打ち粉もつなぎも使わない富山の本格十割蕎麦【神通町 田村】全国各地の厳選蕎麦を常時6種揃える通好みの店
古くから穀物として利用され、日本各地で食べられてきた蕎麦。
材料となるソバの実も北海道や長野を中心に全国各地で栽培され、その土地の気候や風土によって異なる風味を楽しむ蕎麦好きも少なくありません。
そんな蕎麦好きにはたまらない本格派の専門店が、富山駅からほど近い富山市内にあります。
「神通町 田村」。
全国各地から厳選した石臼挽きの蕎麦粉を仕入れ、常時5つの産地と月替わりで1産地、計6種類の十割蕎麦を提供しています。
和テイストを重んじながらモダンで明るい店内は広々としていて、テーブル席とカウンター席を備え、ランチタイムに1人で訪れてもゆっくりくつろげます。
壁一面がガラス張りの個室は畳敷きの和室。
手入れがゆき届いた庭園を眺めながら、四季のうつろいと蕎麦を堪能できます。
全国各地から厳選された蕎麦を常に6種ラインナップ
取り揃える蕎麦粉は、地元の富山県産と国内最大産地の北海道産、そして、山形県産、福井県産、九州の鹿児島・熊本産の5種類。それに、月替わりで信州長野や群馬、島根の出雲など、月替わりの1種が加わります。
よほどの蕎麦通でないと迷ってしまいそうですが…
「これっていうのはなくて、人それぞれ好みは違うようです。自分の好きな蕎麦を見つけるのも楽しいですよ」と、店主の田村さん。
どの産地がおいしいとか一番人気といったことではなく、あくまでも自分の好みやその日の気分で楽しみながら選ぶのがよいようです。
ただし、県外から来た観光客は「せっかくなら富山産の蕎麦を食べて帰りたい」ということで、地元 富山市山田村産を選ぶ人も多いそう。
こちらが、富山市の山あいにある山田地域の蕎麦。
無農薬栽培のソバの実を石臼で挽いて、つなぎはおろか、打ち粉も使わない十割蕎麦です。
「蕎麦は18℃以上になると、品質が少しずつ劣化していくんですね。栽培農家の方が丹精込めて作ったおいしい蕎麦の香りや甘みを損なわないよう、挽き方や製麺、保存管理にはとことんこだわっています」(田村さん)
その香りと甘みを楽しむため、まずは何もつけずに食べるのがオススメです。
繊細でひんやりとした蕎麦を口に含むと、その瞬間にわっと蕎麦の香りが広がります。弾力があり、噛めば噛むほど、じんわりと甘みが広がっていきます。
そのままの味を十分に味わったら、次は「酵素塩」を振って味わいます。
粒の細かい塩をひと振りすると、蕎麦の甘みが際立ち、さっきまでとはまた違う印象に変わります。
もちろん蕎麦つゆで味わってもOKです。
昆布やカツオ、サバ、イワシなどで丁寧にとった出汁に、厳選した醤油をブレンドして作った蕎麦つゆは、少し甘みを感じるマイルドな味わいです。
「大事なのは蕎麦とのバランスですよね、蕎麦に負けてもいけないし、勝ってもいけないし」と、田村さん。
「最後は、山椒香味油を蕎麦つゆにちょっと入れて食べてみてください」(田村さん)
まろやかなつゆにピリっとした山椒の風味が加わり、味わいは一気に洋風テイストに。もり蕎麦1枚で何通りもの食べ方を楽しむことができました。
「蕎麦の風味を存分に味わってもらいたい」という想いから、1年を通して冷たいもり蕎麦のみの提供です。
天ぷらや生麩の田楽、そば団子の揚げ出し、そば茶のジェラートなど、サイドメニューも豊富で、何度も足を運んで楽しみたい蕎麦処です。
店舗情報
【神通町 田村】
住 所 富山県富山市神通町2-1-3
営 業 11:00~15:30(L.O.14:30)
電 話 076-432-1505
定休日 毎月10、11、20、21、30、31日
駐車場 あり
記事編集:nan-nan編集部