上越市の「くわどり湯ったり村」民営化へ 「うみてらす名立」運営会社が優先交渉者に
新潟県上越市は2024年11月30日までに、同市皆口の温泉施設「くわどり湯ったり村」の民営化となる無償譲渡・無償貸し付け先に、同市名立区の観光施設「うみてらす名立」を運営する「ゆめ企画名立」を優先交渉者としたことを公表した。公共施設の適正配置を進める同市は、公募型プロポーザルで民間事業者を募集していた。
《画像:上越市皆口のくわどり湯ったり村》
合併前の旧市町村が建設した日帰り・宿泊温浴施設は、利用者の減少や施設の老朽化に伴う維持管理経費が増加している。市は第3セクターや民間事業者が指定管理者となって運営している4施設(くわどり湯ったり村、柿崎マリンホテルハマナス、牧湯の里深山荘、板倉保養センターゑしんの里やすらぎ荘)について、民間事業者への無償譲渡や無償貸し付けによる民営化を検討していた。
プロポーザルは宿泊温浴施設の管理運営の経験があり、当初提案した内容で最低10年間運営することなどを条件に実施した。同市観光振興課によると、くわどり湯ったり村のプロポーザルにはゆめ企画名立のみが応募。学識経験者や専門家、地元選出者など5人の委員による選定委員会が審査し、同社が選定された。
ゆめ企画名立は観光再生事業を手がけるBJ(本社長野市)の子会社で、以前は上越市の第3セクター持ち株会社「Jーホールディングス」(2023年3月解散)傘下の事業会社だった。ホテルやプール、レストランなどがある大型観光施設のうみてらす名立を親会社のBJと共に指定管理で運営している。今後、市はゆめ企画名立と具体的な協議を進め、来年3月市議会にくわどり湯ったり村の譲渡・貸し付けの関連議案を提案する予定で、2025年度中の民営化を目指す。
くわどり湯ったり村は同市の第3セクター「リフレ上越山里振興」(2023年9月解散)が指定管理者として運営していたが、2022年にリフレ上越の雇用調整助成金などの不正受給が発覚。2023年6月からは「オーガニックリゾートホールディングス 」(本社長野市)が指定管理者として運営している。
《画像:柿崎マリンホテルハマナス(上)、ゑしんの里やすらぎ荘(左)牧湯の里深山荘(右)》
同じく公募型プロポーザルを実施した柿崎マリンホテルハマナス(柿崎区上下浜)は2社の応募があったが、いずれも審査で得点が要件を満たさず選定されず、牧湯の里深山荘(牧区宇津俣)とゑしんの里やすらぎ荘(板倉区久々野)は応募者がなかった。 市は3施設は指定管理による運営を続ける。
くわどり湯ったり村( https://kuwadori.jp/ )