屋外広告で財源確保へ 条例後、小町通りが初導入
公共空間に屋外広告物を掲出し、地域組織のまちづくり活動の財源確保を図るエリアマネジメント広告が、小町通りの街路灯に2月13日から活用されている。エリアマネジメント広告を認める「鎌倉市屋外広告物条例」が2021年12月に制定されて以降、導入されたのは今回が初。鎌倉小町商店会では今後も、広告収入をまちづくりに生かしていきたい考えだ。
市内第1号となった小町通りのエリアマネジメント広告は、(株)NTTドコモが依頼。鎌倉小町商店会の加盟店で、同社が提供するスマートフォン決済「d払い」でお得に買い物ができるキャンペーンを周知するため、通りの街路灯にフラッグ28枚を期間中の2月13日から3月15日まで掲出する。
広告掲出にあたっては、昨秋から準備を進めてきた。ドコモと商店街によるキャンペーン企画に合わせ、エリアマネジメント広告の導入を決定。市役所へ屋外広告の申請を行うとともに、有識者や市民で構成する景観審議会へデザインを提出し承認を得た。
「商店街の未来を変える取り組み」
市や企業と調整しながらエリアマネジメント広告を実現した小町商店会の今雅史会長(76)は、「商店街の未来を変えていく取り組み」と語る。商店会にとって今回は実験的な取り組みのため、ドコモからはフラッグ設置と撤去費など経費のみを受け取り収益は発生しないが、今後掲出する企業広告による収益で街路灯や防犯カメラの維持費、観光防災などの活動に充てる方針。
観光客で賑わう小町通りだが、店舗の入れ替わりは激しく、商店会の会員も15年前の260から160店ほどに減少。加入率は6割程度で、商店会運営にも影響が及ぶ。「商店街は単に買い物をするだけでなく、地域住民にとっての道でもある」と今会長は言い、企業広告の収入で商店街活性と地域活性を目指す。