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「僕自身としてはすごく真面目にやっているつもりなんですよ(笑)」──アニメ『グノーシア』リレーインタビュー第6回 しげみち役・関 智一さん

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2025年10月11日より放送がスタートしたTVアニメ『グノーシア』。

舞台は宇宙を漂う一隻の宇宙船、星間航行船D.Q.O.。人間に擬態した未知の存在「グノーシア」を排除するため、乗員たちは毎日1人ずつ、話し合いと投票によって“疑わしき者”をコールドスリープさせていきます。

しかし、主人公・ユーリは、どんな選択をしても“1日目”に戻ってしまう——そんなタイムリープの渦中にいました。

極限状況の中で交わされる会話を通じて、少しずつ明かされていく乗員たちの本音や秘密。信じるべき相手は誰なのか。何が正しい選択なのか。繰り返されるループの先に待つものとは──。

そんな謎に満ちた物語を彩るキャラクターたちを、キャスト陣はどのように演じたのでしょうか。

第6回目は、しげみち役の関 智一さんにアフレコ現場でのエピソードや演技に込めた想いを伺いました。

 

 

【写真】アニメ『グノーシア』リレーインタビュー第6回 関 智一

しげみちを見た関さんがまず思ったのは……?

──原作やシナリオを読んだときの印象を教えてください。

関 智一(以下、関):僕、ゲーム自体の存在を作品に参加するまで知らなかったんです。なので最初は何もわからない状態から、先入観なく参加させていただきました。登場キャラクターが多くて少し戸惑いましたが、壮大なSFの世界観が楽しくて。コールドスリープという設定も、この作品らしくて面白いですよね。

配役についてはオーディションではなく、指名で「関さんにぴったりの役がある」と言っていただけて嬉しかったんですが……キャラクターを見たら、パッと見は“謎の宇宙人”で(笑)。「あ、僕ってこういうイメージなんだなあ」と(笑)。実際は宇宙人ではないけれど、ビジュアルは昔の特番に出てくる“グレイ型宇宙人”っぽい感じですよね。

──しげみちについて、最初にどんな印象を持ちましたか?

関:見た目でまず思ったのは、「これ、裸……なのか?」ってこと(笑)。どうやら人工的な皮膚のような何かで覆われているらしく、「全裸ではない」ということはわかりました。

台本を読んでからは「この人、毎回コールドスリープされてない?」っていう印象ですね(笑)。凍らされる確率がほんとに高くて、グノーシアかどうか関係なく、なぜか毎回疑われている気がします。

──演技で意識したことや、音響監督とのやりとりで印象的だったことはありますか?

関:“しげみち”って、ほかのキャラと比べてもすごく日本的というか、昔の人っぽい名前ですよね。だから最初は年配のキャラなのかなと思って、おじさん風に演じてみたんですが、「(声は)もっと若いイメージなので、若々しくお願いします」とディレクションがありまして。

しかも、「場面ごとに自由に」「声の雰囲気も変えて遊んでください」というオーダーで。セリフを足すようなアドリブはほとんどなかったのですが、特に序盤はその場の空気に合わせて、毎回臨機応変に演じました。

──リレーインタビューの中でも「関さんのしげみちのコメディ演技が素晴らしかった」との声が多く聞かれました。

関:そう言っていただけるのはありがたいんですが、僕自身としてはすごく真面目にやっているつもりなんですよ(笑)。しげみちくんがいろんな目に遭いながらも、なんとか頑張って取り繕おうとしている姿を、ちゃんと演じたいと思っていました。なので、変なことをしようという意識は、実はあまりなくて。

ただ、さっきも触れたように「一貫性を持たせず演じてください」というオーダーがあったので、思いきり振った結果、“ズルい”くらい振り切ったように見えたのかもしれません(笑)。

──しげみち以外で好きなキャラクター、もしくはキャラ同士の関係性などあれば教えてください。

関:みんな個性的で、選ぶのは難しいんですけど……夕里子さんのあのカリスマ性は、やっぱりかっこいいですよね。 嘘をついているようで、実は……みたいな裏があるキャラ性が気になります。

ステラやSQちゃんも好きですし、花澤さん演じるオトメもすごく可愛らしい。優しさがあって、ちょっと切なさもあって。 実は僕、声優を30年近くやってきて、イルカのキャラと共演するのはこれで2回目なんですよ(笑)。巡り合わせですね。

 

「俺、無力だったな……」

──お気に入りのシーンや話数があれば教えてください。

関:特定のシーンは挙げづらいんですが、ユーリが毎回違う状況に放り込まれていくのを、わりと視聴者目線で追っている感覚があります。「今回はこうなるのか」「なんでこうなったんだろう?」って思いながら見ていて、しげみちがコールドスリープされるたびに「俺、無力だったな……」って(笑)。

後半は世界線が変わるような展開も増えて、物語がどんどん動いていくので飽きないですよね。自分の役を楽しみつつ、いち視聴者としても純粋に楽しんでいます。

──もしご自身が『グノーシア』の世界にいたら、どんな立ち位置で動くと思いますか?

関:いやあ……意外と「関さんって、こういうの得意そう」って言われることが多いんですけど、実際にやってみるとうまくいかないんですよ(笑)。日常生活では違和感にけっこう敏感で、たとえばドッキリでも「今日は様子が変だな」「その持ち物、普段持ってないよね」みたいなところでピンときたりするんです。

でも、いざゲームになると深読みしすぎてしまって。「こいつ怪しい……でも、わざと怪しく見せているってことは逆に白か?」みたいに、考えがグルグルしちゃうんですよね。結局、「素直に思ったことをそのまま言っとけばよかった〜」って後悔するパターンが多いです。だから、意識した時点でもう負けているかもしれません(笑)。

──「このキャラが味方だったら心強い!」と思うのは?

関:やっぱりユーリですかね。思いやりがありそうだし、信頼できる感じがする。あとはオトメ。やさしくて癒し系で。他のキャラたち、けっこう濃いじゃないですか? 中には「この人、絶対やばいでしょ」って思う人もいるし、話し合いの前からちょっと疲れそう(笑)。その点、オトメちゃんは話しやすいし、素直に一緒にいられる感じがして安心できます。

──今回、『グノーシア』の現場に参加して、刺激を受けた点を教えてください。

関:まず、お話自体がとても面白くて。台本を読んでいて「なるほど、こう来たか」と思うことが多いです。僕も日頃から物語を考えたりするので、「こういう発想、面白いな」と素直に刺激を受けています。

それから、ちょっと本筋とは違う話ですが、収録現場では毎回スタッフの皆さんがすごく美味しいおにぎりを用意してくださっていて。夕方の収録が多いので、おにぎりや甘いものをいろんなお店から選んでくださって、それが本当においしいんです。

現場への気遣いが伝わってきて、僕もいつか誰かを迎える立場になったときには、こういう心配りができたらいいなと思いました。

 

「芝居って、どこまでいっても答えが出ないんですよ」

──本作では“嘘をつく”“正体を隠す”といった、キャラクター自身も“演じる”シーンが多く描かれています。ご自身が役者として役を演じるうえで、大切にしていることを教えてください。

関:作品によって変わるとは思いますが、根本にあるのは「観ている人に楽しんでもらいたい」という気持ちです。

その“楽しませ方”は、作品のジャンルやトーンによって変わってきます。エンタメに振り切った作品もあれば、人間関係や日常のひとコマを丁寧に描くような作品もある。それぞれの作品が持つ空気感や伝えたいものに合わせて、芝居のアプローチを変えていくようにしています。

──関さんは、舞台作品も手掛けていらっしゃいますが、そうした経験が“演じること”への意識に影響する部分もありますか?

関:そうですね。でも「舞台だから絶対こう」ってことはなくて、舞台、映像、アニメーション、それぞれ求められるものが違いますし、「この作品が何を描こうとしているのか」を見極めて、その核にきちんと焦点を当てることがすごく大事だと思っています。

あとは「これは演じるべきなのか?」「いや、あえて演じないほうがいいのか?」みたいなことも、現場では常に考えている気がします。演じすぎても嘘っぽくなるし、抜きすぎても物足りなくなる。そのさじ加減を探りながら、毎回向き合っています。

芝居って、どこまでいっても答えが出ないんですよ。でも、だからこそ面白いし、何度でも挑戦したくなるのかもしれません。

──視聴者の皆さんへ、最後にメッセージをお願いします。

関:これはちょっと重大な情報かもしれませんが……第6話をご覧になった皆さん、次は7話です!(笑)引き続き、お楽しみに。

 

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