京都で世界のウイスキーを飲み比べーービギナーにも優しい『リカマンウイスキーメッセ』を徹底レポート
『リカマンウイスキーメッセin KYOTO』2024.9.29(SUN)みやこめっせ
関西最大級のウイスキーの試飲会『リカマンウイスキーメッセin KYOTO』が9月29日(日)に京都・みやこめっせ3階・第三展示場にて開催された。同イベントは全国に189店舗の酒専門小売りチェーンを展開するリカーマウンテンが主催。国内外より集まったウイスキー、スピリッツのインポーターや生産者による約180のブースが来場者を迎えた。
今年は、メイン会場を昨年の約3倍の広さに拡大し、第1部・第2部の完全入替制で約4,000人が来場。無料試飲をはじめ、希少なウイスキーの有料試飲、チャリティーオークション、ウイスキーセミナーなどさまざまなイベントを通じてウイスキーの奥深さや魅力を堪能した。
希少なジャパニーズウイスキーが当たる福袋も
この記事では、第2部(14:30~18:00)の様子をお届け! 会場へ到着すると、まず人の多さと熱気に圧倒される。8割が男性だが、女性や外国人の姿もちらほら。すでに、オープン前から各部先着順の福袋を買い求める人たちが長蛇の列をつくっていた。運が良ければ「山崎18年」「白州18年」「響21年」といった激レアウイスキーが当たる17,600円の福袋販売は毎年実施しているそうで、各部100セット限定。2本組でどの組み合わせもお値段以上のハズレなしとあって、毎回大好評を博している。
会場内では、レアモルトや国産ウイスキーを数量限定で販売するコーナーも。ウイスキーメッセ限定で、カスクストレングスでボトリングした「桜尾シングルカスクモルト」など力強く華やかな味わい堪能できるレアなボトルが勢ぞろい。ウイスキー通が注目する銘柄は、早々に完売するなど大盛況となっていた。
前売り券の購入者には、特典として、リカマンウイスキーメッセオリジナルのテイスティンググラス&ネックストラップが入口でプレゼントされる。チェイサーとしてペットボトルの水も一緒に渡してくれるので、適度に水を飲みながら試飲を楽しもう。試飲時に使えるグラスは首からかけられるので便利だが、落ちやすいので注意が必要。グラスは、持ち帰って自宅でも使うことができるので、きょうは「お気に入りのウイスキーを見つけるぞ!」と気合が入る。
バグパイプの演奏とともにイベントがスタート
会場には国内外のウイスキー、スピリッツ、リキュール、ブランデーの無料試飲、有料試飲のほかクラフトビールやフードブースもたくさん。180もあるブースをじっくり回っていたら、3時間半なんてあっという間にたってしまいそう。事前にMAPをチェックして、お目当てのブースを計画的にまわった方がよさそうだ。会場には、所々に立って飲める机が置いてあり、おつまみなどを置くことができるが、椅子はないので吞みすぎてフラつかないように。オークションなどが行われる正面のステージで、ウイスキー発祥の地といわれるスコットランドの民族楽器、バグパイプの演奏がはじまると第2部がスタート。軽快で力強い音色が気分を盛り上げてくれる。
『リカマンウイスキーメッセ』では、ウイスキーが持つ本来の風味や濃厚な香りを味わうために、原酒をストレートで試飲する場合が多く、ほとんどがアルコール度数40%を超える。普段、強いお酒を飲みなれていない人は、まずはクラフトビールの試飲(有料)やソーダ水や炭酸水で割ったハイボールなどからはじめるのがいいかも。
キリンビールのブースでは、香りの異なる複数の原酒をブレンドした薔薇のウイスキー「フォアローゼズ」をハイボールで飲み比べできるとのことで、1杯目はこれに決定! 2種を飲み比べできるのだが、日本限定発売フォアローゼズブラックは、個性溢れる原酒を厳選したスパイシーな味わいに感動。先入観を持たないために、あえてラベルを隠して試飲することで、より自分好みの味を知ることができるという提供方法も楽しい。キリっと冷えたハイボールなら飲みやすく、初心者でも抵抗なく試すことができた。
ウイスキーラバーたちの注目を集めていたのは、すべての原材料を新潟産にこだわる「新潟亀田蒸溜所」。2023年には、ウイスキーの世界的品評会『World Whiskies Awards 2024』で、出品7製品がすべて受賞した実力派だ。樽熟成した3年未満の原酒「NEW BORN」をふんだんに入れて焼き上げたという「ウイスキーカットバウムクーヘン」(500円)も美味しそう! 「ここでしか買えません」という言葉につられて、運転のためお酒が飲めないカメラマンはお土産に即買い!
フードは、お酒のおともにピッタリな乾き物のおつまみが主流。ジャーキーやナッツなどを約15種のカップおつまみが1個300円で販売されていて、4つ選ぶと1,000円で、持ち運びやすいトレイがつくので便利。蓋がついているので、食べきれないときは、そのまま持ち帰って自宅でも楽しめる。
ハンバーガーや焼き肉などのお腹を満たすガッツリ系もあり、中でも京都府向日市を拠点にハンバーガーを販売するキッチンカー「RUDE BURGER CLUB」は、大人気! 牛肉100%のパティを使った肉汁溢れるハンバーガーの中には、ウイスキーオークを使って燻したベーコンがトッピングされているものもあり、ウイスキーとの相性は抜群だ。
ウイスキーもいいが、ジンやウォッカなどのスピリッツも個性豊かだ。原料、樽すべてをオーガニックにこだわったシカゴの蒸溜所、KOVALのドライジンは、京都先斗町のバー「Alchemist」のバーテンダー、朴秀貢がスペシャルなカクテルに仕上げてくれる。「Alchemist」特製のリキュールとレモンジュースを加えたスッキリと爽快な味わいをプロの技とともに楽しんだ。
北海道・石狩平野の豊かな自然の中でウイスキーやブランデーをつくっている「馬追蒸溜所」も大人気。「初恋の味です」と紹介してくれた「MYAOI GIN」の最新ジンは、メインボタニカルの「きんもくせい」の花言葉、初恋に想いを馳せるようなノスタルジックな香りがたまらない。どこよりも早く新商品を味わえる機会とあって、ファンの注目を集めていた。
有料試飲やVIPエリアでじっくり楽しむ
憧れのウイスキーを有料で試すことができる有料試飲コーナーは、ウイスキーマニアの注目の的となっていた。「山崎18年」など一度は飲んでみたいジャパニーズ、スコッチシングルモルト、ウイスキーメッセ限定ボトルなど全38種を試飲することができる。全て1杯10mlで、価格は500円から2,500円の高額銘柄までさまざま。「山崎リミテッドエディション」など10ml×3を1,500円で飲み比べできる銘柄も好評だった。
VIP券を購入すると、椅子とテーブルが備えられたVIP専用ラウンジにて、ゆったりとウイスキーを楽しむこともできる。VIPラウンジでは、一般券で試飲できるウイスキーに加えて、「山崎25年」をはじめとする50種以上のプレミアムウイスキー、オールドボトルを試飲できる。チケット代は30,000円と高額ながら、至高の味わいを求める多くの愛好家で賑わっていた。
ステージイベントも盛りだくさん
ステージイベントの目玉企画として、「チャリティーオークション」も開催された。出展各社から協賛された入手困難な逸品や限定商品など全21セットの入札価格合計は1,998,000円! 売上金は後日「令和6年能登半島 豪雨災害支援」として全額寄付された。
さらに、リカマンYouTuberが出題するブラインドテイスティングなど来場者参加型のクイズコーナーでも大盛り上がり! ステージ上で2種を飲み比べして、熟成期間や価格を当てる全3問のクイズに30人が参加。全問正解すると有料試飲ブースで使える金券2000円分プレゼントされるとあって、みんな真剣そのものだ。2部の全問正解者は、10人もいたそうで、ウイスキーラバーたちの豊富な知識と確かな舌に驚かされる。
もうひとつの目玉がウイスキー業界の著名人4人を講師に迎えたウイスキーセミナーだ。キリンビール竹重元気ブレンダー、ニッカウヰスキー井関潤治ブレンダー室長、若鶴酒造稲垣貴彦代表取締役CEO、サントリー佐々木太一シニアスペシャリストがそれぞれ約1時間のスペシャルなセミナーを開講。ウイスキーメッセの入場券+各回3,000円、限定40席で販売されたチケットは、早々に完売したものもあり、人気の高さがうかがえる。最終回の佐々木シニアスペシャリストのセミナーでは、限定ウイスキーの試飲もあった。参加者は、イベント後半にもかかわらず、1時間で7種の原酒を余裕で飲み比べできるほどの酒豪揃い。山崎蒸溜所、白州蒸溜所の改修ポイントなど参加者しか知ることができない貴重な話に耳を傾けながら、美酒を堪能していた。
ネット販売のない蒸溜所の商品や全国展開していない銘柄など、ここでしか出会えないレアなウイスキーもたくさん。そんな一期一会を楽しみたい人は、とにかくブースの数が多いので、通し券を購入してじっくり楽しむのがオススメ!ビギナーには、やさしい飲み方を提案してくれるので、ウイスキー入門にもピッタリだ。会場も活気があり、お祭り気分で楽しめる『リカマンウイスキーメッセin KYOTO』。次回の開催を楽しみにしたい。
取材・文=岡田あさみ 撮影=高村直希