ダイエットがパニック発作の引き金になることもある。自宅での日常でできる不安へのケア方法とは【心の不調がみるみるよくなる本】
自宅でできるセルフケアで不安を軽減する②
続いては活動的な生活や食事に配慮することで行うセルフケアです。日々の生活の中で、どのようなことに気を配れば不安は軽減されるのでしょうか。
日中はなるべく活動的に過ごす
不安障害で外に出ることが困難になっても、家の中で掃除、洗濯、料理などの家事をすることに抵抗がないようなら、なるべく積極的に行いましょう。
家事は単純作業が多いため、没頭することで不安を忘れることができるうえ、達成感を得られるというメリットもあります。ただし、不安障害の人は真面目で几帳面な性格の人が多いので、掃除などを完璧にやろうとして、かえって疲れすぎてしまう場合もあるので注意が必要です。時間やノルマをコンパクトに設定し、終わったらきちんと休息をとるとよいでしょう。ちなみに、「退却神経症」は、学校や会社に行けないという症状だけでなく、家庭の主婦(夫)の場合は、家事ができなくなるという形であらわれることもあります。
家事ばかりでなく、文章を書く、絵を描く、手芸をする、楽器を演奏するなど、手を動かして脳を活性化するのもおすすめです。
また、外出ができるようなら、どんどん出かけましょう。親しい友人と会ったり、旅行をしたりと、なるべく活動的に過ごすよう意識するとよいでしょう。心地よい疲労を感じることで、しっかりと休むことができるようになります。仕事でも遊びでもそれは同じです。翌日の充実のためにも、早めに就寝するようにしましょう。
食事も心身に深く関係している
これまで何度か触れているセロトニンは、実はそのほとんどが腸を含む消化管内に存在しています。腸はまさに「第2の脳」なのです。
セロトニン生成の材料となるのは、トリプトファンという必須アミノ酸とビタミンB6です。これらは食事で摂取するしかなく、カツオやマグロ、乳製品、大豆食品、ナッツ類などに多く含まれているため、毎日の食事に取り入れることで発作の予防にもなります。
低血糖がパニック発作の引き金になることもわかっています。ダイエット中の人が発作を起こすケースも多いので、不安障害で通院中であれば、食事制限については医師と相談しましょう。
また、おかしやジャンクフードを食べすぎると食後の血糖値が上がり、インシュリンの大量分泌によって、結果的に低血糖を起こす場合もあるので注意が必要です。1日3食、バランスのよい食事をほどほどにしましょう。これは、不安障害の有無にかかわらず、どんな人の健康にも当てはまることです。
食事をする環境も大切です。なるべく家族そろって食卓を囲むようにすると、食事の時間が一定になるので、生活リズムも整います。
「家事」や「外出」で心を整える
家事や外出、手軽な趣味などは、心を整え、不安を軽減するためのエクササイズとして有効です
人と会う
人と会う予定を入れることで外出の機会が増えるだけでなく、人と会うという適度な刺激が、自分の殻に引きこもり、不安を増大させる悪循環を防ぎます。
家事をする
掃除は「とりあえず掃除機をかける」などと簡単な作業からすぐにはじめられるのでおすすめ。買い物以外の家事全般は、外出せずにできるというメリットも。
食べ物に気をつける
ジャンクフードや甘いおかしは血糖値の乱高下を引き起こすため、イライラの原因に。玄米や全粒粉パン、豆類など、ゆっくり消化される食品がおすすめです。
趣味を持つ
適度に手を動かしたり、頭を使ったりすると、前頭前野(56ページ)が活性化されます。上達すれば達成感や自信につながるというメリットもあります。
ここに書いたことを律儀に「全部やらなきゃ!」とがんばって、それがストレスになったら逆効果です。ストレスなくできる範囲内で行ってください
CHECK!
家事をすることで不安を追い出すことができるダイエットがパニック発作の引き金になることもある
【出典】『心の不調がみるみるよくなる本』ゆうきゆう:監修