反町交差点 県内初の「新基準」横断歩道 白線17本→12本に
反町交番前の交差点にある横断歩道の1カ所が昨年12月、警察庁の新しい基準に則したものに塗り直された。県内第1号で、関東地方初、全国でも4例目の設置となる。
耐久性向上とコスト削減
県警交通規制課によると、この横断歩道の全長は約16・6m。白線はもともと17本だったが12本となった。従来の基準で最大50センチとされていた白線の間隔が、昨年7月からの新基準では90センチまで可能となった。
白線間隔を広げることで老朽化の一番の要因とされるタイヤとの接触による摩耗が減り、横断歩道の耐久性向上や、白線の本数が減ることでの整備費用のコストカットが期待されるという。
視覚障害者にも配慮
一方で基準の変更に際し、塗装の凹凸で横断歩道の感覚を把握したり、視野に制限のある視覚障害者にとっては横断歩道の存在を認識しにくくなる可能性がある。そこで「エスコートゾーン」と呼ばれる点字ブロックに似た誘導路と、音で青信号を知らせる音響式信号機も同時に設置された。
県内第1号に選ばれた反町交差点は、近隣に視覚障害者の地域作業所があるほか、区役所、社会福祉協議会などの公共施設も点在する。そのため供用開始時には県や横浜市、川崎市の視覚障害者福祉協会の会員に説明会として実際に横断歩道を歩いてもらい、感覚を確かめてもらった。参加者からは「白線の間隔は問題に感じなかった」などの感想があったという。
変更から1カ月以上が経ったが、これまでに県警への意見は特に寄せられていないという。県警では2月にも視覚障害者向けの現地体験会を行う予定。「不安感を払拭した上で、今後の整備を検討したい」としている。
「振動式」求める声も
交差点近くの盲ろう者地域作業所「わくわくわーく」の関係者は、「利用者の話では白線の幅が広がったことによる影響はないようだが、エスコートゾーンと交差点の『止まれ』を意味する点字ブロックを混同することもあったと聞いている。振動で青信号になったことが伝わる『振動触知式信号機』の導入を求めていたが、予算の関係で実現できなかったのは残念」としている。