Yahoo! JAPAN

義母「うちの子そっくり」にザラつく…。“孫フィーバー”の裏、無視され続けた嫁の叫び。私は透明人間じゃない!

コクハク

赤ちゃんに夢中(写真:iStock)

 私の友人サエ(32歳・銀行員)が第一子を出産したのは昨年の冬。待望の赤ちゃんが誕生し、夫婦で新しい生活を始めた矢先、彼女を悩ませる存在が現れた。それは姑だった。

姑の「うちの子そっくり!」にざらつく心

 姑は初孫に会えるのを心待ちにしており、出産直後から病院に顔を出した。最初は「本当に喜んでくれてるんだな」とサエも嬉しかったそうだ。ところが退院して自宅に戻ると、状況は一変する。

 姑は赤ん坊を見るなり「わぁ、うちの子そっくり!」「やっぱり血だね」と声を弾ませた。しかし“うちの子”とはサエの夫のこと。

 サエに「出産お疲れさま」や「体調大丈夫?」といった労いはなく、赤ちゃんを抱くことに夢中で、母親であるサエの存在は空気のように扱われた。

【読まれています】45歳、いつになれば楽になる? 自由に生きてるはずの私が、定食屋の秋刀魚で涙を滲ませた理由

過熱する孫フィーバー。育児の主導権まで奪われて

おばあちゃんがやってあげる(写真:iStock)

 ある日、姑が義実家に親戚を呼び赤ちゃんを披露したときのこと。

 親戚の一人が「サエちゃん、出産大変だったでしょ」と声をかけてくれた。サエは救われた気持ちになったが、姑がすかさず「でもうちの子(=息子)が頑張ったからね」と言い放った。

 会場の空気が凍りつき、サエは「私は透明人間なのか」と胸が締め付けられた。

 孫フィーバーは日に日にエスカレート。姑はアポなし訪問を繰り返し、赤ん坊を抱き上げては「私の血が流れてる」と繰り返した。

 授乳やオムツ替えをしようとすると「おばあちゃんがやってあげる」と手を出し、育児の主導権を奪おうとする。

 サエが「母親の私がやりたい」と言っても、「新米ママは休んでて」と笑いながら赤ちゃんを連れて行くのだった。

私が産んだのに…

批判ばかりで心が折れそう(写真:iStock)

 一番傷ついたのは姑の言葉だった。

「母乳足りてるの? 昔は完全母乳だったのよ」

「最近のママは便利グッズに頼りすぎ」

 口を開けば批判ばかり。まるで母親であることを否定されているようで、サエは追い詰められていった。

 夫に相談しても「母さん、悪気ないよ。孫が可愛いだけだから」と軽く流される。サエが「私が産んだのに無視されるのがつらい」と訴えても、「気にしすぎ」と片づけられた。

 味方でいてほしい夫に理解してもらえないことが、何より孤独だった。

姑の心無いふるまいは“お食い初め”でも

姑の仕切りで進んでいく(写真:iStock)

 決定的な出来事は、生後100日のお祝い“お食い初め”だった。姑は主催者のように仕切り、赤ちゃんを抱いた写真を撮るときも「うちの家系の宝物!」と声を張り上げた。

 サエが赤ちゃんを抱こうとすると、「ちょっと貸して、写真を撮るなら私が抱かないと」と取り上げられた。

 その瞬間、サエの心に張り詰めていた糸がぷつんと切れた。

「私は赤ちゃんを産んだ母親なのに、どうしてこんなに蚊帳の外なんだろう」

 帰宅後、彼女は私に電話で泣きながら訴えた。

「私が産んだのに、まるで存在しないみたい。透明人間みたいなんだよ」

夫婦での話し合いの結果

やっと母親として認められた(写真:iStock)

 サエは限界を感じ、勇気を振り絞って夫に本音をぶつけた。

「孫が可愛いのは分かる。でも私は母親なの。私を無視して孫にばかり構うお義母さんの態度、もう耐えられない」

 最初は戸惑っていた夫も、涙ながらに訴えるサエを見てようやく事態の深刻さを理解した。

 そして夫婦で話し合い、「育児の主導権はサエにある」「姑はサポート役に徹する」をルールとした。夫は姑に直接伝え、「母親を差し置いて孫を可愛がるのはやめてほしい」と釘を刺した。

 それから姑の行動は徐々に落ち着き、訪問も事前に連絡が入るようになった。

 サエは「ようやく母親として認められた気がする」と安堵の笑みを見せていた。

姑に求められるたった一つこと

嫁を尊重する姿勢を忘れずに(写真:iStock)

 孫フィーバーは一見微笑ましいが、行き過ぎれば母親の存在を奪う“嫁無視”に変わる。可愛い孫が生まれたときこそ、姑に求められるのは“母親である嫁を尊重する姿勢”だ。

「私が産んだのに透明人間みたい」ーーサエの言葉には、母親としての尊厳をないがしろにされた悲しみが詰まっていた。

 結婚は二人のこと。出産は夫婦のこと。だが現実には“三人目”として姑が入り込み、母親を追い詰める。

 サエの体験は、出産後の夫婦に必要なのは“姑との距離感”と“夫の覚悟”だと教えてくれる。

(おがわん/ライター)

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. オシャレな癒し空間「LepRium」で『UTSUWA-うつわ市-』が開催中です

    LOG OITA
  2. 【動画】大阪・関西万博、最終日にコブクロ登場 テーマソング「この地球の続きを」を熱唱

    OSAKA STYLE
  3. 【今週のアニメ『キングダム』の話題は?】第2話「激動の起こり」|「法家」李斯とは? 軍議に信、蒙恬、王賁が!?

    アニメイトタイムズ
  4. 心と体のリズムを整える! 生活習慣を変えるコツ5つとは【その、しんどさは「季節ブルー」】

    ラブすぽ
  5. サルーングループ「肉祭り2025」開催!タイムマシーン3号とコラボ、総量14トンのハンバーグプレゼント企画もあり

    にいがた経済新聞
  6. 【れんこんはこう食べると止まらない!】「食卓に出したら即消えた」「もう100回以上作ってます」やみつき必至の簡単おかずレシピ

    BuzzFeed Japan
  7. JUJU、全国31ヶ所・43公演のホールツアー『The Water』、10月10日ジュジュの日に、東京国際フォーラムでファイナル!

    WWSチャンネル
  8. 内村光良のコント番組『LIFE!』 マーベラーに捧げるコントライブを26年に開催

    SPICE
  9. 【鳥取市】鳥のカフェ|地元食材たっぷり!演劇鑑賞や城下町の散策と一緒に楽しめる、鹿野町のおしゃれスポット

    tory
  10. 【動画】J(LUNA SEA)、表参道ヒルズでフェンダーの魅力語る!LUNATIC FEST.2025(ルナフェス)への意気込みも…<FENDER EXPERIENCE 2025>

    WWSチャンネル