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国分寺のおすすめカフェ10選。カルチャーの発信拠点から凄腕バリスタのいる店まで、気分に合わせておでかけだ!

さんたつ

国分寺 喫茶ソラクラゲ

古くからのベッドタウンであり、学生街でもある国分寺は落ち着きもにぎやかさも抱える街。そんな街には、さまざまな個性のカフェがある。カフェブームが起きた2000年代から続くお店、凄腕のバリスタが淹れるカフェラテが飲めるコーヒー専門店、街の文化や歴史に触れられるお店など、おすすめの10店を紹介しよう。カフェのためだけに出かけたくなるほど、居心地のいいお店が見つかること間違いなし。

BACKEN(バッケン)

スローライフのきっかけを作り続けて20年以上『カフェスロー』

元工場の店内はひろびろ110坪。

オーガニック食材を使うカフェをメインに、食品や本などの物販や、イベントも行われている多目的な場所。環境問題や生産者の暮らしにも配慮した食品を扱っていて、例えばフェアトレードのコーヒー豆は、有機栽培かつ森林農法で作られたものを選んでいる。

盛りだくさんで満足度が高い、季節のヴィーガン・発酵スロープレート1680円。

人気のランチメニューは、季節のヴィーガン・発酵スロープレート。植物性の材料とは思えないようなボリュームのある主菜に、野菜を使った副菜が2種類、玄米ごはんか自家製玄米パン、そしてスープとフルーツが付くという盛りだくさんのランチだ。内容は1、2カ月ごとに変更される。

元は工場だった広々とした店内は和やかな雰囲気。キッズスペースも確保されていて、誰もが気兼ねなく食事ができる。

畳が敷かれたキッズスペース。周辺の本棚には、自由に閲覧できる本がたくさん。

『カフェスロー』店舗詳細

カフェスロー
住所:東京都国分寺市東元町2-20-10/営業時間:11:00~17:00(4月1日〜9月30日は 〜18:00)/定休日:月(祝の場合は翌)/アクセス:JR・私鉄国分寺駅から徒歩5分

深夜にも“ランチ”OK。国分寺カフェカルチャーの代表店『Roof』

1階はテーブル席が2つとカウンター。

廃墟同然だったという建物を友人とリノベーションしたのはオーナーの右高鹿之輔(みぎたか しかのすけ)さん。2階建ての古い建物は、手を加えたことで生まれた温かみがあり、アートや音楽といったカルチャーの要素があちこちに散りばめられている。そんな2000年代カフェカルチャーが感じられる店は、2004年オープン。日中から深夜まで営業していて、ランチやティータイムはもちろん、夜になるとバーのようにお酒も楽しむことができる。

この日のミッドナイトランチのひとつ、アボカドタコライス1350円。昼のランチタイムならセットドリンク付きで1300円。

名物はミッドナイトランチ。閉店間際まで食べられる野菜もたっぷりのプレートメニューだ。カレー、パスタ、タコライスなどを中心に5種類前後が日替わりで準備される。昼のランチタイムも同じく5種類前後のプレートランチがある。バランスのいい食事が遅い時間にも食べられるのはありがたい。

ドリンクも種類豊富で、チャイやフレンチプレスで淹れるスペシャルティコーヒーに加えて、目を見張るのがクラフトジンだ。ヨーロッパ、オセアニア、日本など各国の個性的なクラフトジンが約130種類も並び、多摩地区では有数の品揃えだ。

クラフトジンはボトルの形やラベルもそれぞれ個性的(写真は店舗提供)。

『Roof』店舗詳細

Roof(ルーフ)
住所:東京都国分寺市本町3-12-12/営業時間:12:00〜24:00/定休日:水(祝・祝前の場合は営業)/アクセス:JR・私鉄国分寺駅から徒歩5分

スペシャリテはチーズケーキ。2013年にカフェを併設した老舗『多根果実店』

かつてお店は国分寺駅の駅舎を出てから1分もかからないところにあった。

国分寺駅北口のフルーツ店として始まった、90年以上の歴史を持つ老舗『多根果実店(たねかじつてん)』。3代目がシェフパティシエとなって家業に戻った2003年からはケーキとフルーツのお店に。さらに国分寺の再開発に合わせた2013年の移転ではカフェスペースを併設した。テーブル席以外にも、ソファ席、カウンター席も用意されており、ゆっくりケーキタイムを楽しめる空間は、ますます地元の人たちに愛されている。

国分寺チーズケーキ、テイクアウト846円、イートイン880円。

スペシャリテは国分寺チーズケーキだ。3代目がスイスでの修業時代に出合ったデンマークの伝統的なチーズを使い、低温のオーブンで4時間ほどかけてじっくり焼き上げている。濃厚な上に1ピースがなかなかのボリュームだが、最後のひとくちまで飽きることはない。

目利きであるシェフの母・ユミさんが仕入れるフレッシュなフルーツを使ったケーキも豊富。どれも「おいしいタイミングで食べてほしい」と1日に何度も作って店頭に並べている。

『多根果実店』は現在3人で営業。シェフの延命真一郎さん(中央)、母のユミさん(右)とお弟子さんの玄さん。

『多根果実店』店舗詳細

多根果実店(たねかじつてん)
住所:東京都国分寺市本町2-23-2/営業時間:11:00~19:00(カフェのみ~18:00)※営業時間は延長する場合もあり/定休日:月/アクセス:JR・私鉄国分寺駅から徒歩3分

コーヒーとの新たな出合いも提供する専門店『Life Size Cribe』

元はスナックだった店舗。2024年でオープンから10年ほどになる。

国分寺にある大学を卒業後、ずっとコーヒーに携わり、バリスタとして技術を磨いた店主。国分寺に『Life Size Cribe(ライフサイズクライブ)』を開いたのは、夜の匂い漂う路地が「雑多でディープな雰囲気だ」と気に入ったからだそう。店名の「Life Size=等身大」は虚勢を張らず、気兼ねもせず、その人らしくお店を使ってもらいたいという考えからだ。

カフェラテは680円。ガレットブルトンヌは国立の『Vivant(ヴィヴァン)』から仕入れていて350円。

店舗で用意しているコーヒー豆は全部で11種類。ブレンド2種類、デカフェ1種類のほか、中浅煎りから深煎り手前まで焙煎度合いもそれぞれだ。

誰にでもわかりやすい説明をしてくれる店主とのコミュニケーションをきっかけに、それまで知らなかったスタイルのコーヒーを知り、足しげく通うようになった常連も多い。カフェなど全国で約60店舗にコーヒー豆を卸している、コーヒー業界での信頼も厚いお店だ。

中国産など珍しいコーヒー豆も。100g 1000円〜。

『Life Size Cribe』店舗詳細

Life Size Cribe(ライフサイズクライブ)
住所:東京都国分寺市本町3-5-5/営業時間:12:00〜18:00LO/定休日:日(不定あり)/アクセス:JR・私鉄国分寺駅から徒歩3分

お鷹の道散歩の途中にほうじ茶を飲み比べ『日本茶カフェ茶々日和』

店舗前の庭には山野草が植えられている。

「お鷹の道」と呼ばれる散歩道のそばにあるカフェは、アプローチにも緑がいっぱい。幼い頃から日本茶に親しんできた店主が、日本茶にもさまざまな種類やグレードがあることを知ってほしいとお店を開いた。

ほうじ茶は毎日焙煎。香りのよさが忘れられなくなる。

「意外と奥深いんですよ」と力を入れているのがほうじ茶だ。お茶農家からお茶の葉や茎を仕入れて、店内で焙烙(ほうろく)という焼き物で作られた道具で毎日焙煎。焙煎中は店内に香ばしい香りが漂う。

焙煎度合いの違う3つのほうじ茶を飲み比べるセットもある。意識を集中して色の薄いものから飲んでみると、明らかに味わいが違う。薄い方が緑茶と共通したお茶らしさを感じ、色の濃いお茶は、香りがよく香ばしいほうじ茶らしさも濃くなる。煎茶やほうじ茶を混ぜ込んだオリジナルのあんこを挟んだどら焼きも人気メニューだ。

煎茶バターあんのどら焼きは250円。浅炒り、中炒り、深炒りのほうじ茶の飲み比べはお茶請け付きで800円。

『日本茶カフェ茶々日和』店舗詳細

日本茶カフェ茶々日和
(にほんちゃカフェちゃちゃびより)
住所:東京都国分寺市東元町3-18-5/営業時間:11:00~18:00(12~2月は~17:00)/定休日:水、第2・第4日/アクセス:JR・私鉄国分寺駅から徒歩11分

おひとり様のオアシスで、中華なスパイス使いのカレーにハマる『スズメノツノ』

ゆるやかな坂の途中にお店がある。

水色のドアを開けると、ノスタルジックな古い音楽が流れ、コチコチという柱時計がときどきぼーんと鳴り、カレーの香りでおなかが減ってくる。

2019年にオープンしてからずっと、常連客の多くはひとりでも時間を楽しめる人たち。それぞれ趣味の本を読んだり、予定を立てたり、絵を描いたりしながら、静かに、でも楽しそうに過ごしている。そのため、先に埋まるのは壁に向かって座る1人席から。

クラシック焼きプリン500円。コーヒーはスズメブレンドとツノブレンドが各550円。スイーツのみ注文は不可、ドリンクを一緒に頼むと50円引き。

ランチには自家製のベジピュレをベースにしたカレーが人気。チキンカリーとC.キーマカリーの2種類があって、あいがけも可能だ。もし、どちらかを選ぶならC.キーマカレーを試してほしい。名前のCはチャイニーズのC。中華でよく使うスパイスや調味料が使われているからだ。豚と牛をかなり粗い挽き肉にして使っていて食べ応えがあり、麻婆豆腐を思い出すような味わいにハマってしまう。

カレー2種あいがけ1200円。玉ねぎのアチャールと味付き卵、マッシュポテト付き。玉ねぎのアチャールのスパイスも絶品。

『スズメノツノ』店舗詳細

スズメノツノ
住所:東京都国分寺市南町2-10-21 マ・シャンブル1F/営業時間:12:00〜19:00(金は〜21:00 。土・日・祝は11:30〜)/定休日:火・水/アクセス:JR・私鉄国分寺駅から徒歩7分

明るい店内で焼き上げるシンプルなレモンケーキが自慢の『cafe icons』

周囲は小規模な飲み屋が連なり、夜の街の空気が漂う一角。

2022年11月にオープンした『cafe icons(カフェアイコンズ)』は、道路に面してガラス張りで、ベンチシートの席がちらりと見える。バスや電車の待合スペースのようで、初めてでも抵抗なく足を踏み入れられそうだ。

1日に8種類ほど準備される焼き菓子は、お店に入ってすぐ目に付くガラスケースに並んでいる。定番人気はキャロットケーキとレモンケーキ。特にレモンケーキは店主の自信作で、何度も改良を重ねて完成した。

レモンケーキ450円。カフェラテは550円。

そのレモンケーキは丸い型で焼いたあとひと晩寝かせ、アイシングとピスタチオで飾って放射状に切り分けて提供する。オーブンに入れる時間が長めだから、外側はしっかりした焼き色、断面は明るくやさしい黄色でコントラストもキュートだ。

店内ではお菓子が作られている様子を見かけることもある。次はどんなお菓子ができあがるのか、見守る時間も楽しい。

快適で明るい店内。

『cafe icons』店舗詳細

cafe icons(カフェアイコンズ)
住所:東京都国分寺市本町3-4-4 栄ビル/営業時間:9:00〜20:00/定休日:水/アクセス:JR・私鉄国分寺駅から徒歩2分

クラゲ好き店長を中心に、街に開いた創造拠点『喫茶ソラクラゲ』『喫茶ソラクラゲ』

入り口のステンドグラスは、クラゲの漢字表記「海月」からイメージ。

世界クラゲデーの2023年11月3日にオープン。クラゲ好きの店長は出身地の札幌でカフェを営んでいたが、カフェについて改めて学ぼうと訪れた国分寺で、志を共にする仲間と出会い、3人でお店を開いた。お菓子や料理、自家焙煎コーヒー、経営と3人それぞれの得意分野を生かしながら、お店を運営している。お店のコンセプトは「まちに開いた創造拠点」で、「空海月談話室」と名付けたゲストを呼んで話を聞くイベントも開かれている。

くらげっきーが付いたむにむにプリンは600円。自家焙煎の深煎り珈琲は600円。

クラゲの形をしたクッキー、くらげっきーは、店のアイコン的な存在だ。プリンやチーズケーキなどのスイーツには必ずくらげっきーが1枚(1匹?)付いている。愛らしい姿とザクザクした食感でちょっとしたプレゼントにも人気だ。

若き創業者たち。左から稲垣菫さん、田口敏広さん、鈴木弘樹さん。

『喫茶ソラクラゲ』店舗詳細

喫茶ソラクラゲ(きっさそらくらげ)
住所:東京都国分寺市東元町2-18-16/営業時間:14:00〜22:00(土日祝〜20:00)/定休日:月・火/アクセス:JR・私鉄国分寺駅から徒歩7分

分かる週替わりのコーヒー豆に魅了される『TAILWIND coffee brewers』

国分寺駅からは徒歩18分。目の前にはスーパーがある。お店の住所は府中市だが、最寄り駅は国分寺駅だ。

『TAILWIND coffee brewers(テールウィンド コーヒー ブリュワーズ)』店主は大手コーヒーチェーン・スターバックスで15年勤務していた当時、社内のコンテストで数回優勝を勝ち取った実力者だ。しばらく都内で間借り営業などでコーヒーを提供したのちに、2023年1月30日に実店舗を開いた。

カフェラテを含めてエスプレッソに使う豆は1週間ごとに変更。変化が分かりやすいように、深め、浅めを交互に出していて、今週の豆はどれかと楽しみにしている常連客も増えてきたのだとか。

カフェラテ600円。ブルーが美しいオリジナルのカップは沖縄在住の陶芸家夫妻に依頼した。

スイーツの人気No.1はレモンスクエア。はっきりとレモンを感じる甘酸っぱさが、カフェラテの酸味とのペアリングにもってこいだ。

店名には「お店に来たときよりも帰るときの方が、背中を押されるような明るい気分になるように」という願いを込めている。コーヒーを飲んだ帰り道は、駅までの足取りも軽くなるはずだ。

元気になる甘酸っぱさのレモンスクエアは500円。

『TAILWIND coffee brewers』店舗詳細

TAILWIND coffee brewers(テールウィンド コーヒー ブリュワーズ)
住所:東京都府中市栄町2-27-10 1F/営業時間:11:00~20:00(日・祝は8:00~17:00)/定休日:火・土/アクセス:JR・私鉄国分寺駅から徒歩18分

パンとコーヒーでスウェーデンの文化を味わう『BACKEN』

スウェーデンスタイルのパンは、日本のパン屋さんではほとんど見かけないものも。

スウェーデンに留学経験のあるオーナーが、2024年5月にグランドオープンさせた『BACKEN(バッケン)』。入り口そばに設置された大きな木製のカウンターには、黒パンやカンパーニュなどスウェーデンでもメジャーなパンのほか、焼き菓子が並ぶ。

スパイスの女王とも言われるカルダモンを使ったカルダモンロールは、スウェーデンのスタイルを再現。香りを引き出すために、ホール状のカルダモンを石臼でひいて、中に入っている種を取り出して使っている。焼き上がりにレモンの入ったシロップを表面に打っていて、コーヒーとの相性も抜群だ。

コーヒーはスウェーデンで有名なコーヒーロースター、『Standout Coffee(スタンドアウトコーヒー)』の豆をメインに使っている。

左からカルダモンロール350円とパンオショコラ450円。ラテはホット、アイスともに650円。

ときどき耳にする“フィーカ”という言葉。スウェーデンで身近な人たちとお茶をする習慣のことだ。ゆったりした店内ならば、日本にいながらフィーカを感じられるはずだ。

家具類は同じく北欧のデンマークのものが中心。

『BACKEN』店舗詳細

BACKEN(バッケン)
住所:東京都国分寺市南町3-1-33/営業時間:9:00〜18:00/定休日:月・火/アクセス:JR・私鉄国分寺駅から徒歩8分

取材・撮影・文=野崎さおり

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