。
キャンバスを机などに平置きすると、上の方は絵が小さくなってゆがんで見えます。イーゼルを使わない場合は、モノに立てかけるなど、キャンバスに傾斜をつける工夫をしましょう。また、屋外でイーゼルを使う場合は、三脚つきのタイプを用います。

傾斜台のタイプは頻繁に絵を描く人におすすめ。

絵の具

今回はアクリル絵の具のガッシュを使用します。どんなものにも描けて乾きも速いので、初心者には扱いやすく、久しぶりに絵を描くという人にもぴったり。多くの銘柄がありますが、「アクリルガッシュ」と明記されたもので、12色程度が使いやすいでしょう。単色でも購入可能なので、使用頻度の高い白色は多めにそろえておくと便利です。

さまざまな色を混色して使う。

絵を描く上で大切な紙は、慎重に選びましょう。どんな紙を使うかによって、仕上がりにも差が出ます。今回はアクリル絵の具のガッシュを使うため、しっかりとした地厚の紙を選びます。おすすめは、キャンバスボードまたは、今回使用するキャンバスペーパーと呼ばれるものです。

今回、使用するキャンバスペーパーは、 このタイプ(33.3cm×24.2cm)。 20 枚の紙がのりで1冊に綴じられていて、 使用後は切り離す。

筆も種類が豊富なので、選ぶのに迷います。ここでは、私が使用している3タイプに絞って紹介します。もっとも使用頻度が高いのが平筆です。ほかに大小の丸筆を使用します。アクリル絵の具用のほか、毛が柔らかすぎないものなら、水彩用も使えます。実際に使っていくうちに、自分の好みがわかってきます。

パレット

下絵を描き終えたら、使いそうな色の絵の具を、あらかじめパレットに出しておきます。今回は、乾くと水で洗い流しても落ちないアクリル絵の具を使用するため、一般的なプラスチック製のパレットではなく、使い捨てのペーパーパレットがおすすめ。

水や油を通さない紙を重ね、 縁をのりで固めてあるペーパーパレット。 使い終わった紙は、1 枚ずつはがして処分する。ペーパーパレットがない場合は、クリアファイルや陶磁器の皿などでも代用できる。

その他にも絵を描くのに必要な道具には、鉛筆や筆洗、ペインティングナイフやティシュペーパー・タオルなども挙げられます。
道具は、描きながら必要に応じて、そろえていくのがおすすめ。描きやすいように、自分であれこれ工夫するのも楽しみの1つとなるはずです。

アクリル絵の具の使い方

アクリル絵の具を上手に使うために、その特徴を知っておきましょう。アクリル絵の具は20世紀後半にアメリカで誕生した歴史の新しい画材ですが、その魅力が多くの画家に受け入れられ世界中に広がっていきました。

アクリル絵の具にもいくつかの種類があり、今回使うのは、「アクリルガッシュ」と呼ばれる不透明の水性絵の具です。アクリル絵の具は、顔料とアクリル樹脂を主な原料としていますが、アクリルガッシュは顔料が多く含まれているため、不透明でマットな質感に仕上がります。また、アクリルガッシユは乾くと、全体に暗くなる特性もあります。

さまざまな素材に描ける
紙やキャンバス以外に、木、布、石などに対応している。

乾くのが速い
すぐに乾き、乾くと耐水性になるので、重ね塗りが可能。絵の具が乾くのを待たなくてよいので、速く絵が描ける。

重ねて塗れる
上から重ね塗りができ、不透明なので、何度も塗ると下の色は見えなくなる。失敗したら重ね塗りでカバーすることもできる。

では、実際にアクリル絵の具を使ってみましょう。

1絵の具をパレットに出す

下絵を描いてから、アクリル絵の具をパレットに出します。パレットの上の方に、適度な間隔をあけて、使いそうな色を並べます。絵の具の色の順番に決まりはありませんが、できれば暖色系、寒色系で並べると、混色がしやすくなります。休憩するときは、乾燥を防ぐために、霧吹きをかけたり、ラップフィルムをかぶせておきます。

2筆に水分を含ませる

筆に絵の具をつける前に、水を入れた筆洗に入れた水に筆をつけて、全体にたっぷりと水を含ませます。それから、タオルなどで水分を吸いとって調整。水分が多すぎる状態で筆に絵の具をつけると、パレット上に絵の具が広がってしまいます。

余分な水分をとる

3絵の具はパレットの下に伸ばす

限られたパレットのスペースの中で、効率よく絵の具を使うには、上側に絵の具を出します。それを水分を含ませた筆で下側に伸ばして、水分をなじませます。絵の具は筆先にとりますが、つけすぎに注意。

4色の明るさは白で調整する

例えば、明るい青色がほしいとき、水彩絵の具の場合は水で薄めることで、淡い青をつくります。アクリル絵の具の場合は、白い絵の具を加えて青の濃淡をつくります。そのため、白い絵の具を多く使うことになります。

白を加えて、明るい青に。

5筆は水につけておく

使っている途中の筆は、絵の具が乾くのを防ぐために、筆洗の中につけておきます。そして、再び使うときは、余分な水分をタオルなどで調整して、改めて絵の具をつけます。

『NHK3か月でマスターする 絵を描く』ではこのほかに、アクリル絵の具の基本の塗り方から、筆づかいのコツ、さらには描く対象を見るときのポイントまで、初心者でも絵を描けるようになるためのワザや理論を丁寧に紹介します。
ポイントをマスターして、絵を描く楽しさを実感してみてください。

柴崎春通

しばさき・はるみち
画家。千葉県出身。
和光大学人文学部芸術学科卒業。卒業後は、大学で教鞭をとっていた画家の荻太郎(おぎたろう)氏の紹介で、絵画通信教育講座のアシスタントとして就職。後に講師となり、その実力が評価される。2001 年に文化庁派遣芸術家在外研究員としてアメリカに渡り、アート・スチューデンツ・リーグ・オブ・ニューヨークで研究を行う。2007 年に開設したYouTube チャンネルでは、「おじいちゃん先生」として親しまれ、登録者数は180 万人を超える。さまざまな画材を使用したテクニックを紹介したり、視聴者の作品の添削を行うなど、その内容はバラエティーに富む。

◆『NHK3か月でマスターする 絵を描く』より
◆撮影:岡田ナツ子(Studio Mug)
◆イラスト:雉〇/KijiーMaru Works

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