津久井湖GC 敷地内にヘリポート整備 「災害時の救助拠点に」
津久井湖ゴルフ倶楽部(津久井湖観光株式会社/田原憲和代表取締役/三ケ木)は、昨年12月から東京電力パワーグリッド株式会社におけるヘリポート整備について、敷地提供という形で協力を進めている。ゆくゆくは大規模災害が起きた際に、復旧・救助活動の拠点としての利用を見越しており、整備責任者で津久井湖観光の大貫利晃施設部次長は「大規模災害が起きた時の救助拠点に活用できるようになれば」と話す。
今回のヘリポートの整備は、東京電力パワーグリッド株式会社からの依頼がきっかけ。東電は特別高圧線の保守・点検を行うヘリコプター用のヘリポートを各地に有しているが、使用できなくなったヘリポートの代替地を探していたという。
ヘリポートの整備の話は2023年の春にあり、「当ゴルフ倶楽部としては、地域に貢献できるならと申し入れを快諾した」と大貫次長。さらに、「大規模災害の際には拠点となり、救助用のヘリコプターが発着したり、ドクターヘリなどにも活用できれば、より地域の方の安全安心に貢献できるのでは」と考える。将来的には行政との災害時の相互協力協定なども視野に入れて整備を進めている。
ヘリポートの広さは30×40メートルで、中型機2台が停められるほどのスペース。着陸帯は20×20メートルとなる。国道413号に面した入場口からすぐの場所で、これまで従業員の駐車場として利用していた土地を充てた。工事は現在進行中で、3月下旬の使用開始を目指す。当面は東電の保守・点検用のヘリコプターの発着のみの使用となる。
地域の理解に感謝
着工前には、周辺にある27の自治会に回覧などで整備の説明を行った。大貫次長は「月に2回ほどの使用で夜間飛行はしないとはいえ、どのような声が寄せられるのか心配したが、『災害の際には安心が増すから早く整備してほしい』などの声をいただき、地域の方の理解に大変感謝している」と話す。
19年に発生した東日本台風では、中山間地域の被害が大きく、がけ崩れや断水、停電などが起きた。地理的に見ると、特に同倶楽部の西側で甚大な被害が出ており、「ヘリポートが整備されることで、中山間地域の入口に救助拠点を置くようなイメージになり、救助や復旧活動に大いに役立てると思う」という。さらに、「国道に面していて広大な敷地がある。ゴルフ場なので、トイレや浴場、レストランがあり、救援する人の受け入れも可能」と続ける。同倶楽部は市の広域避難場所にもなっている。
これまで同社では、地域貢献の理念のもと、ゴルフ場に沿う細い市道を「緊急車両が来てもすれ違えるように」と、ゴルフ場の敷地を改修し車両の待機エリアを整備したり、隣接する津久井中央小学校の児童を招き、スナッグゴルフ体験会を開くなど地域貢献に力を入れている。
大貫次長は「地域の方をはじめ、さまざまな企業の方などにご協力いただいて進んでおり、非常にありがたく思っている。今年、当倶楽部はちょうど60周年を迎えるタイミングでもあり、日ごろからお世話になっている地域により貢献できればと考えている。今回のヘリポートの整備が、地域の安全安心のためになればうれしい」と話す。