せんみ凧、大空羽ばたく 玉川小6年生が凧揚げ
玉川小学校を今年度卒業する6年生22人が2月10日、地域に伝わる「せんみ凧」を使った凧揚げ大会を行った。
同校では2006年度から、6年生が卒業制作としてせんみ凧を作る伝統がある。地元の「玉川せんみ凧保存会」が協力し、昨年10月から全10回の授業で歴史の学習や制作に取り組んできた。材料に使う竹も、同校そばの竹林から児童自ら切り出したという。
セミの形をしたせんみ凧は、長さ約33cm、幅約78cm。羽を赤、胴体を黄色、ピンク、紫、黒で塗り分けるなど細かい決まりがある。明治30年代に伊勢原市の住職が考案したもので、昭和5年に弟子の娘が七沢に嫁いだことから同地区でも広まった。同30年ごろまでは、5月の節句に男児の成長を願い揚げられていたという。
児童は、保存会会員や保護者、地域の関係者らに見守られながら凧揚げに挑戦。凧がクルクルと回転したり地面を引きずったりと悪戦苦闘する姿も見られる中、うまく風をとらえて大空に舞い上がると大きな歓声が上がった。
参加した児童は「竹を糸で結ぶ作業が難しかったけれど、うまく飛んで良かった」「凧揚げは楽しかった。家に飾りたい」と笑顔。保存会の前場政行会長は「玉川の伝統ある文化や歴史を受け継ぎながら成長していってほしい」と話した。