『いとをかし』なケーキにお菓子に焼き芋 防府市「わがまますいーつ をかしぃもん」
防府市台道の国道2号線沿いから少し小道を入ったところに、気になる佇まいのお店があります。
鮮やかな赤に白いリボンのようなデザインをあしらった暖簾と旗がひときわ目立つ古民家のお店。
今年4月にオープンした「わがまますいーつ をかしぃもん」さんをご紹介します!
国道2号線から見えるお店は?
私が、「わがまますいーつ をかしぃもん」さんに気が付いたのは、今年の春の大型連休のあたり。国道2号線沿いを走っていると、こんなお店らしき建物あったかな?と思っていました。
何かのお店かなと気になっていたら、しばらくするとスイーツ店だと判明。しかも、よーく見ると、お店の出入り口にこんな看板もありました。
今年4月25日にオープンした「をかしぃもん」は、洋菓子を中心に販売しているスイーツのお店です。
ちなみに、暖簾などにあしらわれているのは、店名の「をかしぃもん」の「を」をデザインとして取り入れているそうです。
古い納屋を改修した店内は、奥行きのあるとても広々とした空間です。
お店のカウンターには、ショーケースが。美味しそうなスイーツたちがたくさん並んでいましたよ!
人気商品をご紹介!
さて、ここからは人気のスイーツをご紹介します!
写真奥側の左から、ミニシフォン、をかほたさんコーヒーゼリー、プリン、アンミカ
写真手前の左から、ベイクドチーズケーキ、チョコバナナ、シャインマスカットケーキ(季節限定)
なかでも、一番人気がこちら。
・チョコバナナ 450円
名前の通り、チョコレートケーキにバナナを挟んだショートケーキです。間違いないテッパンの組み合わせですが、ケーキ屋さんでは意外とあるようで見かけない組み合わせのケーキですよね。
実は、このケーキはパティシエさんが、約20年間、お子さんの誕生日などで作ってきたお祝いケーキを商品化したものなんだそうです。
チョコレートとバナナの甘さが程よく、また食べたくなる優しい味わいでしたよ。
続いては、小ぶりでたくさん食べちゃいそうな、こちら。
・ミニシフォン 250円
キャンドルのようなコロンとした形がかわいらしいミニシフォン。こちらは、中にカスタードクリームと生クリームを合わせたディプロマットクリームが入っています。
カスタードも生クリームも両方味わいたい!という方にピッタリのシフォンです。小さいながらも、シフォン生地がややしっかりしているので食べ応えもありましたよ。
また、地元・台道にあるお店とコラボしたスイーツもありました!
・をかほたさんコーヒーゼリー 450円
コーヒーゼリーの上には、あんこにさつまいも、生クリームやカスタードクリーム、芋けんぴがトッピングされています。
こちらのあんこは、同じ台道地区に店を構える「御菓子処三協(さんきょう)製菓(せいか)」の手づくりのあん。そして、コーヒーゼリーは、同じく台道にある自家焙煎のコーヒー豆を販売する「ほたみ珈琲」さんのコーヒーを使用しています。そこに、「をかしぃもん」のクリーム類とさつまいもなどを組み合わせた一品。「をかしぃもん」と「ほたみ珈琲」、「三協製菓」の頭文字をとって「をかほたさんコーヒーゼリー」という商品名なんです。
ほろ苦いコーヒーゼリーと一緒にあんこやクリーム類、さつまいもをいただくと、いろんな味わいが楽しめて美味しい!ちょっと大人向けのスイーツでした。それぞれのお店の魅力がたくさん詰まったコーヒーゼリーは、ぜひ味わってみて欲しいスイーツです!
「をかしぃもん」のネーミングセンスにも注目してもらいたいのが、こちら。
・アンミカ 400円
その商品名に思わず笑ってしまうお客さんが多い「アンミカ」。誰もが、あの芸能人の方を想像されるかと思いますが(笑)、実は、杏仁豆腐の上にミカンをトッピングした「杏仁ミカン」を省略した商品名なんです♪
名前はインパクトありますが、杏仁豆腐のミルキーな甘みとミカンの酸味ですっきりとした味わい。幅広い年齢層から愛されるスイーツでしたよ。
この他にも、しっとり濃厚なベイクドチーズケーキ(430円)や、少しねっとりとした食感がたまらないプリン(200円)なども人気です。旬のフルーツを使用したスイーツも販売されていて、取材時には、シャインマスカットのショートケーキ(550円)が販売されていましたが、そろそろシャインマスカットの仕入れが終わりそうとのこと。また新たな旬の食材を生かしたスイーツが登場したり、パティシエさんの気まぐれスイーツの登場もあるとのこと。ぜひ、お店でチェックしてみてくださいね。
「をかしぃもん」のルーツは・・・、焼き芋!?
そして、美味しいスイーツが並ぶショーケースの隣には、「をかしぃもん」イチ押しの、あるおやつがあります。
・焼き芋(温・冷) 10gにつき19円
そう、焼きいもも人気なんです!
そもそも、「をかしぃもん」を経営しているのは、店舗隣にある有限会社フジイ工業という建設会社。同社の藤井幸造社長が元々さつまいもが好きで、地域のこども会やイベントなどで手づくりの焼き芋を振るまうことが多かったことから、いつか焼き芋のお店をやってみたいと思っていたそう。
昨年、以前から知り合いだった現店長でパティシエの神尾史江さんと再会したことから、スイーツ店を始めることになりました。
藤井社長は手づくりの「焼き芋製造機」で、毎朝、さつまいもを焼き上げます。
焦げないように、しっとり焼き上がるよう、温度などに気を付けながら3時間かけて焼くそう。
焼き上がったさつまいもには、蜜が染み出ていましたよ。さつまいもは、何種類か試した結果、温かくても冷めても美味しく食べられることから紅はるかを使用しています。
店内では、温かい焼き芋と冷やし焼き芋の両方を販売しています。
温かい焼き芋は、甘みが強く、しっとりねっとりとした食感。時間をかけて焼いているからか、ひと口ひと口に旨みも甘みも凝縮されているように感じます。
そして、冷やし芋は、こんな楽しみ方もあります!
・ソフトクリーム 焼き芋トッピング 380円
「をかしぃもん」では、ソフトクリーム(280円)も販売しています。濃厚なバニラソフトクリームに、冷やし芋をトッピングしたものも大人気!熱々の焼き芋も美味しいですが、冷やし芋は、よりしっとりねっとりしていて、皮も少し硬くなり、食感が全く異なります!甘みもぐっと増しているような・・・。
その冷やし芋にソフトクリームをディップしていただくという何とも贅沢な食べ方は、ぜひ一度、試してもらいたい楽しみ方です!
もちろん、冷やし芋のみでも販売していますので、こちらもじっくり味わってみてくださいね。
そして、11月頃からは、店舗の裏で育てたさつまいもも焼き芋として味わうことができそうです。お楽しみに!
この他に、おいもを使ったこちらも大人気です!
・さつまいものおこわ(かくれごまみそ、黒ごまもぶれ) 150円
お昼過ぎには売り切れてしまう日もあるというおこわも大人気!中にごまみそが入ったものと表面に黒ゴマをたっぷりまぶしたものの2種類があります。パティシエの神尾さんは、なんと給食調理員をされていたこともあり、その経験を生かしてさつまいもたっぷりのおこわも手づくりしています。
ごまみそは、台道にある光浦醸造さんの麦みそを使用。さつまいもとごまみそのあまじょっぱさがクセになります。
黒ごままぶれは、さつまいものホクホク感に加えて、もちもちのおこわと黒ゴマのプチプチ食感が楽しい!自然な甘みにほっこりしました。
どちらもおにぎりにしてくれているので、手軽に食べられるのが嬉しい!好きなおこわ3個+お茶のペットボトル1本で500円で販売しているお得なセットもあるので、お昼ごはんにもオススメですよ。
ちなみに、店舗の隣には、休憩スペースもあります。
こちらで、ソフトクリームやお菓子などをいただくこともできます。ぜひ、ご利用くださいね。
手に取りやすい美味しいものを
スイーツに焼き芋、おこわなど、バラエティ豊かなをかしぃもんの美味しいものたち。そのほとんどを作っているのが、パティシエの神尾史江さんです。
神尾さんは、専門学校卒業後、パティシエとして働いていましたが、結婚後は愛媛へと移住。約20年間、家族や身近な人たちに愛情たっぷりのお菓子を作ってきました。しかし、昨年、家族とともに故郷へUターンし、再びパティシエとして美味しいものを提供したいと腕を振るっています。
スイーツ店を始めるにあたり、他店と同じようなお菓子を作るのではなく、オリジナリティある商品開発に力を入れました。
それが、こちらのお菓子たち。
・推幸(おしあわ)せチョコ(いちご、抹茶、キャラメル) 各200円
各フレーバーのチョコレートに砕いたクッキーやビスケットを混ぜ、色とりどりの最中で挟んだお菓子で、ザクザク食感のチョコレートが楽しめます。こちらは、子どもたちが大好きな駄菓子をヒントに開発したそうです。
さらには、ここ数年盛り上がっている「推し活」と「押しカラー」からも着想を得て、色とりどりの最中を使用し、「推幸せチョコ」と名付けています。
・おつまみフロランタン 120円
こちらは、芋けんぴ✕白ごまと黒ごま、柿の種✕かぼちゃの種、バナナチップス✕ひまわりの種といった3種類を販売しています。
最中のサクサクとそれぞれの具材の食感が面白いお菓子でした。
・焼き菓子類 180~250円
プレーン味をはじめ、夏みかんや抹茶味のカップケーキも販売しています。
写真は、人気の「ガトーショコラ」と「をかしなあんちょこ」。あんちょこは、もちろん三協製菓のあんこを使用していますよ。カップケーキは、贈り物にも人気だということです。
店名の「をかしぃもん」は、古語で「大変素晴らしい」などの誉め言葉を意味する『いとをかし』にちなんで名付けたそう。美味しい「おかし」を作りたい、食べてもらいたいという神尾さんの想いが込められています。ちなみに、密かにさつまいもの「ぃも」も名前の中に入っているんですよ。クスっと笑える商品のネーミングも神尾さんによるものだそうです。
どこか親しみやすく、背伸びをせずにふと食べたくなるような味わいの「をかしぃもん」のお菓子たち。日常的に手に取りやすいお菓子たちがたくさん並んでいます。
ぜひ、美味しいお菓子とさつまいもを味わってみてくださいね。