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猫の『爪切り』をサボっちゃダメ!放置すると高まる3つのリスク 最低限の頻度は?

ねこちゃんホンポ

猫の爪切りを放置するリスク3つ

猫の爪切りは、猫と飼い主の双方が慣れていないとハードルが高く感じますが、必要不可欠なケアのひとつです。

定期的な爪切りを怠っていると、次のような問題が発生することがあります。

1.肉球への食い込み

人の爪は平面なので、指先へ向かって伸びますが、猫の爪は肉球に向かってぐるりと巻き込むように伸びていきます。そのため、長期間、爪切りをしていないと、伸びた爪はそのままどんどん肉球に食い込んでいきます。

猫自身も多少は違和感があるかもしれませんが、実際には「あまり痛がらないので気づかなかった」という飼い主さんも少なくありません。突然肉球から出血して、そこで初めて気付くということも多いのです。

本来、上手に爪とぎをできていれば刺さるほど長くはならないのですが、実は全ての爪を「均等に」「上手に」とぐというのは、猫にとっても難しいことなのです。関節炎が出やすいシニア期以降は、なおさら完璧な爪とぎが難しくなります。

2.炎症や感染症

尖った爪の先が完全に肉球に刺さると、自力では抜けなくなってしまいます。さらに、深く刺さってしまった場合には、動物病院で適切にカットしてもらう必要があります。

爪の刺さった傷口から菌が侵入すると、炎症を引き起こすおそれがあります。症状が悪化すると化膿して、お薬を使った治療が必要になることもあります。

また、伸びた爪が家具などに引っかかって爪の根元ごと取れてしまうこともあります。爪の中には血管と神経が伸びており、爪が取れて中身が露出してしまうと、出血や化膿の原因になってしまいます。

3.関節を傷める

爪が伸びすぎると、カーペットや布類に引っかかりやすくなり、通常の行動に支障をきたします。さらに、爪が伸びた手足をかばうために不自然な動きが続くと、手足の関節を傷める危険もあります。

特に、高齢の猫や活動量が少ない猫では、巻き爪が発生しやすいので注意が必要です。猫の気に入る形状の爪とぎが置いていない場合も、巻き爪のリスクがあります。

爪切りの頻度はどれくらい?

猫の爪切りの頻度は、猫の年齢や爪の伸びる速さなどによっても変わってきますが、基本は次のようになります。

✔子猫:10日~2週間ごとに1回
✔成猫:1〜 2ヵ月に1回
✔高齢猫:2週間〜1ヶ月ごとに1回

子猫の爪は細く尖っているので、何かに引っかけてケガをする危険があります。10日〜2週間に1度はチェックしてみて、尖っているところがあれば切るといった具合に、臨機応変な対応が必要です。

若い成猫の場合、しっかりと全ての爪を均等に爪とぎをしているようなら、古い爪は剥がれて巻き爪になることはあまり多くありません。しかし、丈夫で健康な爪は先が鋭く、子猫と同様に家具や物に引っかかりやすくなります。頻繁に切る必要はありませんが、安全のためにも1ヵ月に1回程度は切っておく方が良いでしょう。

一方、高齢猫は巻き爪になりやすい傾向があります。爪とぎをしていても十分な圧をかけて研げなかったり、爪自体の代謝も悪くなって古い爪がはがれにくくなったりするためです。子猫と同様に2週間ごとに、切っておくようにしましょう。

猫の爪切りをスムーズに行うコツ

爪切りを嫌がる猫は少なくありませんが、次のポイントをおさえて行うとスムーズに切れるかも知れません。

✔タイミングを見極める
✔少しずつ切る
✔爪切りに慣れさせる

猫がはっきり目覚めているときよりも、寝起きや遊び疲れたあとにまどろんでいるときの方が成功率は高くなります。一気に全部の爪を切ろうとしないで、チャンスを見て一日1〜2本ずつ数日かけて行うと猫への負担が減り、抵抗も少なくて済みます。尖っている先の方だけを、高頻度でこまめに切るという方法もあります。

また、少しずつでも慣れさせることも大切。爪切りとご褒美のおやつを交互に行い習慣化すれば、オトナの猫でも次第に慣れてきます。「少しずつ、回数を多く」するとうまくいくはずです。

まとめ

猫の爪切りは毎日のお世話とは違い、猫からは歓迎されないお世話です。しかし、その爪切りを怠ってしまうと、猫自身が痛い思いをしてしまう危険があるのです。

猫の爪が肉球の奥まで刺さってしまうと、もう爪切りだけで対処するのはむずかしくなるため、動物病院で処置してもらう必要が出てきます。化膿しないよう注射をしたり薬を飲ませたり、傷口や塗り薬を舐めないようにエリザベスカラーを付けたままで生活するのは、かわいそうですよね。

そうならないためにも、日頃からの爪切りはとても重要です。爪切りをする頻度には目安がありますが、猫の年齢や爪の状態によって伸び方は変わりますので、定期的にチェックするようにしましょう!


(獣医師監修:唐野智美)

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