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不倫相手は女装おじさんです。28歳ホステスが“女同士”の恋に落ちた理由「深紅のレースに目を奪われて…」#1

コクハク

夜の街には…(写真:iStock)

【不倫依存~婚外恋愛を謳歌する男女】

常識をくつがえす愛の形

 不倫や婚外恋愛と聞くと、多くの人は男女のそれを想像するかもしれない。

 しかし、夜の街には常識をくつがえす愛の形がある。

 今回、取材に応じてくれたのは赤坂のクラブに勤める菜々美さん(28歳ホステス/独身)も、意外な不倫に陥ったひとりである。

出会いは新宿二丁目の女装バー

初めての世界(写真:iStock)

 菜々美さんは語る。

「私が不倫相手と出会ったのは、常連客の塩川さん(55歳不動産/既婚)とアフターで訪れた新宿二丁目の女装バー・スワンです。

『面白い店がある。勉強にもなるよ』言われて、店の扉を開けてビックリ。甘い香水の匂いとともに、華やかなドレスやワンピースをまとった女装の男性がオネエ言葉で談笑していて…驚きを隠せない私に、着物姿のママが『いらっしゃいませ。バケモノ屋敷へようこそ~!』とにこやかに対応してくれたんです。

 私、思わず爆笑してしまいました。今ふりかえると、緊張する私を少しでも和ませようと自虐ネタで笑わせてくれたんですね」

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女装子が集う異世界に圧倒

異世界すぎる!(写真:iStock)

 ミラーボールが輝く店内には、30~50代と思しき「女装子」が5~6名ほどいたという。

 菜々美さんは続ける。

「店内は『本物の女が来た』という感じで、一瞬、会話が止まったのですが、その後は何もなかったように談笑に戻りカラオケで盛り上がっていましたね。

 ちなみに、私の連れの塩川さんに女装の趣味はありません。仕事関係者に誘われてこの店が気に入り、『時々、接待でも使ってるんだ。菜々美ちゃんも勉強のためにいろいろな世界を知っておきなさい』と、誘ってくれたんです。

 失礼な言い方になりますが、女装子さんたちを見ると、お世辞にもキレイとは言えない人も多くて…。

 けっこうふくよかな体型なのにピチピチのミニドレスを着ていたり、ヘアウィッグと濃いメイクで『ヌーブラは○○のメーカーがオススメよ』などと真顔で情報交換していたり、ストッキングをまとい、ハイヒールを履いてステージに上がってカラオケに興じたりと、とにかく異世界でした」

越路吹雪を熱唱する人物は…

母の十八番が流れ(写真:iStock)

 そのうち、カラオケで越路吹雪の『ろくでなし』が流れてきたという。

 菜々美さんは続ける。

「『ろくでなし』はシャンソンが好きな私の母の十八番。家族や仲間内のカラオケ大会では必ず母が歌う思い入れのあるナンバーです。

 とても歌唱力があり、とっさに視線を向けると、アラフォーと思しきスレンダーな男性客がスポットライトの下で歌っていました。

 赤いチャイナドレス姿に短髪の彼は、薄いメイクながら彫りの深い顔が魅力的なイケオジ。そのうえ、深いスリットから見える脚がほっそりとしてキレイ。店内は歓声に包まれました。それに応じるように、彼はドレスの裾をチラリとめくって見せるんです(笑)。ベージュのストッキングごしに見える深紅のレースが、これまた艶っぽくて…」

 ビジュアルと歌唱力、サービス精神に、菜々美さんは大きな感動を覚えた。

「歌い終わると、大歓声が沸き起こりました。ほろ酔いの私も、感激で大きな拍手をしていたんです」

 本来だったら、ここで盛り上がって終わりのはずだったが、思わぬことが起こった。夜中にも関わらず、塩川さんのスマホが鳴ったのだ。

2人でカウンターに

ナンシーって呼んでね(写真:iStock)

「一度、店外に出た塩川さんは『菜々美ちゃん、ごめん。仕事でトラブルがあったようだ。僕は行かなきゃいけないが、君はもう少し楽しんでいきなさい』とママに呑み代を払い、私にはタクシー代を握らせて店を出ていったんです。

 結果、ママは『せっかく来てくれたんから、もう少し吞んでいって』と、『ろくでなし』を歌っていた彼を紹介してくれて…」

 2人はカウンターに並んで、呑みはじめた。

――はじめまして、塩川さんの連れの菜々美と申します。

 私はいつもの習慣で、店の名刺を渡したんです。

――ありがとう、直樹と申します。この店ではナンシーって呼んでね。

 直樹さんはオネエ言葉ですが、丁重に名刺を受け取ってくれました。

――歌がお上手で聞き入ってしまいました。ろくでなしは母の十八番なので、特別な思い入れがあるんです。

――まあ、お母様、素敵な趣味ね。私も大好きな歌なのよ。

――あの…このようなお店は初めてで、失礼な質問かもしれませんが、いつもオネエ言葉なんですか?

既婚、さらに子供も

普段はいいパパ(写真:iStock)

 私は直樹さんの整った横顔にキュンとなりながら、たずねていました。

――ええ、女装の時はもちろん。

――では、女装じゃない時は、普通に男性の声色や言葉づかいで?

――そうよ。私は女性になりたいんじゃなくて、あくまでも女装が趣味なの。結婚だってしてるし、子供だっているわ。

――えっ、ご結婚されているんですか? 

――そうよ。悪い?

 直樹さんはアイラインに彩られた瞳をキッと吊り上げたんです。

 それがまた色っぽくて…。

低音ボイスが甘く響いて

なぜ女装を?(写真:iStock)

――い、いえ…とんでもない…もちろん、ご家族には内緒ですよね。

――内緒にしていたけれど、3カ月前に妻にバレちゃったのよ。車のトランクに入れていたドレスやランジェリー、ハイヒール、メイク道具、ヌーブラを詰めたバッグが見つかっちゃって(笑)。

――えええっ、奥さまは何て?

――驚いていたようだけど、別に離婚などの話は出なかったわね。子供もまだ小さいし。あ…私は43歳で、息子は5歳なの。将来は女泣かせになるイケメンよ。

――直樹さんもイケオジですものね。

――ちょっとぉ、今はナンシーなんだからイケオジじゃなくて、美女って言いなさい!

――す、すみません!

 ツッコまれながらも私のときめきはエスカレートするばかり。女装しているとはいえ、彼の顔立ちはタイプで、耳触りのいい低音ボイスが鼓膜に甘く響いてくるんです。なぜ、こんな魅力的な人が女装を…?

 そう思った時、直樹さんは私をじっと見つめてささやきました。

――ねえ菜々美ちゃん、アンタ今、私がどうして女装子になったか、気になっているでしょう?

 急に、図星をさされてしまったので、笑ってごまかすだけで精一杯でした」

 菜々美さんは、心の中まで見透かされて、ますますドキドキが止まらなかったという。

 

まさかの再会

(写真:iStock)

 しかし翌週、彼女はさらに驚かされることになった。

「翌週、 働いている赤坂のクラブでママと黒服に呼ばれて、私は凍りつきました。

――菜々美ちゃん、ご指名よ。新規のお客様ですって。

――先週はどうも。名刺をもらったから来てみたよ。

 通された席には、スーツ姿の直樹さんが座っていたんです」

 続きは次回。

(蒼井凜花/作家・コラムニスト)

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