Yahoo! JAPAN

MOSHIMO、10周年の始まりで見せたのは変わらぬ想いと未来への誓い

SPICE

MOSHIMO

MOSHIMO 10th Anniversary LIVE #01「依依恋恋」 2025.01.13(mon)harevutai

さぁパーティーを始めよう。2025年はMOSHIMOの結成10周年のアニバーサリーイヤーだ。バンドは喜怒哀楽にまみれた10年間を走り抜け、たくましく成長して今ここにいる。アニバーサリーの始まりを飾る1月13日のワンマンライブ、〈10th Anniversary LIVE #01「依依恋恋」〉の模様をレポートしよう。

「MOSHIMO 10th Anniversary LIVEへようこそ。楽しんでいきましょう!」

岩淵紗貴(Vo/Gt)

MOSHIMO

笑顔満面の岩淵紗貴がマイクをつかみ、気合満点の激しいバンドサウンドに乗って叫ぶ。挨拶代わりのオープニングセッションから1曲目「もっと」へ、メタルバンドか?と思うほどの音圧がいきなり凄い。背後の全面スクリーンに映る生ライブ映像の迫力が凄い。岩淵がギターを構えて「ヤダヤダ」「やなこった」へ、豪快ダンスロックと直球パンクソングを畳みかけてぶっとばす。マシーンか?と思うほどの高速ツービートで高島一航のドラムが突っ走る。

「独り暮らしなのに485Lの冷蔵庫買ってやりました!」

一瀬貴之(Gt/Cho)

今日の晴れ舞台を観るために上京した、岩淵ママの作り置きを期待してわざわざ買った冷蔵庫。「釣った魚にエサやれ」の演奏を途中で止めてまで言うことじゃないと思うが、ファン爆笑で盛り上がったので問題なし。ためこんだ洗濯も全部ママにやってもらったらしい。日常はポンコツだがライブではスーパーヒロイン。どっこいしょどっこいしょ!と、フロアを巻き込んでガンガン上げる、岩淵紗貴は今日も絶好調。

「あっという間に気づいたら10周年。聴いてくれるみんながいるからここまで来れたと思ってます」

MOSHIMO

今日はスタートの日ですーー。岩淵の力強い宣言からの「化かし愛のうた」は、満場一致のクラップを集めてダンサブルに。「浮気をするならバレずにやれよ」は、一瀬貴之のメタリックなギターリフで思い切りヘヴィに。「パッパラパー」ではバブルマシーンが大量のシャボン玉を吹きだし、ミラーボールがきらきら回る。タイポグラフィの演出で、スクリーンにでかでかと歌詞が出るからみんな歌える。♪パッパラ~のコーラスでファンの気持ちが一体化する。

ステージを右へ左へ、客席に突っ込みそうな勢いで飛ばす岩淵。岡田典之のスラップベースと一瀬のソロの掛け合いから一航の暴れ太鼓へ、メンバーの白熱ソロを交えた「バンドマン」が楽しい。♪ここまで来れたのはみんなのおかげ、マジありがとな、という即興の替え歌は偽らざる本音だろう。そして、ちょっぴり懐かしい「圧倒的少女漫画ストーリー」は、めんどくさい恋の歌が多いMOSHIMOの中でひときわ輝く乙女ちっくラブソング。漫画のフキダシを使ったタイポグラフィの演出が可愛い。10年間いろいろあったが、その都度の本気を詰め込んだ楽曲は古くならない。なんとなく、心がじんわりと熱くなる。

高島一航(Dr)

岡田典之(Ba/Cho)

岩淵はヤンキーにダル絡みされ、一航はヤンキーに道を避けられ、岡田はクルマで自損事故、一瀬は地味なリクルートスーツを着て一次会で帰ったという、それぞれの成人式の思い出話が楽しい。「MOSHIMOは10歳。20周年まで行きますか」「頑張ります!」と、一瀬と岩淵の掛け合いが熱い。11年目へ向けて踏み出す新曲「飴と鞭」は、TV東京アニメ「闇芝居」エンディングテーマ、MOSHIMO初のタイアップソングになった自信作だ。岡田の強烈なスラップ、一瀬のエモいギターソロ、ダークホラーな映像、見せ場たっぷりの3分半。繰り返し聴きたくなる、妖しい魅力をたたえた曲。

「報われない恋の歌、ふがいない日常の歌をたくさん歌ってきました。この先不安なこともいっぱいあるけど、MOSHIMOのライブに行くと元気が出るって言ってくれる子がたくさんいて、みんながいるから歌い続けていられます。みんなの人生の、心のピースの一つにMOSHIMOが埋まっていけるように、これからも歌っていきたいと思います」

岩淵紗貴(Vo/Gt)

10年間の思い出をしみじみと噛みしめるような、アカペラの歌い出しが胸に沁みる「誓いのキス、タバコの匂い」。圧倒的エモーショナルなロックバラードをしっかり支える岡田と一航。むせび泣く一瀬のギターソロ。そして現メンバーでのライブシーンやオフショットをスクリーンに映しながら、10年変わらぬ青い思いを歌い上げる「少年少女」。大人だけど子供のまま、それはMOSHIMOの本質を高らかに歌い上げるピュアなアンセム。

「みんなの聴きたい歌は聴けてますか。ラストスパート、ガンガンぶち上げていきたいと思います」

MOSHIMO

ラストは思いっきり、悔いを残さぬ全力疾走だ。「猫かぶる」「触らぬキミに祟りなし」「命短し恋せよ乙女」と、MOSHIMOが誇るキラーチューン三連発をノンストップでぶっ飛ばす。フロアは全員が諸手を挙げてのダンス天国。岡田と一瀬がお立ち台に飛び乗って身を乗り出し、岩淵が「てめーら、腹から声出せ!」と煽りまくる。♪命短し恋せよMOSHIMO、息の合ったコール&レスポンスもばっちり決まった。ラストはキャノン砲が炸裂、きらきら光る銀テープが宙高く舞い上がる。「ありがとう。この先も一緒に進もうぜ!」岩淵のテンションは最後までマックスのままだ。

MOSHIMO

「MOSHIMO 10th ANNIVERSARY LIVE「THE FINAL」、12月23日にZepp Shinjukuで開催決定しました!

アンコールでは嬉しいお知らせ。アニバーサリーを締めくくるビッグライブ決定に送られるあたたかい拍手と歓声。年末ぎりぎりまで突っ走る、2025年のMOSHIMOの本気は本物だ。熱烈アンコールに応えて「調子どう」から「電光石火ジェラシー」へ、♪ヨヨイノヨイ!の掛け声で勢いをつけ、岩淵がフロアに飛び込んでファンのど真ん中で歌ってる。優しく見守って一緒に歌う、MOSHIMOのファンはみんなジェントルだ。

「またいっぱいライブで会いましょう。音と言葉で繋がりましょう。MOSHIMOでした!」

両手を挙げて歓声の応えるメンバーの表情がすがすがしい。90分以上たっぷり演奏し終わっても、まだまだやり足りないように見える姿が頼もしい。10周年のアニバーサリーは始まった。あとは12月23日のZepp Shinjukuまで駆け抜けるだけだ。見失わないようについていこう。

取材・文=宮本英夫 撮影=Kawado

【関連記事】

おすすめの記事