洗練された和菓子がそろう『西村清月堂』で三田の老舗謹製「俵もなか」と「いちご大福」を賞味 三田市
いちごの季節がやってくると食べたくなる「いちご大福」。創業100年の和菓子舗が、甘みと酸味のバランスをどう表現するのか知りたくて『西村清月堂 三輪本店』(三田市)へ取材に行ってきました。
三田駅から15分、市役所を左手にJR宝塚線の線路沿いを歩いていくとお店が見えます。
ショーケースの中にはたくさんの和菓子が並び、変わらず長く愛されている定番商品も多数あります。
地元では誰もが知っている三田銘菓「俵もなか」は70年続いているベストセラー。
昔から米作りが盛んな三田の“こめだわら”をモチーフに、お米の代わりにあんこの詰まったオリジナルもなかです。
しっとりとあんこを包む薄皮のもなかには”三田米”の文字が。「粒あん」のほかにも「抹茶あん」、胡桃入りでアクセントが楽しめる「チョコレートあん」など3種類。
北海道十勝産小豆で作る自家製あんは無添加製造。シンプルだからこそ、素材の風味や作り手のこだわりが感じられ、贈りものにも喜ばれるスタンダードな和菓子です。
苺が主張する可愛らしい「いちご大福」は老舗ならではの上品さを感じる逸品。
大きな苺の甘酸っぱさが口の中に飛び込んで来たかと思うと、生地にこっそり仕込まれた白あんの柔らかな甘みが広がります。とにかく水にこだわって育てたという「福助ファーム」(三田市)の”美水いちご”と大福が絡み合う、しっとりジューシーな味わいに魅了されます。
毎年2月ごろに発売される「草餅」は、心待ちにしているお客さんも多いとか。国産よもぎを練り込んだ餅生地で自家製あんを包んだ草餅は、滑らかなこし餡とよもぎの香ばしさが相まって、季節の訪れを感じます。
桜色の生地で桜あんを包んだ「上用饅頭」。ほんのりと桜の香りが漂い、塩漬けの花びらがなんとも雰囲気を誘います。サクサク生地に白生あんを包んだ「さくらパイ」もお勧めですよ。
日本の美しい四季を表現している和菓子。主に茶の湯に使われる上生菓子は、その繊細なフォルムも魅力のひとつです。
取材時は、桃の節句に合わせた「お雛飾り」や雛壇に飾られる「右近の桜・左近の橘」をモチーフにした作品が並んでいました。
「水仙」や「寒牡丹」など季節の花モチーフも。手間のかかった美しいものは、眺めているだけで心が清らかになります。
先代は工芸細工の第一人者で、過去にはテレビ番組「芸能人格付チェック」で本物そっくりの”松”を披露されたこともある熟練技の持ち主。先代の元で当代も腕を磨いておられるそうです。
現在は4代目が跡を継ぐ『西村清月堂』。時代のニーズに合わせて様々に変化を加えていて、最近では若い人の来店も多いとか。商品は他にも三田駅前キッピーモール店で購入することができます。
場所
西村清月堂 三輪本店
(三田市三輪2-7-1)
営業時間
9:00~17:00
定休日
火曜日
駐車場
あり(無料)7台
備考
西村清月堂 キッピーモール店
(三田市駅前町2-1 キッピーモール1階)