「自分が死んでいくような感覚もある」ボート競技の“狂熱”描く『ノーヴィス』 Z・スナイダー絶賛の貴重トーク解禁
話題沸騰『ノーヴィス』貴重“鼎談”映像解禁
ローイング(ボート競技)の世界に魅入られたある女性の、情熱という名の狂気を纏った激浪の物語『ノーヴィス』が、11月1日(金)より全国順次公開中。
このたび本作の主演イザベル・ファーマン、監督のローレン・ハダウェイ、そして<DCエクステンデッド・ユニバース>の立役者であるザック・スナイダーによる貴重な鼎談の様子を捉えた特別映像が解禁となった。
映画に携わる職業を目指している人はもちろん、様々な作品に関わってきたハダウェイ監督の映画観、キャストとの関わり方や俳優自身の目線で語られるエピソードなど非常に興味深いトークが繰り広げられる、いち映画ファンも必見の映像だ。
ボート競技にのめり込んでいくスポ根を超えた狂熱のドラマ
「ノーヴィス/novice」とは、新入り、初心者のこと。スポーツ分野においては競技者の分類として使われ、一定のランクに達していない初心者のことを指す――。
映画『ノーヴィス』は、大学のボート部に入部した主人公アレックスが「困難だからこそ、挑戦するのだ」というJ.F.ケネディの言葉を胸に、己の限界に打ち勝ちたいという一心で過酷なトレーニングに身を投じていく物語。デイミアン・チャゼルの『セッション』、クエンティン・タランティーノの『ヘイトフル・エイト』、ザック・スナイダーの『ジャスティス・リーグ』、ギレルモ・デル・トロの『パシフィック・リム』など錚々たるハリウッドメジャー作の音響で活躍してきたローレン・ハダウェイによる、満を持しての初監督作だ。
大学時代にローイング(ボート競技)に自ら没頭した体験を基に作り上げられ、ハダウェイ自身が脚本と編集も担当した本作で主演を務めるのは、『エスター』シリーズ(2009年/2022年)で知られるイザベル・ファーマン。激しいトレーニングに取り組み過酷な撮影にも耐えられる精神と肉体を手に入れたファーマンの迫真の演技は、<第20回トライベッカ国際映画祭>主演女優賞という形で評価され、本作は同映画祭で作品賞と撮影賞も受賞している。
一方、主演のファーマンは2010年の映画『ソーシャル・ネットワーク』(※ボート大会の描写がある)を観た以外には、ローイングとは一切の接点がなかったという。「まさか自分がやるとは思わなかった。脚本を読んでこのスポーツに魅了された。まるで恋するみたいに」と、この競技との出会いを振り返るファーマン。しかし、撮影前に行ったトレーニングは相当に過酷なものだったようだ。
朝4時半に起きて港まで運転して、3時間漕いでから15分仮眠。15分で食べ物をほおばって、もう3時間漕いだ。毎日6時間、艇の練習。その後、渋滞の中を運転して2回目の朝食を食べ、週に4回1時間のウェイト・リフティング。映画のアレックスと同様、私も変わっていった。
想像を絶するハードな特訓のディテールを語りつつ、ファーマンは思わず苦笑するような表情を浮かべる。さらに、「ローイングに夢中になって、全くの初心者から自分自身が満足できるところまで極めることができるか――映画同様、彼女(アレックス)と同じ道を辿った」と、自分を極限まで追い込んでいく主人公と同じ境地に至ったことを振り返る。
そんなファーマンに対し、「君の叫びは本物だった!」と称えるスナイダー。本作は彼女の名を知らしめた『エスター』以来の主演作となるが、ファーマン自身も「言い表せないほど私の糧になった。こういう役や挑戦を長いあいだ夢見ていたけど、ローレンが私を選んでくれて実現した。この映画を誇りに思ってる。夢じゃないかって自分をつねってるわ」と満足感を滲ませる。
そしてハダウェイ監督も「彼女が役を会得してくれて本当に助かった。彼女の演技が素晴らしくて安心して任せられた」と振り返るが、その一方で“水上シーンでの撮影”は監督以外にローイングを知っているスタッフが誰一人おらず、相当の苦労もあったようだ。
映像ではそのほか、監督が考えていた本作の“真のテーマ”などの裏話がたっぷり語られているので、本作の鑑賞前/後を問わず是非チェックしてほしい。
『ノーヴィス』は2024年11月1日(金)より全国順次公開中