みずしま夕暮れガーデン港フェス(2024年10月19日開催)~ 水島ポートパーク公園で地域の人々が気軽に楽しめる音楽イベント
倉敷市水島には自然豊かで人々の癒しの場となる多くの公園があります。
体育館やテニスコートが管理された公園や、小さな山を整備した公園、近所の子どもたちの遊び場になっている公園など、それぞれに異なる魅力が詰まっているのです。
水島臨海鉄道水島駅の近く水島港からほど近い場所に、30年前(1994年)に作られた「水島ポートパーク公園」があります。ステージ広場や、オブジェが飾られている魅力的な公園ですが、長い間十分に活用されていませんでした。
そのような素敵な公園を地域の人々により多く知ってもらい、その魅力を生かしたいと水島の団体が立ち上がりました。
アートな雰囲気がただよう静かな公園でいったいどのような活動をおこなったのでしょうか。
水島ポートパーク公園でおこなわれたイベント「みずしま夕暮れガーデン港フェス」について紹介します。
みずしま夕暮れガーデン港フェスとは
「みずしま夕暮れガーデン港フェス」は、若者が才能を発揮できる場を広げ、地域のつながりを深めることを目的としたイベントです。
普段あまり利用されていない公園を、地域の人々に知ってもらい、気軽に集える楽しい空間を提供したいと企画されました。
ミズシマ盛り上げ隊が毎年開催している「夕暮れガーデン」は、水島のさまざまな公園で並べられたソファに座り、楽しい音楽とおいしいおつまみやお酒が楽しめるイベントです。
今回のイベントは水島港から歩いてすぐの公園での初開催。「夕暮れガーデン」をさらにパワーアップした内容になっているようです。
主催者について
主催者の倉敷水島ロータリークラブは、水島で活動している奉仕団体です。地元のビジネスリーダーたちが集まって地域社会の課題に取り組んでいます。
今回はミズシマ盛り上げ隊や水島を元気にする会と協力し、水島を活性化するためのイベントを企画しました。
水島ポートパーク公園とは
水島ポートパーク公園は、水島臨海鉄道水島駅から歩いて約7分のところにある公園です。
水島臨海鉄道の高架下を挟んだ造りになっていて、公園からは鉄道が行き来するようすが見られます。
今から30年前、1994年11月に水島港とオーストラリアのアデレード港との姉妹港縁組10周年記念として設立されました。
南側には、オーストラリア・アボリジニの人々が二つの港の文化の懸け橋になろうとする壁画が、北側には古都倉敷と現代のイメージの壁画が描かれています。
公園内には、オーストラリアのエアーズロックを象ったオブジェや、ステージがあるイベント広場など、人々が集まってイベントをするのに適した公園のようです。
しかし、今まで水島ポートパーク公園でイベントを開催した形跡はなく、現在では防犯のために街灯も消され、トイレも使用禁止となっています。
「水島にこんなに素敵な公園があるのにもったいない!公園をもっと地域の人々に知ってもらおう!」
倉敷水島ロータリークラブ会長の植田充彦(うえだ みつひこ)さんは、公園を活用したイベントを考えました。
そこで、公園を使用するために岡山県備中県民局の水島港湾事務所に出向いてイベントの概要を説明し、許可をいただいたそうです。
毎年水島地域の公園を使用して開催している「夕暮れガーデン」は、600人以上が訪れます。今回初めての開催場所とはいえ、大勢の人々が訪れることが予想されます。
そこで多くの人数に対応できるように、トイレの改修工事と街灯の電源を入れてもらうようにお願いしたそうです。
地域の人々の協力もあり、イベント一か月前にようやく開催の目途がたってきました。
開催日当日はなんと、水島臨海鉄道が無料の日です。
大勢の人々が来てくれることを願いながら、主催者やスタッフは何か月も前から準備をしたそうです。
開催日当日は雨予報
2024年10月19日(土)開催日当日は、あいにくの雨予報。
雨ならば水島愛あいサロンへ移動して、時間を短縮しての開催が予定されていました。
しかし、当日の夕方には雨が止む予報になっていましたので、急遽雨天決行を決断し、前日から準備を進めたそうです。
はたして「みずしま夕暮れガーデン港フェス」は無事に開催できたのでしょうか。
出店店舗について
「みずしま夕暮れガーデン港フェス」に出店する店舗を紹介します。
出店店舗は以下のとおりです。
水島で頑張っているお店を筆頭に、真備町や岡山市からも駆けつけてくれました。
出店店舗の紹介
雨の降るなか始まった「みずしま夕暮れガーデン港フェス」。
テントや水島臨海鉄道の高架下を使いながら、お店の準備が進みます。いくつかのお店を紹介します。
居酒屋 舞
水島西常盤町で小料理屋を営んでいるお店です。おでんの良い匂いがただよっていました。
おでんだけではなく、うどんやトッポギなどお酒のおつまみにも、お昼ご飯にも良さそうな料理が並びます。
筆者もお腹が空いていたのでおでんを購入しました。
天ぷらを巻いている韓国おでんは、辛いソースをつけることも可能です。筆者は辛い料理が苦手なため、そのままでいただきました。もちもちとしてボリュームがあります。牛筋も軟らかく煮込んでいて、お酒が欲しくなる一品でした。
社会福祉法人P.P.P.
こちらは、倉敷市福田町福田でパンを販売しているお店「倉敷食パン工房Pちゃん」です。
一つひとつがお手頃価格のパンばかりなので、ついつい買いすぎてしまいそうです。
おすすめはメロンパン。筆者もいただきましたが、ふわふわで甘さもちょうどよくおいしいメロンパンでした。
他にも総菜系のパンも充実していて、お昼ご飯やおやつに買って帰る人たちが多くいました。
嶋屋製菓 栄堂
倉敷市西栄町にある「嶋屋製菓 栄堂」です。昭和25年(1950年)創業の伝統の味を引き継ぎ和菓子店を営んでいます。
秋の味覚の栗を使ったぜんざいや大福などが、食欲をそそります。
当日は少しひんやりとした気温だったため、栗ぜんざいを試食。
温かい容器のなかには、白玉団子や栗などの具材が多く入っており、一杯で十分食べ応えのある栗ぜんざいにたいへん満足でした。
えび~太(串揚げ番や)
水島の西常盤町に店舗を構える「串揚げ番や」が、屋台専門のお店としてたちあげた「えび~太」。
今回のイベントでは、お店の常連さんたちも手伝い出店しています。
大きなえびをその場で揚げてくれます。特性のマヨクリームとマッチして、くせになる美味しさでした。
カクテル(COCKTAIL LOUNGE吉備・アンダンテ)
水島を代表するカクテルバーのなかから、2店舗が出店していました。
・COCKTAIL LOUNGE吉備
・アンダンテ
「みずしま夕暮れガーデン港フェス」のために、特別にワンコイン(500円)での販売です。
本格的なカクテルが楽しめるとあって、大変人気で多くの人々が買い求めていました。
コーヒーローストおかべ
水島西常盤町でコーヒー豆を販売している「コーヒーローストおかべ」が出店していました。
こちらのお店では、世界各地のコーヒー豆を生豆の状態で常時30種類以上ストックしていて、注文してから焙煎しています。
ちょうどお客さんが、一生に一度は飲んでみたい幻のコーヒー「コピルワック」を注文していたので、一緒に話を聞かせてもらいました。
インドネシアでコーヒーの実を食べたジャコウネコのフンを使って作られた、非常に珍しいコーヒー豆だそうです。
感想を聞くと、苦みがないのでとても飲みやすく、まろやかで美味しかったとのこと。気になったかたはぜひお店で試してみてください。
音楽ライブのようす
出だしから降り続いた雨も午後3時過ぎにはようやく止み、雲のすきまから明るい光が見え始めました。
雨が止むとお客さんも少しずつ増えていき、お店も賑わいを取り戻したようです。
スタッフたちは、「夕暮れガーデン」ではかかせないソファやテーブルを並べ、灯りを設置しています。
雨が降っていなければ、キッズダンスやほにや倉敷のパフォーマンスも見られたのですが、今回は雨のため中止になったことが残念でした。
さあ、音楽ライブの始まりです。事前にオーディションに合格した6組のチームが披露してくれました。
6組の出演者は以下のとおりです。
ピックアップして紹介します。
Nanae & 國廣理正
25絃箏とパーカッションのDUOです。箏(こと)の切ない音色とパーカッションの温かい音色が共鳴していて、思わず聞き入ってしまいました。
Thông&Karl(トンandカール)
ベトナム国籍の”トン”と真備町在住の”カール”のインターナショナルコーラスユニット。
昔流行った歌のカバー曲をしっとりとした歌声で聴かせてくれていました。
コジスカオーケストラ
最後を飾るにふさわしい東京スカパラダイスオーケストラのコピーバンドのコジスカオーケストラの皆さん。
会場を巻き込んでの大盛りあがりでした。
アンコールが終わり、主催者のあいさつで「みずしま夕暮れガーデン港フェス」は幕を閉じました。
おわりに
雨でどうなるか心配された「みずしま夕暮れガーデン港フェス」は、天気も夕方から回復し、生演奏の音楽ライブで盛り上がりました。
このイベントを通じて、水島にはまだまだ知られていない素敵な公園があることを地域の人々は知ったことでしょう。
一度も開催したことがない場所でのイベントは、さまざまな困難や苦労もあったかもしれません。しかしその発案と行動力によって、地域の人々が無料で楽しめる音楽イベントが実現しました。
水島には自然豊かな公園が点在し、気軽に足を運べる場所が多くあります。
アットホームな雰囲気を楽しみながら地域の人々との交流が図れ、水島でしかできない楽しい時間が過ごせるイベントが増えることを願っています。