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「むちゃむちゃ」「行ってこようねー」“沖縄あるある”!?ヒロインの鬼頭明里&主人公・大塚剛央 ”沖縄でのリアル” 『沖ツラ』インタビュー

OKITIVE

今年1月から放送が開始され、県内外で大反響のアニメ『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』(略して「沖ツラ」)。沖縄独特のあるあるから細かなローカルネタまで詰め込まれた今作で、ヒロインの喜屋武飛夏(ひーなー)を演じる鬼頭明里さんと、主人公・中村照秋(てーるー)役の大塚剛央さんが舞台となる沖縄に降臨! 『沖ツラ』の魅力はもちろんのこと、うちなーぐちを話すキャラクターを演じる上で感じた大変さやアフレコ現場の様子、“沖縄のリアル”に感じたカルチャーギャップなど、たっぷりと話を聞いた。

鬼頭さんは初沖縄!早速“沖縄あるある”を体感

—おふたりはこれまでに沖縄を訪れたことはありますか? 鬼頭:初めてです。町並みや建物の形だったり、地形とかも面白いなと。来た時はすごく晴れてたんですけど、今日は曇っちゃってて。沖縄の天気が変わりやすいっていうのは作品の中でもあったので、その通りなんだなと(笑) 大塚:僕は高校2年生の時に修学旅行で来ました。15年前でだいぶ記憶が薄れていますが、美ら海水族館行ったり、シーサーの色塗り体験をしたと思います。修学旅行の時はすごく晴れていて、綺麗な海でボート乗った記憶など…所々鮮明な記憶はあります。 —出演が決まった時はどんな気持ちでしたか? 鬼頭:私はアニメ化する前のPVで声をあてさせていただいたんですけど、その時は「方言が難しいから(セリフ)を歌にして喋ってもらいます」という感じだったんです。それで「あ、歌なら(大丈夫)」と思ってPVに臨んだんですけど。アニメ化するにあたって、キャストが続投のままいかせてもらえると聞いた時は、嬉しかったんですけど、大丈夫かな、という気持ちはすごいありましたね。 —やはり大きな決断になりましたか。 鬼頭:そうですね。でもせっかく任せていただけたので、やりきりたい!と気合は入りましたね。 大塚:出演が決まった時、僕はサプライズのような知り方をしてしまって…(笑)オーディションに受かったことを知らないまま過ごしていて、アフレコの1〜2週間ぐらい前に香盤表を見たら「中村輝明:大塚剛央」と書いてありました。そこで受かったことを知りましたね(笑) —そんなことあるんですか?(笑) 大塚:あまりないです(笑)でも嬉しかったですね。オーディションを受けるにあたって原作も読み込みましたし、内容も面白いのですが、そもそも沖縄の魅力がすごい伝わってきて。なのでアフレコもどうなるのかな、という楽しみがすごくありました。

アフレコ現場は沖縄の空気感

—アフレコの現場はどんな雰囲気でしたか? 鬼頭:沖縄出身の方々がたくさんいらっしゃる現場で。私と(かーなー役の)ファイルーズあいちゃんと、大塚さん以外はほとんど沖縄出身の皆さんで固められてました。休憩時間中はもう「沖縄かな?」という感じでしたよね。 大塚:すごく面白かったです。1話のアフレコ終わった後、みんなで「よーし、やったやった!!」とすごい大拍手が起こって(笑)温かい現場ですね。あとは、「ガヤ録り」(街中や学校など、背景にいる人たちの話し声を環境音として収録すること)も本当に沖縄のような空気感で現場が進んでいました。 —現場ではうちなーぐちが飛び交う感じだったんですね。 大塚:そうですね。アフレコに臨むにあたって、沖縄に住んでるおばあちゃんとテレビ電話をしてから収録ブースに入った方もいて(笑) 鬼頭:休憩時間の会話も自然というか、うちなーぐちのイントネーションになってたりしてましたね、みんな。“地元に帰った感”みたいなものがありました。 —そんな中で沖縄のイントネーションがちょっとうつったりっていうのは…(笑) 鬼頭:うつるほどではなかったですけど、でも覚えたての言葉を言いたくなるみたいな感じで、『沖ツラ』のアフレコ現場では結構うちなーぐちを積極的に使ってみたりはしてましたね。

使いたいうちなーぐちは「むちゃむちゃ」(笑)

—使ってみたいうちなーぐちありますか? 大塚:うーん…「むちゃむちゃー」(笑)アニメや原作では、いわゆるベタベタしていたりとかそういった意味で使われていますが、「むちゃむちゃ」は「むちゃむちゃ」としてでしか表現できないという話を聞きました。じゃあ、それってどういうことなんだろう?と気になっています。単純にベタベタってこと?と聞くと「それ違うよ」と言われてしまうので、沖縄のむちゃむちゃを体感して「これか!」と感じてから、使ってみたいですね。 —ちょっと暑い時期の方がいいかもしれません。沖縄は湿気があるので、その感じに潮風が合わさって「むちゃむちゃ」が生まれるかもしれません。 大塚:なるほど。暑い時期にまた来たいですね。 鬼頭:アフレコ現場で流行っていたのが「トイレ行ってこようねー」(笑)行ってくるね、っていう意味なんだけど、東京の人たちは「一緒に行くってこと?」みたいな感じでついていっちゃう。 ファイちゃんと2人でやってましたね(笑) —ひーなー役の鬼頭さんは、ほぼずっとうちなーぐちで喋らないといけませんが、難しかったですか。 鬼頭:いやー、難しかったですね。ガイドで方言指導の方がセリフを喋ってくれた音源をいただいて、それを聞いて覚えて臨むんですけど。イントネーションを覚えていくんですが、 キャラクターとしての感情やお芝居をのせると、やっぱり音が変わっちゃう所もあったりして。その変わった音がOKなのかどうなのかという判断をしつつ、セリフの意味も考えつつ、という風に同時に色んなことを考えながらお芝居をしていたので、すごい頭を使いましたね。

アフレコチェックは普段の3倍…

—これまで鬼頭さんが演じてきたキャラクターとの大きな違いや共通点はありましたか? 鬼頭:大きな違いは、今何て言ってるか自分でも分かんなくなるところですかね(笑)今喋っているこのセリフは何て言ってるんだろう?っていうところまで考えて、お芝居しないといけなかったので。共通点は、性格的なことだけで言ったら普通の女の子というか、明るくてすごく天真爛漫な女の子なので、そこは感情的にはいつもお芝居してる時と変わらずっていう感じでしたね。 —役を演じて発話する際にはいわゆる“耳コピ”の能力も必要になると思いますが、鬼頭さんは歌手としても活躍されている経験が活かされた部分はありましたか? 鬼頭:そうですね。アフレコの時は流れで録るので、全編覚えていかなきゃいけなかったんですけど。確かにアーティスト活動とかで歌とかレコーディングする際に覚えていく作業がすごい身近にはあったので、絶対無理!とは思わなかったのはレコーディングとかの経験があったからなのかなっていうのもありました。でも完コピしていけばいいっていうものでもなくて。でも話数を重ねていくごとに、「この範囲内で感情をのせればいいのかな」という感覚は少しずつ掴めたと思います。 —やっぱり他のアニメと比べて難易度は高かったんですね。 鬼頭:そうですね。アフレコのチェックも普段の3倍ぐらいかかりましたね。私とファイちゃんは台本のセリフの横にイントネーションの上げ下げを矢印で(格闘ゲームの)コマンドみたいにめちゃくちゃ書き込んでいたので、必殺技みたいになってました(笑)

てーるーの「何て!?」は心からの声(笑)

—大塚さんは、ひーなーのゴリゴリのうちなーぐちを初めて聞いた時、どう感じましたか? 大塚: 僕には絶対無理だなと思いました(笑)鬼頭さんがおっしゃったように、これに気を配りながらお芝居をしなくてはいけないというのは、本当に大変だと思います。そもそもひーなーのようなうちなーぐちをネイティブで話す人はなかなかいないそうで。現場にも沖縄出身の方がたくさんいらっしゃって、ひーなーの言ってることは何となく分かるけど、でも「喋ってくれと言われたら無理」とおっしゃっていました。それを鬼頭さんは完璧に演じてくださって、僕はそれをてーるーとして受けて「何て!?」と言いますが、あれは心の底からの声です(笑)率直にすごいな、天才だなと思いながら、鬼頭さんのうちなーぐちを聞いていました。 —てーるーは、タイプの違う2人のうちなーんちゅヒロインに対して「受け」役としてストーリーを担う立ち位置にいると思います。コメディ的な掛け合いも含めて、演じる上で心がけていたことはありますか? 大塚:てーるーが沖縄の文化に触れ、それをひーなー・かーなーをはじめとした周りのキャラクターが解説してくれたり、時にはシーサーや、ナレーションが絡んだりします。その上でどのように前振りを作り、どのように落とすのかというのは気をつけていたところですし、ディレクションもしていただきながら作っていきました。コメディ色が強いので、どのように言ったら面白いかや、てーるーだったらこう言うだろうな、というのは自分なりにもあるんです。ですがコメディとして考えた時に、そこから外れた方が面白いのではないかなど、度々考えながら作っていきました。また、受けるリアクションがなるべく一辺倒にならないよう、何かしらの変化も意識しながら、演じていましたね。 —声優として地方の言葉に向き合うということは、それぞれのキャリアを踏まえてどのような体験になっていますか。 大塚:僕は関西弁でドラマCDを収録したことがあります。演じるからには指導の方についていただいて、その地方の言葉を大事にしたいですし、作品の中で意味のあることでもあると思うので、妥協せずに作っていかなくてはならないと思っています。大変ですが、この言葉に音を強く乗せたらいいのかななど試行錯誤しながら挑戦してみると、同じ感情のお芝居をしていても今までとは違った感覚になることもありました。今後どう生かせるかは分かりませんが、面白いな、勉強になるなと思いながら臨んでいました。 鬼頭:私は愛知出身なので、名古屋弁のお芝居はしたことはあったんですけど。まさか全然違う地方の方言を任せていただけるとは思ってなかったので、それはやっぱり声優ならではというか、この仕事してなかったら絶対うちなーぐちをこんなにガッツリ喋るなんてことはなかったろうなって思います。しかも沖縄出身じゃない私に任せていただけるっていうのは本当にありがたいことだなって思うし、すごく貴重な経験をさせてもらってるなって感じてますね。

『沖ツラ』出演して感じたカルチャーギャップ

—沖縄の役を演じるにあたって、大きなカルチャーギャップを感じたことはありましたか? 鬼頭:そうですね…沖縄の人は傘をささない(笑)私はちょっとの雨が降っただけでも傘をさしちゃう人なので。それもあってびっくりしました。 —アニメにも原作にもありましたけど、やっぱり風が強いので、めくれてしまったり、顔とか首の部分だけしか守れなかったりするんですよね。もちろん面倒くさい、というのもあります…。 大塚:確かに今日雨が降っていましたが、さしてない人が多かったです(笑) 鬼頭:いたね(笑)本当にささないんだ〜、って思いました。 大塚:僕は名前ですね。僕にとっては珍しい名前が沖縄では当たり前で、逆に東京では馴染みのある名字が珍しかったりもしますよね。「田中さんが珍しい」というのは作品でも触れられてますが、出演した沖縄のイベントで地元のお客さんがたくさんいたので、「大塚も珍しいんですか?」と聞いたら、皆さんすごい勢いで頷いていました(笑) —『沖ツラ』を楽しみにしている皆さんへメッセージをそれぞれお願いします。 大塚:沖縄への愛にあふれた作品ですし、現場もすごく楽しくて、合間の時間もずっと沖縄の話をして沖縄の空気を感じながら参加させていただきました。その声と音が詰め込まれた面白さが皆さんにも届いていると思います。肩の力を抜いてずっと楽しめるような、明るい気持ちになるような沖縄が醸し出している空気を感じられる作品ですので、それが沖縄に住んでいる方にも伝わっているんだなということを、今回沖縄に来て色々な方と話をしながら実感できました。原作をご存知の方は、これからどの話が組み込まれていくのかも楽しみにしながら待っていただきたいです。そして引き続き沖縄の皆さん全国の皆さんにこのアニメを楽しんでいただいて、たくさんの応援をいただけますと何よりもありがたいですし、嬉しく思います。 鬼頭:アニメが沖縄でもすごく盛り上がってくださってることを耳にして、嬉しい気持ちでいっぱいです。『沖ツラ』は本当に面白い作品で、沖縄をあまり知らなかった人たちにとってはすごく沖縄の勉強になるし、沖縄を知る機会になる作品になると思います。また、沖縄出身やゆかりのある方たちが見たら「あるある」「分かる分かる」という感じで、色んな方に楽しんでいただける素敵な作品になっているんじゃないかなと思います。アニメは、アフレコですごく賑やかに収録しているのが映像にものっているなって思いながら私も見させていただいてるんですけども。残りのお話もすごく面白かったり温かかったり、楽しい作品になってると思いますので、最後まで見ていただけたら嬉しいです。

沖縄県では前代未聞の沖縄県内民法全3局で「沖ツラ」のアニメが毎週日曜日お昼12時〜OTV(沖縄県内8ch)放送中です。こちらもご都合のあう方は、ぜひご覧ください!

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