焼いてないのに“焼うどん” 富山の讃岐うどんの名店【なか道】2大名物あんかけたっぷり焼うどん&アツアツ噴火うどん
富山市内で有名なうどん店と言えば…もつ煮込みうどんのアノ店を思い浮かべる人が多いでしょうが、それに負けず劣らずの人気店が富山市の郊外にあります。
築90年の蔵を改装した趣きのある建物が目印、2024年で20周年を迎える讃岐うどんの店です。
香川で10年修行を積んだ本格讃岐うどんの店・なか道
店があるのは、北陸道・流杉スマートICからほど近い富山市大島。周囲に住家や工場などはありますが、飲食店があるような通りではないため、知らなければ「本当にここにうどん店があるの!?」と不安になるかもしれません。
水田の中に住家が点在する郊外の一帯、風格のある立派な築90年の蔵を改装して営業しているのが、うどん店「なか道」です。
立派な梁や柱で作られた大きな空間には、テーブル席や小上がりの席、そして、1人でも気兼ねしないカウンター席もあります。
店主の岩本さんは、いまや「うどん県」として全国に知られる香川県で修行し、本場の讃岐うどんを10年かけて習得しました。本格的な讃岐うどんの店として、腕を振るいます。
なか道の2大定番のひとつ。“焼いてない”焼うどん
そんな「なか道」には、他のうどん店ではあまりお目にかかれない2大名物のうどんがあります。
そのひとつが、「焼うどん」。
直径約30cmの大皿からこぼれ落ちそうなほど豪快に盛られているのは、つやつやに輝く讃岐うどんと野菜たっぷりのアツアツあんかけ。店の代名詞とも言える名物で、この1杯を食べるためにわざわざ遠くから訪れる客も少なくありません。
うどんはコシが命! アツアツのあんに浸かっても負けないコシ
このメニューがなぜ「なか道」の代名詞的存在かというと、それは讃岐うどんならではのコシが鍵となっているから。
「焼うどん」のうどんはたっぷり野菜のあんかけにひたひたに埋もれているので、当然、食べ進めるには時間がかかります。それでも最後までコシを感じることができるのは、讃岐うどんだからこそ。やわらかくのびてしまわないよう、硬めに茹でてありますが、もっちもちの食感はさすが本場仕込みです。
コシのある食感のために、「なか道」のうどんはこねてから1週間ほど低温で寝かせるのだそう。もちもち食感を生み出すグルテンを保持するように研究を重ねて、この方法にたどり着きました。
店を開業してからの20年間も、絶えず「いい食感」を追求を重ねているこだわりのうどんです。
あんかけのダシは肉と魚介のWスープ
あんかけに使用するダシは、肉系と魚介系を重ねたWスープ。繊細な旨みと濃厚なコクが野菜にしっかりと染みこみます。
さらに、たっぷり使用している野菜には自家栽培したものも。なるべく安心して食べてもらえるようにと、店主の気遣いを感じられます。
焼いてないのに…どうして“焼うどん”?
それにしても、一般的に焼きうどんと言えば、ソースや醤油で炒めたものをイメージしますよね? 「なか道」のものは、あんかけうどんスタイルなのに、どうして「焼うどん」なんでしょうか。
それはーー
讃岐うどんの本場・香川県には、茹で置きの麺をおいしく食べられるように、焼いた麺にあんをかけて提供する「うどん焼き」があるんだとか。それをイメージして店主がメニューに加えました。
「なか道」ではうどんは焼いてはいませんが、うどん焼きと同じく、あんをかけるタイプのうどんということで、名前を「焼うどん」にしています。讃岐で修行を積んだ店主ならではの名物なのです。
湯気で前が見えない!? もうひとつの名物はアツアツの鍋焼きうどん。別名「噴火うどん」
もうひとつの名物が、冬限定で登場するアツアツの鍋焼きうどん。
石鍋で運ばれてくると…湯気で前が見えないほどグツグツと煮立っています。別名「噴火うどん」とも呼ばれる通り、食べる前から熱気で顔や体があたたまります。
作り方を見せてもらうと、器からはみ出るくらいギュウギュウに盛られた野菜。煮込むと旨みがスープに溶け出すそうで、その旨みたっぷりのダシがうどんに染み込むため、なんとも深い味わいに。
うどんの麺は煮込むことでダシを吸って完成するように「もっと汁を吸いたい!」という状態で作られているそう。具材の旨みをたっぷり吸ったうどんで、余すところなく味わいつくせます。
うどんと一緒に食べたい!
全国から店主が厳選した揚げ物料理も
「なか道」は揚げ物のメニューも充実しています。店主がこだわって選んだ日本各地のご当地天ぷらなど、うどんと一緒に食べると更においしいメニューがたくさん用意されています。
店主の岩本さんの出身地・大阪では定番の「紅しょうが天」。富山ではあまりなじみがありませんが、一度食べるとハマる人が続出する、大阪の串揚げ店などで人気の名物です。
薄く切った紅しょうがに衣つけて揚げたシンプルな天ぷらで、甘めのソースをつけて食べるのがオススメなんだそう。
こちらは長崎名物の「はとし」。明治時代に中国から長崎に伝わったとされる長崎の郷土料理です。
エビのすり身を食パンで包んで揚げていて、香ばしいかおりが食欲をそそります。
そのほか、九州博多のごぼう天、広島のすり身のフライ「がんす」など、店主がこだわって現地から取り寄せるものばかり。
富山ではなかなか口にできない全国のグルメをうどんと一緒に楽しめます。
出典:KNBテレビ「いっちゃんKNB」
2024年11月5日放送
記事編集:nan-nan編集部
【なか道】
住所 富山県富山市大島1丁目211
営業時間 11:30~14:30(土・日曜、祝日は15:00まで)
定休日 月・火曜