和菓子は城下町の記憶。姫路・二階町『杵屋』で練り切り作りを体験 姫路市
最近は涼しい日が続き、あったかいお茶が美味しい季節になりました。そんなお茶のおともにぴったりな和菓子を自分で作ってみたい――というわけで、姫路駅から徒歩約7分の場所にある、創業100年を超える老舗『杵屋』(姫路市)へ和菓子作り体験にやってきました!
地元で長く愛されてきた杵屋さんは、お茶の先生からのご注文も多く、伝統を大切にした練り切りが中心。この上生菓子には、姫路が城下町として育んできた“おもてなしの心”が込められているのだそうです。
「伝統的な上生菓子は、お茶の味を邪魔しないように、あくまで味はシンプルに作るんです」と、教えてくださる先生。その一方で、工夫を凝らした華やかな見た目には四季の移ろいや客人への想いが映し込まれ、お茶席では目を楽しませる役割を担うそうです。味わう人を想って作られた形と味なのだと知り、練り切りの奥深さを感じました。
そんな杵屋さんが大切にしているのは、「美味しいもので人を幸せにしたい」という思い。見た目とバラエティーに富んだ味、両方を楽しみたい方には、コーヒーや紅茶にもよく合う“朝生”の生菓子もおすすめです。
和菓子のメニューは季節にちなんだもので、練り切りも月替わり。ですが、色の調合や作り手によって日々少しずつ表情が違うのだそうです。「だから和菓子は一期一会」、とおっしゃる先生。
この日は鳥取県から来られていた方々が参加されていましたが、同じお菓子でも仕上がりは人それぞれ。個性が出るのが面白く、見比べながら「食べるのもったいないね」と皆さん口をそろえていました。
たしかに…自分で作ると、和菓子がぐっと身近に感じられ、誇らしさと愛しさが湧いてきます。
先生いわく、「体験を通じて和菓子やお茶という日本の文化のファンになってもらいたい」とのこと。お茶席が密室で行われる理由など、小ネタも交えて教えていただけるのが魅力。5歳くらいのお子さんからおじいちゃんおばあちゃんまで幅広く楽しめます。
二階町という土地自体が、かつてお城の一部だった歴史を持つ場所。老舗の和菓子作り体験だからこそ、そうした背景まで味わえるのだと実感しました。
練り切りを作って楽しむだけでも十分満足できますが、そのまま自分で作った上生菓子と一緒にお抹茶をいただくコースもあります。歴史を味わいながらお茶をすするひとときは、城下町の風情を感じることができて贅沢な時間になります♪
和菓子の美しさの裏にある歴史や思いやりに触れて、心まで温かくなる時間。姫路に住む私たちが大切にしたい文化が、ここにはありました。
場所
杵屋 二階町本店
(姫路市二階町95)
営業時間
月曜~日曜日
8:00~17:00
詳しくは店舗まで問い合わせください
定休日
不定休
公式オンラインショップ
https://www.kineya.net/
和菓子作り体験申込み
https://www.jalan.net/kankou/spt_guide000000217274/activity/l00003E993/