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自分のことなのにどこか他人事…「自分の進路」を決められない子との“効果的な話し合い方”とは?

saita

自分のことなのにどこか他人事…「自分の進路」を決められない子との“効果的な話し合い方”とは?

臨床心理士・公認心理師のyukoです。高校受験を考えている子の中には、行きたい高校をなかなか決められない子も多いといいます。何が自分に合っているのか、どんな選択肢があるのか、将来どうしたいのか、見えていないことも多い故、決められなくなってしまうんですね。子どもを理解するコツ、話し合い方を考えます。

本当に決める気はあるのかしら?

4月から中学3年生になったわが子。進路の話になると気のない返事をして、会話がなかなか進まない。将来何をしたいのか、高校で何を頑張りたいのか聞いても「わかんない」「別に」と真剣に考えていない様子。自分のことなのにどうして真剣に考えないのか、親の方がだんだんイライラしてきてしまう。一体何を考えてるの?

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高校受験をするかしないか、高校に進学するのであればどの学校に進学するのか。
中学受験の場合は、親の勧めに乗り気であればスムーズに決められたり、”〇〇部があるから”、”制服がかわいいから”などシンプルな理由から決められる子も多いでしょう。一方、高校選択となると、子ども本人の主張や自我がはっきりしてくるとともに、周囲も子どもが主体的に決めることを求めるようになります。

しかし自分がどのような進路に進みたいのか、そもそも高校に行きたいのか、行って何をしたいのかがわからず、家族や教員と進路の話をうまく進められない子も多いよう。
なぜ進路を決めきれないのか、今時の子の特徴や傾向を知り、話し合い方を考えていきます。

選択肢が多いからこそ迷う、今の時代。

SNSやメディアが身近にある今、”親がこうしてきたから”、”先生がこう言っているから”というだけでは決められない子も増えています。
魅力的なバイトに力を入れている子や、ダンスやエンターテイメントを頑張っている子、キラキラした高校生活を送っているように見える子など。
色んな情報が入ってくると、「こうなりたいかも。でもなれないかもしれない。」など、より迷いやすくなるんですね。

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また、現代は昔より”多様性”が重視された考え方になっているのも難しさのひとつ。
偏差値の高い大学に進学し、安定した職業や有名企業に就職することが必ずしもよしとされているわけではありません。
大学進学にあたっても、その後の就職試験においても、机上の勉強をいかに頑張ってきたかではなく、どんな個性があるのか、どんな実用的な力を身に着けてきたのかを試されます。
”成功”の価値観が変わってきているのも、今の若い世代を悩ませるひとつの要因となっているんですね。

「別に」「なんでもいい」と言いがちな子と話すときのコツ

選択肢をゆるく提示する

反抗期・思春期の時期に進路の話をすると難航するご家庭は多いです。
しかし子どもが「なんでもいい」と言っているからといって、「じゃあ学費も安いし家から近い、この学校にしておきなさい」と親が決めてしまうと、親子とも後からモヤモヤしてしまいます。

・部活を頑張りたい? それとも他のことをやってみたい?

・自由度が高い校風の方が合っていそう? 手厚く面倒みてくれるところが合っていそう?

・行事に力を入れている学校か、フリーの時間が多い学校がいいか、どうだろう?

などと歩み寄り、話し合っていけるとよいでしょう。

漠然とした考えを具体的な話に繋げていく。

情報収集する中で支えになるのは、漠然とした夢や目標を具体的なスキルに繋がる道筋を示すこと。
例えば、「デザインや絵を描くのに興味があるなら、グラフィックデザインやイラストの仕事に繋がるスキルに目を向けてみてもいいかもしれないね。情報処理や芸術の分野に力を入れている高校を見るのもひとつだね。」など。

また、今は学校のことを知るには、必ずしもオープンキャンパスや説明会に行かなくてはいけないわけではありません。
今は、Youtubeに学校案内の動画が上がっていたり、一部の学校ではTikTokやInstagramで生徒の日常がわかりやすく発信されているようです。
高校のイメージをより具体的に知るためには、メディアを活用して情報収集するのもおすすめです。

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反抗的な態度を見ていると、「何も話さない=どうでもいいと思っている」と感じてしまいがちですが、そうとも限りません。
自分がどう考えているのかよくわからない、何を言葉にしたらいいか迷う。
そんな多感で繊細な気持ちを理解し、寄り添った関わり方を見つけていけるといいですよね。

yuko/臨床心理士・公認心理師

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