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『ミッドサマー』流役作りは「もう2度とやらない」とフローレンス・ピュー ─ 役に没入しすぎて「自分を痛めつけていた」

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アリ・アスター監督の“祝祭ホラー”映画『ミッドサマー』(2019)で主演を務めたフローレンス・ピューが、同作の主人公・ダニーのような役柄は「もう演じられない」と発言し、現在の心境を語った。

『ミッドサマー』でピューが演じたダニーは、心理学を専攻する大学生で、家族を失ったトラウマで精神的に落ち込みながらも、恋人クリスチャンや彼の友人たちとともに、スウェーデンのホルガ村で90年に一度開催される夏至祭を訪れる。旅先で気分をリフレッシュするつもりが、ダニーはホルガ村で起こる奇怪な出来事や、クリスチャンたちに感じる不安や不信に苛まれ、徐々に正気を失っていく……。

ポッドキャスト番組「」にて、ピューは、撮影中にメンタルヘルスに気を配ることについて尋ねられ、「いい質問ですね。まだ模索中です」と答えた。

「長年かけて、自分を守る方法を学ばなければなりませんでした。自分自身を役柄に捧げすぎて、(撮影のあと)立ち直るまでにかなり時間がかかったこともあります。たとえば『ミッドサマー』のときに、自分を追い込み、痛めつけていたことは確かです。」

以前にもピューは、「大きな苦しみの渦中にいる人物を演じたことがなかったので、自分をとてもひどい境遇に置こうとした」といい、「最悪の事態を想像しようとしていた」と。ストイックな姿勢にどんどん拍車がかかり、「演技をものにするために、確実に自分自身を痛めつけていた」と。

今回、ピューは当時の経験を振り返りながら、「こうしたことを解決するには、“あれはやりすぎたから、もう二度とやらない”と決めなければいけません」と心境を明かしている。「自分の演技を見直すと、我ながら誇りに思います。だから後悔はありませんが、自分自身に敬意を払うべきところは確実にありますね」。

『ミッドサマー』の直後に出演した『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(2019)でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたピューは、その後も『ドント・ウォーリー・ダーリン』(2022)や『聖なる証』(2022)(2023)などでハードな役柄に挑戦している。けれども経験を積んだ今では、おそらく『ミッドサマー』のような自分を追い込む役づくりに頼る必要はなくなったのだろう。

今後の出演作品には、マーベル映画『サンダーボルツ*』のほか、ミニシリーズ「East of Eden(原題)」などが待機中。さらなる活躍と、より円熟した演技に大きな期待がかかっている。

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