宇都宮ライトレール西側延伸計画のまとめ! LRT利用者増による延伸計画の推進と 求められる更なる利便性の向上
栃木県宇都宮市の芳賀・宇都宮LRT(宇都宮ライトレール・)は、インフラとしての定着が進み、市民生活の利便性向上と街の発展が期待されています。利用者数・運輸収入ともに大幅増となる中、今後は駅西側への延伸整備が本格化します。
宇都宮ライトレールは、JR宇都宮駅東口停留場から芳賀・高根沢工業団地停留場まで約14.6キロを結ぶ国内初の新設LRTとして、2023年8月に開業しました。国内では75年ぶりとなる路面電車の新規開業で大きな注目を集めています。
JR宇都宮駅西側の延伸計画
今後は駅西側の延伸計画が本格化します。
JR宇都宮駅の東西を横断するルートとしては、新幹線高架下2階部分を経由し、東口停留場を地上に配置する案が選定されました。運行の安全性や柔軟性、駅周辺施設へのアクセス性を考慮したとしています。
これを受けて、新たにJR宇都宮駅東口停留場から県教育会館付近まで約5キロの延伸整備が進められます。
道路ネットワークの整備については、市街地の円滑な交通と効率的な都市活動を支えるため、都心環状線・内環状線・宇都宮環状線(外環状線)や主要な放射道路など、3環状12放射の整備が推進されています。都心部への通過交通についても、環状道路によるう回促進などで過度な自動車流入を抑制する方針です。
延伸ルートのうち、「Ⅰ区間」(宇都宮駅東口停留場~裁判所前)は片側1車線とし、全交差点に右折レーンを設置する方針です。
東武宇都宮駅付近では、バス路線の再編や交通手段の連携を視野に、LRTとバス、自動車を含む多様な交通手段が円滑に乗り継げる施設整備のあり方について検討が進められています。
特に同駅周辺は、中心市街地における重要な交通結節点です。停留場と東武宇都宮駅を結ぶ主要な乗り継ぎ動線となる東武馬車道通りでは、利用者にとって居心地の良い空間づくりを目指し、歩行環境や快適性の向上に取り組む方針です。
「Ⅱ・Ⅲ区間」(裁判所前~教育会館前)は片側2車線を維持し、全交差点に右折レーンを設置。内環状線以西では自転車道も整備するとしています。
JR宇都宮駅西口駅前広場の再編
JR宇都宮駅西口駅前広場に関しては、県都の玄関口にふさわしい全国に誇れる駅前空間の形成に向けて、周辺の民間街区と一体となりながら、人とライトライン、バスなどが共存した人中心のウォーカブルな駅前空間の整備に取り組むとしています。
新たな駅前の顔となる交流広場を駅前の中心に設置し、ライトライン・幹線バスと自動車・タクシーの交通動線を分離して乗り継ぎしやすい円滑な交通環境の確保を目指します。
西側延伸の事業費は約400億円と試算されており、2030年の開業を目指すとしています。
2023年8月26日に開業した宇都宮ライトレールは、2024年度の年間利用者数は前年度比88.5%増の512万2000人、旅客運輸収入は81.1%増の11億9200万円と大幅な伸びを示しました。累計利用者数は700万人に到達し、市民生活のインフラとして定着が進んでいます。
100年先も安心して便利に暮らせる街を目指して整備が進むLRT事業で、今後も街の発展と、市民生活のさらなる利便性向上に期待が高まります。今後も逐次進捗をお伝えしていきます。
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