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素材の味を生かした甘みに注目。東区にオープンした洋菓子店「ME」。

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素材の味を生かした甘みに注目。東区にオープンした洋菓子店「ME」。

東区新岡山の住宅街に、こぢんまりとした佇まいの洋菓子店「ME(ミ―)」がオープンしました。プリンにロールケーキ、季節のタルトなど、どれもすっきりとした甘さにこだわっていて、スイーツが苦手な人でも食べられちゃうのだとか。今回は店主の水崎さんに、子育てと仕事の両立やこれまでのキャリアについてお話を聞いてきました。

ME

水崎 絵理 Eri Mizusaki

1981年新潟市生まれ。東京・国立市辻製菓専門カレッジ(現辻製菓専門学校)を卒業後、関東の洋菓子店や新潟のフランス菓子店「ルーテシア」に勤務。2017年から個人事業主として活動し、2020年にはオープニングスタッフとして洋菓子店「nid」に加わる。同店が移転してからは、イベント出店や間借りカフェ、お菓子づくりワークショップ運営などを行う。2024年10月に「ME」をオープン。

懐かしさが感じられる、温かみのあるスイーツ。

――この度は、オープンおめでとうございます。

水崎さん:どうもありがとうございます。以前からずっと「お店を構えたい」と思っていたんですけど、なかなか条件が合わなくて。先月やっとグランドオープンを迎えることができました。今までは、自分がどんなことをしたいのか、いまいち未来像が見えていなかったのかもしれません。それが見えたら、トントントンとことが運んだ気がします。きっと腹を決めたからなんでしょうね。

――関東でも新潟市でも大きな店舗でお勤めだったと思います。でも「ピアBandai」にあった「nid」さんは少人数で運営していたみたいですね。

水崎さん:「nid」を経験するまでは大きなお店でケーキを作っていたので、経営や小規模店舗の運営についてあまりイメージを持てずにいました。「nid」にいた数年間で、やりたいこととやれることの差が埋まったように思います。

――「nid」さんは、どんな職場でしたか?

水崎さん:ものすごくアットホームで、とても癒されました(笑)。大きな組織ではどうしても「歯車気分」になっちゃうけど、ちゃんと「ひとりの人」として存在できるっていうか、人間同士の温かみを感じながら仕事ができましたね。コミュニケーションをしっかり取るって大事だよなって改めて感じました。

――人生でそういう仲間と出会えるって素敵ですよね。

水崎さん:それまではこなすことに必死で、「言われた通り、時間通りにお菓子を作る」っていう仕事をしてきました。なので、肩の力が抜けた気がしましたよ(笑)。お菓子そのものも、カッコつけたものじゃなくて、懐かしさを感じるようなものが好みなんだって気がつけました。

旬の味と素材を引き出す、甘すぎない甘さ。

――「ME」さんのことを教えてください。ホームページを拝見して、これからはじめるサービスがいろいろありそうだなって感じました。

水崎さん:考えていることはいくつかあります。でもスタッフのふたりも私も子育て中なので、様子を見て判断するつもりです。時間が限られているので、仕事に没頭してばかりではいられません(笑)

――ご家庭のペースを守って働いていらっしゃる。

水崎さん:それがいちばん大事です。スタッフふたりは同級生なんですよ。縁があって一緒に働いてもらっています。私たちは「仕事は精一杯やるけど、自分の家庭、自分の時間も大切にしたいね」って考えでいます。それでお店の名前を「ME」にしました。自分自身を大切に、ゆとりのある時間を持ちましょうって意味です。

――これが「ME」らしい、という味のポイントはどこでしょう?

水崎さん:甘さにはとてもこだわっています。私、以前は甘いものが大好きで、ケーキ店を巡って1日に何個もスイーツを楽しんでいたんです。でも今はもう、それほど食べられません(苦笑)。甘いものが得意じゃない方でも美味しく食べられるように、素材を生かしたすっきりとした甘さになるように仕上げています。砂糖は「てん菜」から作られた「てんさい糖」を使っています。血糖値が上がりにくく、甘さ控えめで、もたれません。素材の味をより生かすために、きび砂糖を少し配合する場合もあります。

――スイーツのラインナップは?

水崎さん:プリン、シュークリーム、ロールケーキ、季節のフルーツを使ったタルト、焼き菓子、それから月替わりのアニバーサリーケーキです。小さいショーケースですし、そんなに多くは並べないつもりでいたんですけど、どんどん種類が増えていきます(笑)

※アニバーサリーケーキは要予約

――それは、やっぱり作りたくなっちゃうからですか?

水崎さん:自然にね、作っちゃいますよね(笑)。季節感のあるお菓子を作っていると、日々の作業工程にちょっとした変化が加わるんですよ。季節が巡っていると感じられるのは嬉しいです。栗の時期には栗が食べたくなるし、やっぱりその時季のフルーツや素材を食べたくなるものですよね。旬のものがいちばん美味しい。身体もそれを求めているような気がします。

子どもたちに、発見の場を。

――10月17日にグランドオープンされてからの反響はいかがですか?

水崎さん:グランドオープン前に1ヶ月ほどプレオープン期間を設けていたので、おかげさまでリピーターさんも増えていると思っています。

――これからどんな展開を考えているんでしょう。

水崎さん:いずれは店内にカフェスペースを設けたいと思っています。それからお子さん向けのお菓子づくりイベントを開催してみたいですね。「ものづくりがおもしろい」と感じてくれたらそういう道に進んでもいいし、苦手だと思ってもそれはそれで発見です。その子らしい未来を見つけるきっかけとなる体験をして欲しいですね。大きくなって「お父さん、お母さんと買いに行った『ME』のお菓子」美味しかったな」ってまた買いに来てくれたら、もう最高ですよね。

ME

住所/新潟市東区新岡山2-23-7

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