清水エスパルスがJ1で戦っていくために秋葉忠宏監督が強化部に求めたこと【詳報・清水エスパルス新体制会見】
今季J1で戦う清水エスパルスの秋葉忠宏監督が1月8日に静岡市内で開いた2025年新体制発表会見で、新シーズンに向けた熱い思いを語りました。
一問一答
ー先ほど、クラブの目標10位以内と発表があった。それを受けての秋葉監督の意気込みを。
「J2では資金力を含めて圧倒的なものがあったが、J1では我々は中堅クラブの立ち位置。まずは当たり前のようにJ1に居続けることが大事になってくる。その中で、どうビッグサプライズを起こすのか。僕としてはビッグサプライズを起こす最高の準備を、コーチングスタッフや選手とともにやりたいなと思っている」
ーどういう選手が欲しいと要望したか。補強のポイントは?
「J1仕様の選手、チーム、クラブにしていかなければいけない。まずインテンシティーの部分、これは絶対条件になってくる。走力もスピードも必要。やはりアスリート能力の高い選手。『フットボーラー✕アスリート』という話を僕らはずっとしている。その二つを兼ね備えた選手を獲得してほしいということを伝えた。
それにプラスして、いくつかやりたいことがあるので、いろんな位置に適合できる選手、1人で複数のポジションをこなしてくれる選手がいると、いろんな変化を起こす上で非常に助かる。強化部の方と話をしながら、最高の補強をしてもらったと思っている。
平均年齢をだんだん下げていくこともどこかでしていかなければと考えている。ただ、ベテランにも意地があると思うし、素晴らしい経験値と能力を持った選手がいるので、いかに融合させていけるかが、我々コーチングスタッフの腕だと思っている」
ー監督としてJ1初挑戦になる。今のJ1リーグの印象は?
「個人的な意見としては、Jリーグも30年以上がたち、悔しいが、資金力のあるクラブが上位にいるようになってきたなというのが第1の印象。当たり前だが、どの国のリーグも優勝を狙えるのは、1〜3チームぐらいになってきている。
個人的にはあと5年ぐらいしか、いろんなチームに(優勝の)チャンスはないのかなと。だんだん資金力のあるクラブが上位を占め、おそらく資金通りの順位になるんだろうと思う。そういった意味では、あと数年しかチャンスがない。何とか5年以内ぐらいにはビッグサプライズを起こせるようになりたい。
これも当たり前だが、フットーボールにはサイクルがある。ティキ・タカのバルセロナの時代があって、それを上回るように強度の高い国やクラブが出てきた。このサイクルは多分ずっと変わらない。よほどルールが大きく変われば、また新たな戦術が出てくると思うが、今は戦術も出尽くしたと言われる時代。よりタフに、より連続して、よりパワフルに、よりスピーディーに、より正確にとか、そういう時代になっていると思う。
インテンシティーの高い神戸や広島が上位にいるので、彼らと同等ではなくて、彼ら以上のインテンシティーを出すこと。それにプラスして、静岡という中でやってるクラブなので、しっかりとボールゲームをしながら…。でもしっかりと相手を見て、どう相手のインテンシティをかいくぐっていくのか。1年間しっかりと考えながら、自分たち選手の特徴を生かせるようにやっていきたい」
ー1トップはタレントがちょっと渋滞してるような印象を受ける。
「1トップにこだわってるわけでは全くない。システムはいっぱいあるし、それをどう有効活用するかが我々コーチングスタッフの腕のみせどころだと思うので、しっかりと開幕までに見極めていく。トップの数を増やすことは十分に考えられるし、去年も連勝した時にはツートップでだいぶ良い成果を出したと思っている。我々の持っている戦力が最大値を出せるように、より最適解を見つけられるように、1年間必死にやっていきたい」
ー若手育成について、どのようなアプローチを考えているのか。
「まずはたくさんトレーニングすること。練習は嘘をつかない。努力をすればするだけ、必ず成果が出ると思っている。
若い人たちの伸びしろ、可能性はものすごい。ちょっとしたきっかけで大きく飛躍することは分かっている。まだまだ足りない部分はあっても、その分大きな可能性を秘めている選手をたくさん獲得してくれた。
年齢関係なく、37歳だろうが18歳だろうが、ピッチで素晴らしいものを見せてくれた選手には、スタメンの座が約束されると思っている。僕自身も大いに期待しているし、彼らの能力をもっともっと伸ばせるように、またみんなでやっていきたい」