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第18回パラミタ陶芸大賞展始まる、6人が個性競う展示、菰野町のパラミタミュージアム

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作品を展示した6人。左から加藤真美さん、岡田泰さん、馬場康貴さん、氏家昂大さん、伊村俊見さん、矢部俊一さん=パラミタミュージアム

 来場者の投票で大賞が決まる「第18回パラミタ陶芸大賞展」が6月7日、三重県菰野町のパラミタミュージアムで始まった。専門家らが選んだ「時代を代表する陶芸家」6人が、それぞれの個性あふれる作品を展示している。展示は7月29日までで、7月11日までが投票期間に定められている。大賞は7月21日に発表される。

 毎回、全国の美術館、画廊、美術評論家などから推薦してもらった中から上位6人を選出し、作品を展示している。今回は加藤真美さん(愛知県)、岡田泰さん(山口県)、馬場康貴さん(長崎県)、氏家昂大さん(岐阜県)、伊村俊見さん(岐阜県)、矢部俊一さん(岡山県)の6人が出品し、それぞれの世界観を会場で披露している。

6人がそれぞれの個性を発揮して展示しえいる会場

 それぞれ、制作についての言葉を会場に寄せている。その一端を紹介すると、加藤さんは「私は子供じみた夢想家です。あえかな月の光や永遠にまどろむ深海に普遍を感じます」、岡田さんは「萩の海は寄せては返す波の美しさと切なさを感じさせ、常に形を変えながら、温かさを持ち、どこまでも繋がっていきます。そこに流れる時間と清涼感を感じる品のある美しさを追い求めています」。

 馬場さんは「私は磁土という素材から感じる『無機的な力強さ』と『軽やかさ』という素材感を大切にして制作している。想像を超えるような新しい磁器の表現を模索していきたい」、氏家さんは「完璧で整えられた形よりも、不完全な形に惹かれます。作品が現代を生きる人たちへ、生の応援歌となれば幸いです」、伊村さんは「あらゆるものは常に変化し続け、不変的なかたちは存在しないと思える。かたちをつくるのではなく、かたちが消え去ることを含め変化していく営みを表現しようと考えるようになりました」、矢部さんは「『空間を刻む』という概念に基づいて制作しています。今回は社会性を内包し鑑賞者が作品と対話できる要素を取り入れた体験型作品となります」といった考えを述べている。

 同時開催で「金魚美抄2024-KINGYO BISHOW-金魚を描くアーティストたち」の展示をしている。タイトルは「金魚の美をすくい取る」という意味の深堀隆介さんによる造語で、深堀さんを含む11人の作品を展示している。絵画や粘土細工、ガラス工芸、切り絵など、さまざまな手法での金魚の作品170点余と特別展示の民芸品「金魚ちょうちん」(山口県柳井市)が来場者を迎え、しばし、夏の暑さを忘れる涼やかな雰囲気に包まれる。

「金魚美抄」の会場で来場者を迎える金魚たち

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