動物写真家・岩合光昭が語る、ネコをかわいく撮る方法
大竹まことがパーソナリティを務める「大竹まことゴールデンラジオ」(文化放送・月曜日~金曜日13時~15時30分)、6月4日の放送に動物写真家の岩合光昭(いわごう みつあき)が出演。現在、活動の中心となっているネコの撮影について語った。
大竹まこと「岩合さんといえばネコ、ネコといえば岩合さん。NHKの『岩合光昭の世界ネコ歩き』、観ていますよ。何年やっているんですか?」
岩合光昭「2012年に始めたので13年です。でも大竹さんの番組のほうが長い。(年齢は)いま74歳、今年75歳です」
大竹「ほとんど同世代! あの何枚かの写真を撮るのに、オモテには出ていませんけど、ずいぶん時間がかかっていますよね?」
岩合「イタリアで、あるネコをフォローしていたら4日間かかりました」
大竹「4日!? たまに撮っている姿勢が映りますけど、地べたに近いところから」
岩合「這いつくばって。ほふく前進ですよ(笑)」
大竹「放送前に話したんですが。巷では、イヌを好きな方は社会性がある、ネコを好きな方はあまり社会性がない、という話が伝わっています。どう思っていますか?」
岩合「『社会性がない』を『自由である』という言葉に置き換えていただければ」
大竹「なるほど。きょう最初に話したいことはなんですか?」
岩合「毎週月曜、Xにポストしていて。今週月曜の写真がこちら。(自宅のネコである)玉三郎と智太郎です」
大竹「岩合さんは何しているんですか? 手前のネコも立っていますけど」
岩合「毎朝、ラジオ体操しています。マネしてくれているんです。妻が撮りました」
水谷加奈「本当だ。ネコがラジオ体操している!」
大竹「いまはネコの写真が中心ですか?」
岩合「そうですね。『世界ネコ歩き』が始まって仕事がネコ中心になりました」
大竹「写真家で大学をお出になって、失礼ですが食えるようになるまで時間はどれぐらいかかったんですか?」
岩合「10年ですね。どんな仕事でも10年といわれますけど」
このあとは岩谷が、その10年間を振り返った。さらにトークの後半で、ネコの写真を撮る際の心構えについて、こう語った。
岩合「(いい写真を撮り逃すという方は)シャッターチャンスを自身が決めてかかってしまうんですよ。『かわいいところを逃した』、それはネコを見ていないということ。猫を見ていると、おのずと『この瞬間もかわいい、この瞬間も』という発見がいろいろある。それがたぶんシャッターチャンスに結びつく。幅が広い、と考えていただいて。あと欲張らないこと。おうちにいっぱい家具があって『これ背景にしたらいい』と思うかもしれないけど」
大竹「はい」
岩合「シンプルな窓辺、カーテンのところなど、そういうところがネコの動きそのものをとらえることができるのでは、と。写真の原理はマイナスの原理ですから。余計なものを入れない、被写体をいかに立体的に見せるか、という。僕は光がいちばん大切だと思います」