150キロ左腕の進化論/千葉ロッテマリーンズ育成3年目・吉川悠斗が描く未来【ラブすぽ独占インタビュー】
「真っすぐ」と「チェンジアップ」
その2球種に自信あり!!
千葉ロッテマリーンズの背番号127、吉川悠斗が覚醒の兆しを見せている。
育成入団2年目の昨季はファームで16試合に登板し、防御率3.38。着実な成長を遂げると、今季は主に先発として起用され、キレのあるストレートで三振を量産している。高卒3年目の今季、「支配下登録」入りと将来のエースを目指す20歳の左腕に、プロでの現在地、将来像、活躍著しい同世代への思いを存分に語ってもらった。
「真っすぐの質」にこだわる若き左腕の現在
――まずは自己紹介がてら、吉川投手の持ち球を教えてもらえますか?
吉川 今は真っすぐとスライダー、チェンジアップです。
――真っすぐの最速は?
吉川 この前、初めて150キロが出ました。
――一番自信のある球種は?
吉川 真っすぐと、あとはチェンジアップが自分に合っていると思うので、その2球種には自信があります。
――ピッチングの中で、特に「こだわり」を持っている部分は?
吉川 真っすぐの質と精度をどれだけ高められるかにはすごくこだわっています。ピッチングだけでなく、キャッチボールの段階から意識しています。
――「真っすぐの質」とは、具体的にどういう部分?
吉川 力感なく速いボールを投げるのが理想です。140キロくらいの感覚で145〜150キロを投げることを目指しています。
――バッターからすると、「思ったより差し込まれる」ようなイメージ?
吉川 そうですね。そういうボールが投げられれば理想です。
――今年でプロ3年目。現時点で「一番成長したな」と感じる部分は?
吉川 真っすぐの強さは間違いなく変わってきていると感じています。以前はコントロールにバラつきがありましたが、今はある程度狙ったところに投げられるようになってきて、ピッチングとして形になってきていると思います。
――球速自体も、プロ入り後に伸びていますよね?
吉川 高校時代の最速は143キロだったので、7キロほど伸びています。
――逆にプロに入ってから、そのレベルの高さを感じた瞬間は?
吉川 シンプルに「なかなか空振りが取れない」と感じます。高校時代は言い方は悪いですけど、適当に投げても空振りしてくれることがあったんです。でも、プロでは際どいボールには手を出してくれないし、置きにいくとしっかり打たれる。一球一球に神経を研ぎ澄ませて投げないと打ち取れません。
――少しでも気を緩めたら、簡単に打たれる感覚?
吉川 そうですね。この前も簡単にホームランを打たれたんですけど……。そういうシーンは普通にあるなと。
憧れの西川龍馬選手、因縁の黒川史陽選手
との対戦を目指して…
――支配下登録、一軍デビューを目指している吉川投手ですが、一軍で対戦してみたい選手はいますか?
吉川 プロ入りからずっと対戦したいと思っているのが、オリックスの西川龍馬選手です。あと、楽天の黒川史陽選手も個人的に対戦したい相手です。
――西川選手と対戦したい理由は?
吉川 小学校6年生くらいのときに(西川選手が当時所属の)カープがリーグ3連覇していて、そこでメチャクチャ打っていたのが印象に残っています。僕も左打ちなので、当時はバッティングを真似したこともあって、「いつか対戦したい」と思っています。
――黒川選手とは?
吉川 ファームでメチャクチャ打たれているんです。記憶は曖昧ですが、10打席くらいやって1回抑えたかな、って……。なので、一軍の舞台でぜひリベンジしたいです。
――昨年オフにはオーストラリアのウインターリーグに参加。何か得たものはありましたか?
吉川 現地のピッチングコーチからフォームのアドバイスをもらい、根本から修正してみたんです。去年と比べてかなり変わっていると思いますが、自分の中では「ハマった」感覚があります。
――今季はファームで先発機会が増えています。「先発」という役割にやりがいやこだわりは?
吉川 高校時代もずっと先発をやってきましたし、プロでもできるなら先発をやりたいです。ただ、そのためには一軍のローテーションに入るにはどうすればいいのかも考えなければいけません。今はファームですが、常にそこは意識しています。
――一軍の先発ローテというと、ドラフト同期の田中晴也投手(ロッテ)も結果を残していますね。
吉川 意識してしまう部分はありますが、できるだけ意識しないようにして、自分のやるべきことに集中したいと思っています。
――今季、さらに将来的に、プロの舞台でどんな投手になりたいか、ビジョンを教えてください。
吉川 もちろん、チームのエースや日本代表という未来が理想ですが、まだまだ力不足なので、まずは一軍でしっかり投げること。それを少しずつ積み重ねたいです。今季中に支配下登録されることが目標ですが、叶わなくても来季の契約時やシーズン開幕前など、少しでも早く支配下登録されることを目指しています。
――一軍を目指すうえで、参考にしている、目標にしている投手はいますか?
吉川 小島(和哉/ロッテ)さんがファームに来たときにいろいろ話を聞かせてもらいました。一つ聞けば二つ三つ返してくれるし、ピッチングへの意識の高さに「こういう人が一軍で活躍できるんだ」と実感しました。また、チームは違いますが、日本ハムの加藤(貴之)さんも同じ左投手で、コーチから「参考にしてみれば」と言われたこともあり、意識して見るようにしています。
――ありがとうございます!最後に、読者のみなさんへ自己アピールとメッセージをお願いします。
吉川 千葉ロッテマリーンズの吉川悠斗です。まずは支配下登録を目指し、マリンスタジアムや一軍のマウンドで投げられるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします!
収録:2025年6月25日
インタビュー及び記事執筆:花田雪
協力:千葉ロッテマリーンズ